世界の羊飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1973年の国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、羊の飼養数ランキングでトップに立ったのはオーストラリアで、1億4002万8576匹に達しました。次いで中国が8798万匹、ニュージーランドが5668万3808匹を保有しており、この3か国が際立った数値を示しました。一方、日本は17270匹で119位に位置し、他の主要国と比較して非常に低い順位にとどまっています。

順位	国名	地域	飼養数(匹)
1	オーストラリア	オセアニア	140,028,576
2	中国	アジア	87,980,000
3	ニュージーランド	オセアニア	56,683,808
4	インド	アジア	40,200,000
5	アルゼンチン	南アメリカ	40,000,000
6	トルコ	アジア	38,806,000
7	南アフリカ	アフリカ	30,742,000
8	イギリス	ヨーロッパ	28,049,504
9	イラン（イスラム共和国）	アジア	27,819,008
10	アメリカ合衆国	北アメリカ	17,641,008
11	ブラジル	南アメリカ	17,500,000
12	スペイン	ヨーロッパ	17,190,528
13	モロッコ	アフリカ	16,000,000
14	アフガニスタン	アジア	16,000,000
15	ウルグアイ	南アメリカ	15,902,339
16	ペルー	南アメリカ	15,104,800
17	パキスタン	アジア	14,828,000
18	ルーマニア	ヨーロッパ	14,455,188
19	モンゴル	アジア	13,716,900
20	フランス	ヨーロッパ	10,442,000
21	ブルガリア	ヨーロッパ	9,920,943
22	イラク	アジア	9,670,000
23	ソマリア	アフリカ	9,300,000
24	アルジェリア	アフリカ	8,455,180
25	ギリシャ	ヨーロッパ	7,906,341
26	イタリア	ヨーロッパ	7,770,300
27	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	7,322,770
28	メキシコ	南アメリカ	6,404,100
29	チュニジア	アフリカ	5,968,000
30	チリ	南アメリカ	5,353,300
31	ニジェール	アフリカ	5,087,208
32	シリア・アラブ共和国	アジア	4,839,506
33	ナイジェリア	アフリカ	4,485,000
34	ポルトガル	ヨーロッパ	4,155,000
35	モーリタニア	アフリカ	4,000,000
36	マリ	アフリカ	3,900,000
37	ナミビア	アフリカ	3,720,000
38	ケニア	アフリカ	3,500,000
39	インドネシア	アジア	3,480,000
40	タンザニア連合共和国	アフリカ	3,291,800
41	リビア	アフリカ	3,100,000
42	ポーランド	ヨーロッパ	3,050,000
43	アイルランド	ヨーロッパ	2,834,600
44	サウジアラビア	アジア	2,637,000
45	チャド	アフリカ	2,600,000
46	ドイツ	ヨーロッパ	2,564,320
47	イエメン	アジア	2,361,000
48	エクアドル	南アメリカ	2,020,000
49	エジプト	アフリカ	1,994,000
50	ハンガリー	ヨーロッパ	1,936,000
51	コロンビア	南アメリカ	1,812,000
52	セネガル	アフリカ	1,798,000
53	カメルーン	アフリカ	1,700,000
54	ノルウェー	ヨーロッパ	1,647,546
55	レソト	アフリカ	1,556,900
56	ブルキナファソ	アフリカ	1,400,000
57	ガーナ	アフリカ	1,347,000
58	アルバニア	ヨーロッパ	1,162,500
59	バングラデシュ	アジア	938,000
60	ウガンダ	アフリカ	921,300
61	コートジボワール	アフリカ	920,000
62	ヨルダン	アジア	849,900
63	アイスランド	ヨーロッパ	828,589
64	ベナン	アフリカ	806,140
65	ジンバブエ	アフリカ	755,000
66	コンゴ民主共和国	アフリカ	706,700
67	マダガスカル	アフリカ	664,356
68	ネパール	アジア	660,000
69	オランダ	ヨーロッパ	657,307
70	トーゴ	アフリカ	657,000
71	グアテマラ	南アメリカ	571,909
72	カナダ	北アメリカ	565,000
73	キプロス	アジア	480,000
74	ギニア	アフリカ	378,205
75	スウェーデン	ヨーロッパ	347,471
76	スイス	ヨーロッパ	336,010
77	パラグアイ	南アメリカ	335,700
78	ボツワナ	アフリカ	328,000
79	キューバ	南アメリカ	310,000
80	ブルンジ	アフリカ	295,713
81	ジブチ	アフリカ	280,000
82	ルワンダ	アフリカ	243,012
83	レバノン	アジア	226,456
84	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	225,000
85	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	205,000
86	シエラレオネ	アフリカ	205,000
87	ミャンマー	アジア	198,000
88	アンゴラ	アフリカ	187,000
89	イスラエル	アジア	185,000
90	リベリア	アフリカ	165,000
91	フィンランド	ヨーロッパ	145,100
92	モザンビーク	アフリカ	129,604
93	ギニアビサウ	アフリカ	129,000
94	オーストリア	ヨーロッパ	118,777
95	ガンビア	アフリカ	118,000
96	アラブ首長国連邦	アジア	116,000
97	ガイアナ	南アメリカ	102,000
98	クウェート	アジア	96,865
99	ハイチ	南アメリカ	90,000
100	マラウイ	アフリカ	88,516
101	オマーン	アジア	75,000
102	フェロー諸島	ヨーロッパ	68,343
103	中央アフリカ共和国	アフリカ	65,000
104	デンマーク	ヨーロッパ	55,824
105	ドミニカ共和国	南アメリカ	48,000
106	バルバドス	南アメリカ	46,000
107	マルティニーク	南アメリカ	46,000
108	東ティモール	アジア	45,991
109	ガボン	アフリカ	43,000
110	マレーシア	アジア	41,890
111	コンゴ	アフリカ	41,000
112	エスワティニ	アフリカ	38,184
113	カタール	アジア	37,700
114	タイ	アジア	36,000
115	赤道ギニア	アフリカ	31,000
116	フィリピン	アジア	30,000
117	ザンビア	アフリカ	30,000
118	スリランカ	アジア	27,343
119	日本	アジア	17,270
120	バハマ	南アメリカ	16,000
121	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	13,800
122	セントルシア	南アメリカ	10,442
123	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	9,800
124	モーリシャス	アフリカ	9,600
125	ブータン	アジア	9,300
126	グレナダ	南アメリカ	8,000
127	コモロ	アフリカ	7,500
128	マルタ	ヨーロッパ	7,047
129	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	7,000
130	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	7,000
131	プエルトリコ	南アメリカ	5,400
132	ジャマイカ	南アメリカ	5,300
133	ホンジュラス	南アメリカ	5,000
134	ニューカレドニア	オセアニア	5,000
135	グアドループ	南アメリカ	4,300
136	エルサルバドル	南アメリカ	3,953
137	ドミニカ	南アメリカ	3,800
138	大韓民国	アジア	3,750
139	スリナム	南アメリカ	3,600
140	フランス領ポリネシア	オセアニア	2,800
141	ベリーズ	南アメリカ	2,600
142	バーレーン	アジア	2,500
143	フランス領ギアナ	南アメリカ	2,400
144	レユニオン	アフリカ	2,300
145	コスタリカ	南アメリカ	2,030
146	ニカラグア	南アメリカ	1,600
147	カーボベルデ	アフリカ	1,500
148	サントメ・プリンシペ	アフリカ	1,311
149	パプアニューギニア	オセアニア	449
150	中国、香港特別行政区	アジア	40
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1973年における羊の飼養数のデータは、産業構造や地理的条件を反映した興味深い動向を示しています。オーストラリア、中国、ニュージーランドの上位3か国は、それぞれ異なる背景で羊の飼養が発展しています。オーストラリアは広大な牧草地を活用し、羊毛や羊肉を国際市場に供給する主要な輸出国としての地位を築いています。中国は、国内消費の需要に応じた飼育体制を持ち、特に北部や西部の農村地域で羊の飼養が盛んです。一方、ニュージーランドは気候条件が羊の放牧に適しているため、羊産業が国民経済の重要な柱となっています。

インドやアルゼンチンも上位に位置し、それぞれ約4000万匹を保持しています。両国ともに広大な土地資源を活用していますが、インドでは主に家族経営の一環として小規模牧畜が行われており、アルゼンチンでは広範な牧草地での商業的な大規模飼育が進行しています。また、イギリスやトルコのような地域も上位に入り、伝統的な牧畜業が続けられている状況がうかがえます。

対照的に、アメリカは1764万1008匹と、面積や経済規模の割にはさほど高くありません。これは、羊肉や羊毛よりも牛や豚といった他の家畜を重視する農業経済の特性に由来しています。

日本はランキングで119位に位置し、合計がわずか1万7270匹となっています。これは、農地面積が限られており、羊の飼育が農業の主要産業として発展してこなかったことを反映しています。また、日本では輸入肉や毛織物の利用が主流であるため、国内の羊飼養規模は非常に小規模にとどまっています。

地政学的背景や社会経済状況は各国のランキングに大きく影響しています。たとえば、南アフリカの場合、羊毛製品の生産が長らく輸出産業の柱であり、安定した牧畜業が進められてきました。一方、多くの中東・北アフリカ諸国では、羊は食文化や宗教行事に不可欠な役割を果たしており、乾燥した環境でも育つ利点から広く飼育されています。こうした特徴は経済的用途以上に文化的側面を強調しています。

将来的な課題としては、人口増加や気候変動に伴う放牧地の減少が挙げられます。特に、砂漠化が進む地域では家畜のエサとなる牧草の生産が減少する可能性があります。また、羊飼養が経済基盤となっている多くの国々では、農業従事者の世代交代がうまく進んでおらず、若い世代を農牧業分野に取り込む取り組みが必要です。

解決策としては、養羊技術の革新や持続可能な牧草管理の導入が挙げられます。例えば、乾燥地向けの耐乾性牧草の開発や、衛星データを使用した牧草地の監視システムの導入は、効率的な飼養を実現する可能性を秘めています。また、国際間での情報共有や技術協力を強化し、羊毛や羊肉の需要を効果的に満たすグローバルな貿易体制を推進することが重要です。さらに、各国政府や国際機関は、気候変動対策として放牧地保全の政策を強化すべきでしょう。

結論として、このデータから、世界の羊飼養の状況が地理や経済、文化的要因と密接につながっている現状が見えてきます。将来に向けては、持続可能な牧場経営を進めるための技術的支援や国際的な連携が鍵となるでしょう。日本では、大規模な拡大が難しい一方で、地域資源を活用し地域特有の羊産品を開発することで、付加価値を高める道が模索されるべきです。