国際連合食糧農業機関(FAO)が1978年の世界イチゴ生産量を基に発表したデータでは、首位はアメリカ合衆国で生産量は約29万9千トンでした。2位はポーランド(約20万2千トン)、3位はイタリア(約19万4千トン)、そして日本は第4位で18万4千6百トンの生産量を記録しています。世界全体の生産の多くは欧米諸国に集中しており、経済発展や農業技術の普及がイチゴ産業に影響を及ぼしていることが伺えます。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 299,369 |
| 2 |
|
ヨーロッパ | 201,911 |
| 3 |
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ヨーロッパ | 194,010 |
| 4 |
|
アジア | 184,600 |
| 5 |
|
南アメリカ | 99,379 |
| 6 |
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ヨーロッパ | 80,030 |
| 7 |
|
ヨーロッパ | 73,572 |
| 8 |
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ヨーロッパ | 54,300 |
| 9 |
|
ヨーロッパ | 50,700 |
| 10 |
|
アジア | 50,000 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 28,374 |
| 12 |
|
北アメリカ | 24,954 |
| 13 |
|
ヨーロッパ | 21,712 |
| 14 |
|
アジア | 21,000 |
| 15 |
|
ヨーロッパ | 20,400 |
| 16 |
|
ヨーロッパ | 17,326 |
| 17 |
|
ヨーロッパ | 16,988 |
| 18 |
|
ヨーロッパ | 11,910 |
| 19 |
|
ヨーロッパ | 9,459 |
| 20 |
|
アジア | 8,000 |
| 21 |
|
ヨーロッパ | 7,775 |
| 22 |
|
ヨーロッパ | 5,220 |
| 23 |
|
南アメリカ | 4,700 |
| 24 |
|
オセアニア | 4,440 |
| 25 |
|
ヨーロッパ | 4,200 |
| 26 |
|
南アメリカ | 3,632 |
| 27 |
|
南アメリカ | 3,071 |
| 28 |
|
ヨーロッパ | 3,000 |
| 29 |
|
アフリカ | 2,907 |
| 30 |
|
オセアニア | 2,834 |
| 31 |
|
ヨーロッパ | 2,300 |
| 32 |
|
南アメリカ | 675 |
| 33 |
|
南アメリカ | 594 |
| 34 |
|
アジア | 550 |
| 35 |
|
南アメリカ | 550 |
| 36 |
|
アジア | 254 |
| 37 |
|
アフリカ | 120 |
| 38 |
|
アフリカ | 50 |
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1978年におけるイチゴ生産量を見ると、アメリカ合衆国が他国を大きく引き離してトップに位置しており、その生産量は約29万9千トンに達しています。これは農業機械化や気候条件の良さ、さらに豊富な土地資源を最大限活用した結果であると考えられます。一方、ヨーロッパにおいては、ポーランドとイタリアがそれぞれ2位と3位にランクインしています。これらの国々では寒冷地でも生育しやすい品種改良や効果的な農業技術が生産効率を高めている要因と言えます。日本は第4位を占めており、18万4千6百トンの生産量を記録しました。この背景には、主に国内需要の高さや、温暖な気候を活かした農業技術の進歩が挙げられます。
アジア圏を見ると、日本以外では韓国が第10位となり約5万トンの生産実績を持っています。これに対して、中国やインドといったアジアの大国はランキングに登場していないことが興味深いと言えます。1978年当時、これらの地域ではイチゴの栽培に特化したインフラ整備や技術が限定的であり、また市場での需要も他の作物に比べてそれほど高くなかったことが理由と考えられます。
全体を通じて見ると、イチゴの主要な生産地は欧米諸国に集中しており、これらの国々の農業技術や政策が農産物生産基盤を強固なものとしていることが分かります。一方で、生産量が少ない国では、多くが気候条件や農業技術の未熟さにより作物の収穫量が制限されている現状が浮かび上がります。
将来的な課題として、生産量の地域間格差をどのように解消するかが重要になります。特に、気候が比較的温暖な国でも、農業技術やインフラが整備されていない地域では、技術支援や品種改良の支援策が必要となるでしょう。また、イチゴは輸送が難しく鮮度の維持が課題であるため、物流の改善も経済的発展に寄与する重要な要素です。
加えて、地政学的なリスクも軽視できません。例えば、地域紛争や資源争奪による国際貿易の停滞がイチゴの輸出入にも影響を与える可能性があります。これを防ぐためには、地域間の協力を強化し、安定した供給体制を構築することが不可欠です。
総じて、イチゴ生産量は国の経済状況、農業技術、需要の影響を強く受けています。将来的には、新興国の技術向上や市場開拓が国際間での生産量格差を縮小する鍵となるでしょう。また、各国の消費トレンドや環境問題への対応も重要な視点になると考えられます。これらを踏まえ、国際協力を通じた技術交流や持続可能な農業モデルの推進が求められます。