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エルサルバドルのレモン・ライム生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、エルサルバドルのレモン・ライム生産量は1961年の13,600トンから2023年の20,518トンに推移しています。この生産量の変遷には、一部の年で急激な増減が見られるものの、長期的には増加傾向が示されています。特に2001年以降、生産量が大きな年次変動を経験しており、2010年代後半にはそれまでのピークと比較して大幅に減少しました。2023年には一時的に増加したものの、2022年の最低値(12,602トン)から完全に回復しきれていないことが分かります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 20,518
62.82% ↑
2022年 12,602
-8.83% ↓
2021年 13,822
-32.83% ↓
2020年 20,577
-22.18% ↓
2019年 26,440
46.22% ↑
2018年 18,082
-0.15% ↓
2017年 18,109
0.03% ↑
2016年 18,104
11.93% ↑
2015年 16,175
7.7% ↑
2014年 15,018
-13.35% ↓
2013年 17,332
-18.53% ↓
2012年 21,273
59.65% ↑
2011年 13,325
-17.11% ↓
2010年 16,076
-71.27% ↓
2009年 55,953
0.23% ↑
2008年 55,825
9% ↑
2007年 51,215
12.2% ↑
2006年 45,647
11% ↑
2005年 41,123
6.06% ↑
2004年 38,773
62.67% ↑
2003年 23,835
-35.03% ↓
2002年 36,684
-32.18% ↓
2001年 54,093
116.37% ↑
2000年 25,000
4.17% ↑
1999年 24,000
-7.08% ↓
1998年 25,829
4.86% ↑
1997年 24,632
4.82% ↑
1996年 23,500
-0.84% ↓
1995年 23,700
-3.75% ↓
1994年 24,624
4.34% ↑
1993年 23,600
0.43% ↑
1992年 23,500
-4.88% ↓
1991年 24,704
7.41% ↑
1990年 23,000
2.22% ↑
1989年 22,500 -
1988年 22,500
2.27% ↑
1987年 22,000 -
1986年 22,000
4.76% ↑
1985年 21,000 -
1984年 21,000 -
1983年 21,000
5% ↑
1982年 20,000
5.26% ↑
1981年 19,000
2.7% ↑
1980年 18,500
-2.63% ↓
1979年 19,000
-2.21% ↓
1978年 19,430
14.94% ↑
1977年 16,905
9.71% ↑
1976年 15,409
-0.01% ↓
1975年 15,410
1.38% ↑
1974年 15,200 -
1973年 15,200
1.33% ↑
1972年 15,000
1.35% ↑
1971年 14,800
1.37% ↑
1970年 14,600
1.39% ↑
1969年 14,400
1.41% ↑
1968年 14,200 -
1967年 14,200
1.43% ↑
1966年 14,000 -
1965年 14,000
1.45% ↑
1964年 13,800 -
1963年 13,800
1.47% ↑
1962年 13,600 -
1961年 13,600 -

エルサルバドルのレモン・ライム生産量データは、1961年から安定した増加傾向を示し、2001年に史上最高の54,093トンを記録しました。この大きな増加は、農業技術の導入や新しい品種の開発による生産効率の向上が影響している可能性があります。しかし2003年以降、急激に減少し始め、2010年代においては低水準で推移しています。この減少には、気候変動や土壌劣化の影響、さらに地域的な地政学的な不安定性が大きく関わっていると考えられます。

特に、エルサルバドルは地震や台風などの自然災害への脆弱性が高い地域として知られています。これが農業に大きな影響を与える要因の一つです。また、エルサルバドルは中米特有の経済的制約を抱えており、農業従事者への支援が十分でないことやインフラの未整備が生産量の変動に拍車をかけていると見られます。COVID-19パンデミックも農業セクターに大きな影響を及ぼし、労働力不足や物流の停滞が生産量の減少をさらに深刻化させました。

2001年以降の変動の例として、例えば2023年は20,518トンと2022年(12,602トン)から回復を見せましたが、2008年のピーク(55,953トン)は遥か彼方です。また、2021年の13,822トンや2011年の13,325トンなど、生産量が一貫して下落した年も見られます。このようなデータからは、中長期的な現象として気候変動や農業戦略の不備が影響を与えている可能性が考えられます。

エルサルバドルのレモン・ライム生産量の向上には、まず持続可能な農業手法を導入し、土壌改良や災害への強靭性を高めるための技術支援を進めることが求められます。また、灌漑施設や物流インフラを改善し、農業資材への容易なアクセスを可能にするような政策も必要です。さらに、中米地域全体での協力体制を構築することにより、資源配分や市場アクセスを協議する枠組みの形成が効果的と考えられます。

他国と比較すると、日本や韓国などは効率的な農業生産技術の導入が進んでおり、気候等の逆境を一定程度克服している例があります。一方、中国やインドのように多様な農産物を多国間協力に基づいて輸出するといったモデルも参照に値します。

結論として、エルサルバドルにおけるレモン・ライム生産の持続的発展には、長期的なビジョンが必要です。気候変動および近年の経済的問題という課題を乗り越えるため、政府や国際機関、地域間での連携を強化し、地元農家への教育や支援を充実させるべきです。これは単なる農産物生産の域を超え、エルサルバドルの経済全体を維持・発展させる重要な施策となるはずです。