国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、1979年度の世界のイチゴ生産量ランキング1位はアメリカ合衆国で、生産量は289,390トンでした。2位はイタリアの204,990トン、そして3位には日本が196,700トンでランクインしました。このランキングからは主に欧米諸国とアジア地域の国々が上位を占めており、イチゴの生産が経済的、地理的条件に大きく依存していることが示されています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 289,390 |
| 2 |
|
ヨーロッパ | 204,990 |
| 3 |
|
アジア | 196,700 |
| 4 |
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ヨーロッパ | 192,696 |
| 5 |
|
南アメリカ | 120,550 |
| 6 |
|
ヨーロッパ | 81,126 |
| 7 |
|
ヨーロッパ | 80,900 |
| 8 |
|
アジア | 74,887 |
| 9 |
|
ヨーロッパ | 74,613 |
| 10 |
|
ヨーロッパ | 54,800 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 27,969 |
| 12 |
|
北アメリカ | 24,649 |
| 13 |
|
ヨーロッパ | 24,200 |
| 14 |
|
アジア | 22,000 |
| 15 |
|
ヨーロッパ | 18,002 |
| 16 |
|
ヨーロッパ | 17,859 |
| 17 |
|
ヨーロッパ | 15,171 |
| 18 |
|
ヨーロッパ | 12,315 |
| 19 |
|
アジア | 8,800 |
| 20 |
|
ヨーロッパ | 8,002 |
| 21 |
|
ヨーロッパ | 7,541 |
| 22 |
|
ヨーロッパ | 5,000 |
| 23 |
|
ヨーロッパ | 4,920 |
| 24 |
|
オセアニア | 4,814 |
| 25 |
|
南アメリカ | 4,600 |
| 26 |
|
南アメリカ | 3,415 |
| 27 |
|
オセアニア | 3,321 |
| 28 |
|
南アメリカ | 3,294 |
| 29 |
|
ヨーロッパ | 2,800 |
| 30 |
|
アフリカ | 2,741 |
| 31 |
|
ヨーロッパ | 2,400 |
| 32 |
|
南アメリカ | 690 |
| 33 |
|
南アメリカ | 600 |
| 34 |
|
南アメリカ | 565 |
| 35 |
|
アジア | 550 |
| 36 |
|
アジア | 284 |
| 37 |
|
アフリカ | 110 |
| 38 |
|
アフリカ | 50 |
| 39 |
|
アジア | 10 |
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1979年の世界のイチゴ生産量データからは、アメリカ合衆国が世界最大規模の生産を誇っていることが明らかです。アメリカ合衆国は289,390トンという圧倒的な生産量を記録しており、その理由として、カリフォルニア州をはじめとする温暖な気候条件や先進的な農業技術、輸出需要の高さが挙げられます。この生産量は2位のイタリア(204,990トン)と大きく差をつけ、さらに3位の日本(196,700トン)が近接する形になっています。
イタリアと日本に注目すると、それぞれの生産の背景が異なります。イタリアは地中海性気候に恵まれ、農業生産が古くから脈々と受け継がれてきた伝統があります。一方、日本では当時、高度経済成長期を支えた消費文化の拡充により、農業にも品質志向や技術革新が進められたことが生産拡大の要因となっています。特に、イチゴ栽培では品種改良やハウス栽培技術が急速に普及した点が大きな特徴です。
4位のポーランド(192,696トン)は、ヨーロッパの気候条件に適応した生産国として、地域消費を中心に重要な役割を果たしています。また、観察すると、アメリカ合衆国、イタリア、日本の上位3カ国だけで世界のイチゴ生産量の大きな割合を占めており、全体の供給量が特定の国に集中している構造もうかがえます。
一方で、地域ごとの差も顕著です。たとえば、大韓民国やドイツ(それぞれ74,887トン、74,613トン)が上位にランクインしている一方、アフリカや南アメリカ諸国では生産量が非常に少ない傾向にあります。モロッコ(50トン)やブラジル(600トン)といった地域では、イチゴ栽培に適した気候条件や農業インフラの不足が推察されます。
このランキングの背景には、地政学的リスクや経済発展の段階も関わっています。イチゴは高付加価値作物であり、消費市場が発展していない国々では生産の優先度が低いと考えられます。また、1979年当時は冷戦下にあったため、一部の国々で農業技術の国際的な移転や貿易が十分に行われなかった可能性もあります。
将来的な課題としては、食料供給の安定性と国際間の格差の是正が挙げられます。特に気候変動による生産地の変化や市場需要の拡大に対応する必要があります。具体的な対策としては、気候に強い品種の研究開発や、農業技術を途上国に広めるための国際協力が考えられます。また、環境に配慮した栽培方法の採用や、生産効率の向上を支援する政策も重要です。
結論として、1979年度のイチゴ生産量データは、当時の農業生産の地理的・経済的傾向を反映していますが、あわせて今後の課題や方向性を示唆する貴重な指標となっています。国際的な取り組みを強化することで、持続可能な生産と公平な分配が実現に近づくでしょう。