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パラグアイのレモン・ライム生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、パラグアイのレモン・ライム生産量は1961年以降、年間10,000トンから18,743トンの範囲で推移しています。特に1988年から1991年にかけては生産量が著しく変動し、1990年には18,743トンのピークを記録しましたが、その後減少しました。2000年代以降は長期的に減少傾向が続いており、直近の2023年では9,057トンにとどまっています。このような推移は、気候変動や国内の農業政策の影響を受けている可能性があります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 9,057
-1.31% ↓
2022年 9,176
-3.57% ↓
2021年 9,516
0.62% ↑
2020年 9,457
-0.61% ↓
2019年 9,515
2% ↑
2018年 9,328
-0.02% ↓
2017年 9,330
0.01% ↑
2016年 9,329
0.5% ↑
2015年 9,283
3.14% ↑
2014年 9,000 -
2013年 9,000
-0.63% ↓
2012年 9,057 -
2011年 9,057 -
2010年 9,057
2.98% ↑
2009年 8,795
4.7% ↑
2008年 8,400
-43.62% ↓
2007年 14,900
2.34% ↑
2006年 14,560
-1.62% ↓
2005年 14,800
-2.05% ↓
2004年 15,110
42.84% ↑
2003年 10,578
-26.85% ↓
2002年 14,460
-17.12% ↓
2001年 17,446
64.93% ↑
2000年 10,578
-17.2% ↓
1999年 12,776
-0.09% ↓
1998年 12,788
2.18% ↑
1997年 12,515
-1.22% ↓
1996年 12,669
0.61% ↑
1995年 12,592
-19.47% ↓
1994年 15,636
-4.09% ↓
1993年 16,302
-1.78% ↓
1992年 16,597
48.28% ↑
1991年 11,193
-40.28% ↓
1990年 18,743
3.1% ↑
1989年 18,180
0.22% ↑
1988年 18,140
19.95% ↑
1987年 15,123
1.46% ↑
1986年 14,906
2.14% ↑
1985年 14,593
4.3% ↑
1984年 13,992
53.59% ↑
1983年 9,110
2.86% ↑
1982年 8,857
-29.3% ↓
1981年 12,527
-7.21% ↓
1980年 13,500
-6.26% ↓
1979年 14,402
1.96% ↑
1978年 14,125
1.49% ↑
1977年 13,918
-2.16% ↓
1976年 14,225
5.01% ↑
1975年 13,546
1.51% ↑
1974年 13,345
1.27% ↑
1973年 13,178
2.27% ↑
1972年 12,885
1.64% ↑
1971年 12,677
1.51% ↑
1970年 12,489
-3.93% ↓
1969年 13,000
-13.33% ↓
1968年 15,000
7.14% ↑
1967年 14,000 -
1966年 14,000 -
1965年 14,000
7.69% ↑
1964年 13,000
8.33% ↑
1963年 12,000 -
1962年 12,000
20% ↑
1961年 10,000 -

パラグアイのレモン・ライムの生産量は、過去60年以上にわたり一定の起伏を繰り返してきました。1961年に10,000トンでスタートし、1970年代から1980年代にかけては低いながらも持続的な増加を見せ、1988年以降の数年間は18,000トン台の高水準を維持する好調な時期が見られました。しかし、1991年には11,193トンへ急減し、その後も減少と回復を繰り返しています。2000年代の初頭には一時的に17,446トンまでの回復を見せたものの、その後再び減少し、2020年以降は、生産量が9,000トン前後にとどまり停滞しています。

このような生産量の変動には、いくつかの要因が考えられます。まず大きな影響を与えるのが気候の変動です。レモンやライムは、温暖で適度な降水量を必要とするため、極端な気温、干ばつ、または豪雨といった気候リスクが大きく影響します。また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが2020年以降、農産物市場の物流や輸出入に影響を与えた可能性についても考慮すべきです。

さらに、国内農業政策のポイントも重要です。例えば、レモン・ライム栽培に対する政府の支援の不足や、他の農産物との競合が生産量の増減に関与している可能性があります。また、農業技術の導入やインフラ整備が遅れることで、生産効率が向上せず栽培面積や収穫量が限られている可能性も考えられます。

地域的な点にも目を向けると、他の主要産出国との比較が有用です。例えばメキシコやインドは、世界的なレモン・ライムの供給国として市場をほぼ独占し、これにより他国の輸出シェアが圧迫されています。同様に、日本などの取引対象国との輸出入条件も影響を与えている可能性があります。

今後の課題としては、まず持続可能な農業計画の再設計が挙げられます。パラグアイは気候変動の影響を受けやすい地理的特性を持つため、このリスクに耐えられるような品種改良や、農地管理技術の導入が必要です。また、国際輸出市場において競争力を高めるため、生産コストを抑える施策や、輸出拡大を視野に入れた販路拡大も重要です。

結論として、レモン・ライムはパラグアイ農業における小規模だが重要な位置を占める産品です。その生産が安定し高い収益性を維持するためには、国と農業従事者の協力が不可欠です。政府による政策的支援の拡充、農業技術の向上、さらに地域および国際的な協力体制の構築が鍵となるでしょう。地域的な気候課題への対応とともに、レモン・ライム栽培が持続可能な成長を遂げることが期待されます。