世界の羊飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1968年の世界における羊の飼養数に関するデータでは、オーストラリアが約1億6,691万2,000匹で首位を独走しています。2位の中国（約8,233万匹）と3位のニュージーランド（約6,047万匹）を大きく引き離しており、羊飼養は特にオセアニア地域で顕著です。これに続くインド、アルゼンチン、南アフリカなども羊の飼育が盛んな地域として挙げられます。一方、日本はわずか8万3,410匹で98位にランクされ、羊飼養が他国に比べて非常に少ない傾向が見られます。

順位	国名	地域	飼養数(匹)
1	オーストラリア	オセアニア	166,912,000
2	中国	アジア	82,330,000
3	ニュージーランド	オセアニア	60,473,600
4	アルゼンチン	南アメリカ	46,000,000
5	インド	アジア	41,330,000
6	南アフリカ	アフリカ	39,543,616
7	トルコ	アジア	35,878,000
8	イラン（イスラム共和国）	アジア	31,130,000
9	イギリス	ヨーロッパ	28,123,936
10	アメリカ合衆国	北アメリカ	22,223,008
11	ウルグアイ	南アメリカ	21,500,000
12	アフガニスタン	アジア	21,455,008
13	スペイン	ヨーロッパ	18,642,000
14	ブラジル	南アメリカ	16,767,000
15	ペルー	南アメリカ	16,219,900
16	モロッコ	アフリカ	14,750,000
17	ルーマニア	ヨーロッパ	14,380,200
18	イラク	アジア	13,100,000
19	モンゴル	アジア	13,059,000
20	パキスタン	アジア	12,950,000
21	ブルガリア	ヨーロッパ	9,904,864
22	フランス	ヨーロッパ	9,509,600
23	ソマリア	アフリカ	8,400,000
24	イタリア	ヨーロッパ	8,285,400
25	ギリシャ	ヨーロッパ	7,873,791
26	アルジェリア	アフリカ	7,533,600
27	チリ	南アメリカ	6,675,020
28	メキシコ	南アメリカ	6,639,260
29	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	6,460,000
30	シリア・アラブ共和国	アジア	5,937,921
31	マリ	アフリカ	5,450,000
32	ポルトガル	ヨーロッパ	5,324,200
33	チュニジア	アフリカ	4,520,000
34	インドネシア	アジア	4,409,000
35	ケニア	アフリカ	4,200,000
36	モーリタニア	アフリカ	4,200,000
37	ニジェール	アフリカ	4,200,000
38	ナミビア	アフリカ	3,620,000
39	ポーランド	ヨーロッパ	3,328,400
40	ハンガリー	ヨーロッパ	3,310,811
41	アイルランド	ヨーロッパ	2,990,200
42	タンザニア連合共和国	アフリカ	2,828,000
43	ドイツ	ヨーロッパ	2,628,300
44	ナイジェリア	アフリカ	2,513,000
45	イエメン	アジア	2,465,000
46	サウジアラビア	アジア	2,165,000
47	チャド	アフリカ	2,075,000
48	カメルーン	アフリカ	2,000,000
49	コロンビア	南アメリカ	1,966,000
50	ノルウェー	ヨーロッパ	1,945,732
51	エジプト	アフリカ	1,935,000
52	エクアドル	南アメリカ	1,811,433
53	リビア	アフリカ	1,667,104
54	ブルキナファソ	アフリカ	1,550,000
55	アルバニア	ヨーロッパ	1,379,100
56	レソト	アフリカ	1,364,703
57	セネガル	アフリカ	1,346,730
58	ガーナ	アフリカ	1,240,000
59	アイスランド	ヨーロッパ	829,067
60	コートジボワール	アフリカ	799,000
61	ヨルダン	アジア	792,300
62	ウガンダ	アフリカ	783,750
63	トーゴ	アフリカ	659,000
64	ジンバブエ	アフリカ	634,377
65	ネパール	アジア	610,000
66	マダガスカル	アフリカ	604,950
67	グアテマラ	南アメリカ	564,500
68	オランダ	ヨーロッパ	552,000
69	コンゴ民主共和国	アフリカ	522,000
70	ベナン	アフリカ	511,643
71	バングラデシュ	アジア	500,000
72	カナダ	北アメリカ	421,000
73	パラグアイ	南アメリカ	402,000
74	キプロス	アジア	390,000
75	ギニア	アフリカ	350,000
76	スウェーデン	ヨーロッパ	326,786
77	スイス	ヨーロッパ	297,800
78	キューバ	南アメリカ	260,000
79	ボツワナ	アフリカ	231,336
80	ミャンマー	アジア	223,983
81	ブルンジ	アフリカ	206,077
82	レバノン	アジア	199,540
83	イスラエル	アジア	199,000
84	ルワンダ	アフリカ	183,000
85	シエラレオネ	アフリカ	172,000
86	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	165,000
87	ジブチ	アフリカ	160,000
88	フィンランド	ヨーロッパ	154,800
89	リベリア	アフリカ	145,000
90	アンゴラ	アフリカ	136,691
91	オーストリア	ヨーロッパ	129,570
92	ギニアビサウ	アフリカ	115,000
93	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	110,000
94	デンマーク	ヨーロッパ	109,884
95	モザンビーク	アフリカ	108,632
96	ガイアナ	南アメリカ	100,000
97	ガンビア	アフリカ	98,700
98	日本	アジア	83,410
99	クウェート	アジア	82,000
100	マラウイ	アフリカ	81,277
101	アラブ首長国連邦	アジア	78,000
102	フェロー諸島	ヨーロッパ	68,931
103	ハイチ	南アメリカ	65,800
104	中央アフリカ共和国	アフリカ	60,000
105	ガボン	アフリカ	50,000
106	ドミニカ共和国	南アメリカ	43,000
107	東ティモール	アジア	41,850
108	バルバドス	南アメリカ	41,000
109	エスワティニ	アフリカ	40,592
110	タイ	アジア	39,651
111	マルティニーク	南アメリカ	38,000
112	マレーシア	アジア	37,108
113	オマーン	アジア	37,000
114	コンゴ	アフリカ	36,000
115	カタール	アジア	33,000
116	ザンビア	アフリカ	31,900
117	赤道ギニア	アフリカ	26,500
118	フィリピン	アジア	25,271
119	スリランカ	アジア	24,819
120	バハマ	南アメリカ	22,000
121	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	13,650
122	グレナダ	南アメリカ	10,500
123	ブータン	アジア	9,100
124	マルタ	ヨーロッパ	9,034
125	セントルシア	南アメリカ	8,000
126	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	7,800
127	ジャマイカ	南アメリカ	7,500
128	コモロ	アフリカ	5,700
129	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	5,600
130	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	5,500
131	モーリシャス	アフリカ	5,000
132	グアドループ	南アメリカ	4,390
133	プエルトリコ	南アメリカ	4,300
134	スリナム	南アメリカ	4,200
135	ニューカレドニア	オセアニア	4,100
136	ホンジュラス	南アメリカ	4,000
137	エルサルバドル	南アメリカ	4,000
138	フランス領ポリネシア	オセアニア	3,300
139	ドミニカ	南アメリカ	3,150
140	カーボベルデ	アフリカ	3,000
141	サントメ・プリンシペ	アフリカ	2,574
142	レユニオン	アフリカ	2,500
143	大韓民国	アジア	2,197
144	バーレーン	アジア	1,900
145	フランス領ギアナ	南アメリカ	1,900
146	コスタリカ	南アメリカ	1,880
147	ベリーズ	南アメリカ	1,700
148	ニカラグア	南アメリカ	1,300
149	パプアニューギニア	オセアニア	390
150	中国、香港特別行政区	アジア	26
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1968年時点の国際連合食糧農業機関（FAO）が提供するデータから、世界各国の羊飼養状況を確認することができます。このデータは、各国における羊の頭数を示しており、畜産業全般の発展状況を把握する上で有用な指標です。同時に、食肉および羊毛産業の経済的重要性、そして地理的要因や地域特性の影響を浮き彫りにしています。

オーストラリアが世界一の飼養数を誇る背景には、広大な牧草地と羊飼育に高度に適した気候条件が挙げられます。オセアニア地域で伝統的に普及してきた羊産業は、羊毛の輸出を主要な経済活動として基盤を築いてきました。特にメリノ種の羊は高品質な羊毛を提供することで知られ、世界市場での需要を支える一因ともなっています。ニュージーランドもこれと類似の条件を持つ国であり、3位という順位がその安定した生産基盤を象徴しています。

中国やインドといったアジア地域では、羊は主に肉類の消費に結び付いた飼育が行われています。特に中国は、国土の一部に広がる半乾燥地帯（例: 内モンゴル自治区）が羊の放牧に適していることから、アジアで随一の飼養頭数を誇ります。一方、インドでは地域的な宗教や文化的背景から豚肉や牛肉の消費が制限されている一部地域がある一方で、羊肉は一定の需要を誇ります。

南アメリカ、特にアルゼンチンやウルグアイでは、農業や牧畜が経済活動の大部分を占めており、広大な草原地帯（パンパ）を活用した羊の生産が長い歴史によって継続されています。類似する条件の国としては南アフリカも挙げられ、こちらでは羊は輸出可能な家畜資源としての役割を担ってきました。

ヨーロッパ地域では、イギリスが9位にランクインしているものの、全体的には中規模以下の飼養数を持つ国が多い傾向にあります。フランスやドイツのような工業化の進んだ国々では、土地利用の多様化により羊牧畜自体の規模が制限される一方で、地産地消を目的とした多様な畜産業が持続されています。

日本に目を向けると、飼養数は僅か8万匹余りに留まり、飼養数ランキングでは下位の98位となっています。これは、地形的な要因、狭小な農地、産業としての発展の遅れが影響していると考えられます。日本国内では羊の飼育よりも、乳牛や肉牛、さらには豚肉や鶏肉の生産が優先されており、それらが日本の食品産業の基盤を構成しています。また羊肉は国内消費のうち輸入品に依存しており、オーストラリアやニュージーランドからの輸入がほとんどを占めています。

このデータから見えてくる課題として、地域ごとの気候変動、土地利用の変化、紛争や疫病の影響への対応策を挙げるべきでしょう。また、羊を主要資源とする国々において、地政学的な安定が生産と輸出の持続可能性に与える影響も考慮する必要があります。例えば、内戦や国際的な制裁が頻発する地域では、輸出可能な農産物や畜産業が同時に脅かされる可能性があります。

さらに、将来的に気候変動がこれらの国々の牧草地に負の影響をもたらす可能性も無視することができません。そのため、各国は土地利用の効率化を進めるとともに、多様な環境条件に適応する家畜種の選択や改良が必要です。日本のように羊の飼育規模が小さい国についても、土地利用の効率化や需要に応じた地域産業の創出など、地元での資源循環を目指した具体的な施策が求められます。

結論として、1968年のデータからは羊の飼育規模が各地域・国によって顕著に異なることがわかります。この現状を踏まえ、気候政策や国際協力の枠組みを活用した農業政策の強化により、持続可能な羊産業の将来像を創造することが望まれます。さらに、食糧安全保障の観点からも、各国間の供給網の強化が求められるでしょう。