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パラグアイの桃(モモ)・ネクタリン生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、パラグアイの桃(モモ)およびネクタリンの生産量は1961年には2,700トンで開始し、その後1976年まで順調な増加が見られました。しかし、1980年を境に急激な低迷期に入り、1990年代には1,000トン台へ落ち込みました。2000年代以降は緩やかな回復傾向が続き、2023年には1,431トンに達しました。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,431
1.08% ↑
2022年 1,416
0.52% ↑
2021年 1,408
0.52% ↑
2020年 1,401
0.71% ↑
2019年 1,391
-0.56% ↓
2018年 1,399
0.62% ↑
2017年 1,390
0.82% ↑
2016年 1,379
0.8% ↑
2015年 1,368
1.34% ↑
2014年 1,350
0.1% ↑
2013年 1,349
-0.09% ↓
2012年 1,350
1.04% ↑
2011年 1,336
0.68% ↑
2010年 1,327
0.72% ↑
2009年 1,318
0.77% ↑
2008年 1,308
1.54% ↑
2007年 1,288
0.83% ↑
2006年 1,277
0.56% ↑
2005年 1,270
0.79% ↑
2004年 1,260
-3.08% ↓
2003年 1,300
1.8% ↑
2002年 1,277
2.16% ↑
2001年 1,250
-5.67% ↓
2000年 1,325
-5.35% ↓
1999年 1,400
-6.67% ↓
1998年 1,500
5.34% ↑
1997年 1,424
-8.72% ↓
1996年 1,560
-8.77% ↓
1995年 1,710
-8.75% ↓
1994年 1,874
1.02% ↑
1993年 1,855
-1.01% ↓
1992年 1,874
-0.53% ↓
1991年 1,884
-0.53% ↓
1990年 1,894
-0.58% ↓
1989年 1,905
2.04% ↑
1988年 1,867
-13.4% ↓
1987年 2,156
-10.5% ↓
1986年 2,409
-10.01% ↓
1985年 2,677
3% ↑
1984年 2,599
33.62% ↑
1983年 1,945
3.13% ↑
1982年 1,886
-21.42% ↓
1981年 2,400
-20% ↓
1980年 3,000
-19.87% ↓
1979年 3,744
1.03% ↑
1978年 3,706
1.98% ↑
1977年 3,634
-2% ↓
1976年 3,708
3% ↑
1975年 3,600
2.8% ↑
1974年 3,502
2.79% ↑
1973年 3,407
2.59% ↑
1972年 3,321
2.5% ↑
1971年 3,240
3.32% ↑
1970年 3,136
2.82% ↑
1969年 3,050
1.67% ↑
1968年 3,000
1.69% ↑
1967年 2,950
1.72% ↑
1966年 2,900
3.57% ↑
1965年 2,800 -
1964年 2,800
1.82% ↑
1963年 2,750
1.85% ↑
1962年 2,700 -
1961年 2,700 -

1961年から2023年にかけてのパラグアイの桃およびネクタリンの生産量データは、農業生産を取り巻く経済的、環境的、政策的な変動を反映する興味深い指標です。このデータによると、桃やネクタリンの生産は初期の20年間で毎年増加を続け、1976年には3,708トンに達しました。この高い生産量は、当時の農業技術の進展や適切な気候条件、さらに国内市場の需要増加による成果と考えられます。

しかし、1980年代に入ると生産量は急激な低下を示しました。1980年には一気に3,000トンまで落ち込み、さらに1982年にはその半分以下となる1,886トンを記録しました。この低迷の背景には、国内外の経済不安定、土壌の劣化や農業インフラ不足などの問題が挙げられます。また、政治的な不安定要因が国内の農業セクターに悪影響を与えた可能性も考えられます。

その後、1990年代から2000年代初頭にかけて状況はさらに悪化し、2001年にはついに1,250トンにまで減少しました。この長期的な低迷の理由には、地政学的リスク、農業政策の不備、さらには気候変動の影響も関連している可能性があります。特に干ばつや過剰降雨などの極端な気象イベントは、桃やネクタリンのような果実栽培に直接的な影響を与えます。

一方で、2000年代後半に入ると生産量の微増が見られ、2010年代には緩やかな回復が続きました。この趨勢は、農業技術の向上や品質管理に関する国際的な指導、そして国内市場や輸出市場向け需要が回復した可能性を示しています。2023年には1,431トンに達しており、この増加は持続的な農業政策の必要性を示唆しています。

しかしながら、1,430トン台という数値は、1970年代の3,000トン以上のピークと比較すると依然として大きく低い水準にとどまっています。これにより、農業政策立案者や関係者にはいくつかの課題が浮かび上がります。まず、気候変動に対する適応力を向上させるための気候レジリエント農業の推進が必要不可欠です。特に、灌漑設備や精密農業技術の導入によって異常気象の影響を軽減することが有効です。

また、パラグアイ国内の桃やネクタリン生産の競争力を高めるためには市場拡大が鍵となります。他国では、例えば中国は大規模な生産基盤と輸出力を背景に果物輸出で成功を収めています。パラグアイでも輸出向け物流を強化し、品質競争力の高い品種を育成すべきです。また、果実加工品産業の育成によって付加価値を高め、中小農家への所得向上を目指す政策が効果的でしょう。

さらに地政学的なリスクとして、地域の経済連携や自然災害対策が考慮されるべきです。自然災害への対策であれば、保険制度の導入や国際的な支援プログラムの活用が挙げられます。都市部における健康意識の高まりも、桃・ネクタリンの需要を増やす要素となるため、普及活動やマーケティング戦略を同時に進めることが重要です。

今後、パラグアイの桃およびネクタリン生産が持続可能な形で成長していくためには、農業政策と技術革新、そして市場ニーズを的確に反映した戦略が求められます。特に、農業従事者への支援を強化し、教育や技術移転を通じて生産効率を向上させる取り組みは不可欠です。地元農家・農協・政府が一丸となり、地元と国際社会を巻き込む協調的な取り組みが鍵となるでしょう。