世界の羊飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が公開したデータによれば、1982年度の世界の羊飼養数ランキングの1位はオーストラリアで約1億3,798万匹、2位は中国で約1億947万匹、3位はニュージーランドで約7,030万匹という結果でした。このデータは世界各国における羊の頭数をもとに集計されており、畜産業の規模や地域ごとの特徴を示す重要な指標となっています。日本は19,000匹でランキング120位と低水準に留まっています。

順位	国名	地域	飼養数(匹)
1	オーストラリア	オセアニア	137,976,400
2	中国	アジア	109,470,000
3	ニュージーランド	オセアニア	70,301,456
4	トルコ	アジア	49,598,000
5	インド	アジア	48,764,000
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	34,604,496
7	南アフリカ	アフリカ	34,195,008
8	アルゼンチン	南アメリカ	30,400,608
9	パキスタン	アジア	22,812,000
10	イギリス	ヨーロッパ	22,200,000
11	ウルグアイ	南アメリカ	20,306,848
12	アフガニスタン	アジア	18,900,000
13	ブラジル	南アメリカ	18,588,000
14	ルーマニア	ヨーロッパ	17,288,000
15	スペイン	ヨーロッパ	17,130,000
16	モンゴル	アジア	14,714,000
17	ペルー	南アメリカ	14,163,800
18	アルジェリア	アフリカ	14,110,000
19	フランス	ヨーロッパ	13,525,000
20	アメリカ合衆国	北アメリカ	12,997,000
21	シリア・アラブ共和国	アジア	11,403,470
22	イラク	アジア	10,865,000
23	ブルガリア	ヨーロッパ	10,725,518
24	ソマリア	アフリカ	10,580,000
25	モロッコ	アフリカ	10,155,000
26	イタリア	ヨーロッパ	9,051,000
27	ナイジェリア	アフリカ	8,943,000
28	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	8,200,000
29	ギリシャ	ヨーロッパ	8,143,706
30	メキシコ	南アメリカ	6,642,247
31	マリ	アフリカ	6,400,000
32	ケニア	アフリカ	6,300,000
33	ニジェール	アフリカ	6,037,762
34	チリ	南アメリカ	6,000,000
35	サウジアラビア	アジア	5,856,654
36	リビア	アフリカ	5,500,000
37	モーリタニア	アフリカ	5,247,100
38	チュニジア	アフリカ	5,104,800
39	ポルトガル	ヨーロッパ	4,780,000
40	インドネシア	アジア	4,231,000
41	ポーランド	ヨーロッパ	3,898,849
42	タンザニア連合共和国	アフリカ	3,844,110
43	ブルキナファソ	アフリカ	3,700,000
44	イエメン	アジア	3,285,318
45	ドイツ	ヨーロッパ	3,277,033
46	ハンガリー	ヨーロッパ	3,137,300
47	ナミビア	アフリカ	2,791,347
48	エジプト	アフリカ	2,650,000
49	コロンビア	南アメリカ	2,634,000
50	アイルランド	ヨーロッパ	2,449,300
51	セネガル	アフリカ	2,244,000
52	ノルウェー	ヨーロッパ	2,227,100
53	チャド	アフリカ	2,135,000
54	カメルーン	アフリカ	2,100,000
55	ガーナ	アフリカ	1,950,000
56	ウガンダ	アフリカ	1,453,500
57	レソト	アフリカ	1,337,448
58	アルバニア	ヨーロッパ	1,300,000
59	ベナン	アフリカ	1,052,260
60	コートジボワール	アフリカ	1,030,000
61	エクアドル	南アメリカ	1,013,800
62	ヨルダン	アジア	990,000
63	マダガスカル	アフリカ	795,000
64	オランダ	ヨーロッパ	776,404
65	ネパール	アジア	750,000
66	アイスランド	ヨーロッパ	747,701
67	コンゴ民主共和国	アフリカ	731,700
68	トーゴ	アフリカ	674,839
69	バングラデシュ	アジア	615,000
70	カナダ	北アメリカ	571,600
71	ギニア	アフリカ	445,000
72	スウェーデン	ヨーロッパ	430,083
73	ジンバブエ	アフリカ	400,000
74	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	382,000
75	キューバ	南アメリカ	365,000
76	パラグアイ	南アメリカ	360,782
77	ジブチ	アフリカ	360,000
78	グアテマラ	南アメリカ	335,800
79	スイス	ヨーロッパ	332,600
80	ルワンダ	アフリカ	326,647
81	ブルンジ	アフリカ	313,300
82	キプロス	アジア	310,000
83	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	310,000
84	シエラレオネ	アフリカ	300,000
85	ミャンマー	アジア	258,000
86	イスラエル	アジア	247,000
87	アンゴラ	アフリカ	235,000
88	クウェート	アジア	230,832
89	リベリア	アフリカ	220,000
90	オーストリア	ヨーロッパ	194,390
91	ギニアビサウ	アフリカ	187,000
92	レバノン	アジア	144,500
93	ガンビア	アフリカ	142,000
94	ボツワナ	アフリカ	140,000
95	アラブ首長国連邦	アジア	138,600
96	オマーン	アジア	135,654
97	ガイアナ	南アメリカ	120,000
98	ガボン	アフリカ	115,000
99	マラウイ	アフリカ	110,546
100	ハイチ	南アメリカ	110,000
101	モザンビーク	アフリカ	110,000
102	フィンランド	ヨーロッパ	103,800
103	中央アフリカ共和国	アフリカ	90,000
104	コンゴ	アフリカ	84,644
105	ドミニカ共和国	南アメリカ	74,950
106	フェロー諸島	ヨーロッパ	64,328
107	マレーシア	アジア	63,400
108	マルティニーク	南アメリカ	58,000
109	ザンビア	アフリカ	55,525
110	デンマーク	ヨーロッパ	49,000
111	バルバドス	南アメリカ	47,000
112	エスワティニ	アフリカ	40,138
113	カタール	アジア	38,535
114	赤道ギニア	アフリカ	34,100
115	フィリピン	アジア	30,000
116	スリランカ	アジア	28,000
117	タイ	アジア	27,018
118	東ティモール	アジア	20,000
119	日本	アジア	19,000
120	グレナダ	南アメリカ	15,900
121	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	14,000
122	セントルシア	南アメリカ	13,735
123	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	13,500
124	ブータン	アジア	13,000
125	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	12,000
126	コモロ	アフリカ	11,000
127	バハマ	南アメリカ	9,500
128	モーリシャス	アフリカ	8,000
129	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	7,500
130	バーレーン	アジア	7,000
131	ドミニカ	南アメリカ	6,500
132	プエルトリコ	南アメリカ	5,900
133	ホンジュラス	南アメリカ	5,400
134	大韓民国	アジア	4,282
135	エルサルバドル	南アメリカ	4,100
136	マルタ	ヨーロッパ	4,037
137	グアドループ	南アメリカ	3,768
138	スリナム	南アメリカ	3,240
139	ベリーズ	南アメリカ	3,100
140	レユニオン	アフリカ	3,000
141	フランス領ギアナ	南アメリカ	3,000
142	ニカラグア	南アメリカ	2,800
143	ジャマイカ	南アメリカ	2,800
144	ニューカレドニア	オセアニア	2,600
145	コスタリカ	南アメリカ	2,500
146	パプアニューギニア	オセアニア	1,826
147	サントメ・プリンシペ	アフリカ	1,800
148	フランス領ポリネシア	オセアニア	1,600
149	カーボベルデ	アフリカ	1,200
150	中国、台湾 中国省	アジア	239
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1982年度の羊飼養数データから、オーストラリアが世界のトップであることが明らかです。約1億3,798万匹もの羊が飼われており、牧草地の大規模な広がりや輸出指向型の畜産業がその背景にあります。中国は次点の約1億947万匹で、国土面積の広さと伝統的な牧畜文化、小規模農家の寄与が主要な要因として挙げられます。ニュージーランドも約7,030万匹と上位にランクインし、羊毛や羊肉が経済を支える重要な産業として発展しています。

これら上位3位の国々に共通する特徴として、広大な土地利用が効率的に行われていることが挙げられます。オーストラリアやニュージーランドでは、牧草地を活用した生産方式が中心で、一匹あたりの生産コストが抑えられていることが競争力の源泉です。一方、4位以下のトルコ（約4,960万匹）やインド（約4,876万匹）などでは、羊が主に自給的な役割を担っており、輸出規模は相対的に小さい傾向があります。

アジア地域では、中国が圧倒的な飼養数を誇る一方、モンゴルやインドといった国々も羊の飼養が盛んであり、気候的・文化的要因がその基盤となっています。欧州諸国ではイギリス（約2,220万匹）やフランス（約1,352万匹）などが上位に入るものの、全体的にはアジアやオセアニアに比べて飼養数は低めです。アメリカ合衆国（約1,299万匹）やアルゼンチン（約3,040万匹）のように、広大な土地を持ちながらも他の畜産に注力する国も存在します。

日本は120位、たったの19,000匹と低水準にとどまっており、生産規模の小ささが顕著です。この背景として、国土の地形や都市化の進行、さらには羊肉や羊乳の国内需要の低さが挙げられるでしょう。韓国はさらに下位の134位で4,282匹という結果で、アジア圏内でも特に飼養数が少ない国の一つに位置しています。

しかし、多くの羊を飼養する国々には共通していくつかの課題があります。過放牧による土地の劣化、気候変動の影響による水資源不足、そして家畜感染症のリスクが深刻化しています。これらの問題は畜産業だけでなく、それを基盤とする地域経済や輸出市場にも波及しかねません。特に地政学的には、内陸国や紛争地域では羊の安全な輸送が困難になる場合もあり、これが農村部の生計を危うくする要因となります。

将来に向けた具体的な対策として、持続可能な牧草地管理技術の導入や、気候変動に強い羊の育種が求められます。さらに、羊肉や羊乳の輸出市場開拓を進めることで、農家の収益を拡大することが可能です。日本のような飼養数が少ない国でも、特定の品種に特化し高付加価値を生むためのニッチ産業の形成が期待されます。また、国際協力体制を通じて感染症の管理や知識の共有を図ることも重要と言えるでしょう。

このデータから導き出される結論として、羊飼養はその地域の資源と文化に深く根差しており、持続可能な生産を目指す必要があります。国際連合や地域政府は、牧草地の保全や感染症対策の支援を通じて、この産業を取り巻く課題解決に取り組むべきです。さらに、気候変動の進行に備えた戦略も欠かせない要素となるでしょう。