Skip to main content

マレーシアのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年に更新した最新データによると、マレーシアのマンゴー、マンゴスチン、グアバの生産量は、1961年の3,400トンから2023年の60,930トンに増加しました。この期間には急激な増減が見られ、一時的なピークは2017年の113,824トンで、近年では2022年以降減少傾向にあります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 60,930
-7.71% ↓
2022年 66,020
-12.96% ↓
2021年 75,849
2.48% ↑
2020年 74,012
-8.89% ↓
2019年 81,234
6.89% ↑
2018年 75,994
-33.24% ↓
2017年 113,824
11.54% ↑
2016年 102,046
3.79% ↑
2015年 98,315
27.35% ↑
2014年 77,198
11.45% ↑
2013年 69,266
-11.96% ↓
2012年 78,676
16.25% ↑
2011年 67,681
199.53% ↑
2010年 22,596
6.07% ↑
2009年 21,302
-9.63% ↓
2008年 23,573
-13.56% ↓
2007年 27,270
3.9% ↑
2006年 26,247
4.81% ↑
2005年 25,043
13.19% ↑
2004年 22,124
12.59% ↑
2003年 19,650
0.41% ↑
2002年 19,570
-0.01% ↓
2001年 19,572
0.02% ↑
2000年 19,568
2.99% ↑
1999年 19,000
-17.39% ↓
1998年 23,000
-20.69% ↓
1997年 29,000 -
1996年 29,000
1.26% ↑
1995年 28,640
0.9% ↑
1994年 28,385
-9.63% ↓
1993年 31,410
3.77% ↑
1992年 30,269
-13.12% ↓
1991年 34,841
12.39% ↑
1990年 31,000
3.33% ↑
1989年 30,000 -
1988年 30,000 -
1987年 30,000
10.7% ↑
1986年 27,100
-17.63% ↓
1985年 32,900
8.22% ↑
1984年 30,400
64.32% ↑
1983年 18,500
14.2% ↑
1982年 16,200
-8.47% ↓
1981年 17,700
-1.67% ↓
1980年 18,000
27.66% ↑
1979年 14,100
6.02% ↑
1978年 13,300
46.15% ↑
1977年 9,100
13.75% ↑
1976年 8,000
5.26% ↑
1975年 7,600
11.76% ↑
1974年 6,800
19.3% ↑
1973年 5,700
23.91% ↑
1972年 4,600
21.05% ↑
1971年 3,800
11.76% ↑
1970年 3,400
-33.33% ↓
1969年 5,100
4.08% ↑
1968年 4,900
4.26% ↑
1967年 4,700
2.17% ↑
1966年 4,600
35.29% ↑
1965年 3,400
-26.09% ↓
1964年 4,600
15% ↑
1963年 4,000
-20% ↓
1962年 5,000
47.06% ↑
1961年 3,400 -

マレーシアのマンゴー、マンゴスチン、グアバの生産量は、過去数十年間で大幅に変動しました。1960年代から1970年代にかけては年間3,400トンから8,000トンの範囲で緩やかな増加が見られましたが、1980年代に入ると生産量は急激に増え始め、1984年には30,400トンに達しました。その後、1990年代初頭までは約30,000トン前後で推移しましたが、1998年から2003年にかけては20,000トン前後に減少しました。この減少は、マレーシア国内の農業政策の変化、作付面積の縮小、及び天候条件などが原因と考えられます。

2000年代後半から2010年代には徐々に回復を見せ、特に2011年からは急激な増加が顕著となります。2017年には過去最高の113,824トンに達しました。この急増の背景には、政府の果樹栽培促進政策や輸出需要の拡大があり、特にマンゴスチンが輸出入面でアジア市場において注目される果実として位置付けられました。しかし、このピークを境に減少傾向が見られ、2023年の生産量は60,930トンと、2017年の半分程度にまで減少しています。

この減少の要因としては、気候変動による天候不順や、農村部における労働力不足が挙げられます。特に、干ばつや洪水などの自然災害の増加は果実の生産性に直接的な影響を与えています。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、流通網や輸出市場が一時的に混乱したこともこの減少に影響した可能性があります。

地域間の比較では、例えば、インドや中国などの人口が多い国々は、同様の果物の大規模な生産と輸出を行っています。この点で、マレーシアは輸出市場において競争力強化が課題となっています。特に、中国は近年独自のマンゴー品種を開発し、世界市場でのシェアを拡大しています。こうした動向を踏まえると、マレーシアが持続可能な果実生産を維持し、付加価値の高い商品化を行う必要性が高まっています。

今後の課題として、まず第一に、安定した生産量を確保するための農業技術の導入と農業インフラの整備が挙げられます。例えば、気候変動に対応できる品種の開発や、効率的な灌漑システムの導入などが必要です。第二に、国際市場における競争力強化には、品質やブランド価値を向上させ、輸出先の多角化を図ることが重要です。特に、オーガニック農法を活用し、健康志向の市場ニーズに対応することが求められます。

さらに、労働力の確保も重要な対策の一つです。具体的には、農業分野への若年層の参入を促進するための教育プログラムや補助金制度の整備が考えられます。また、地域協力の枠組みを強化することも有効です。ASEAN諸国との協調を深めることで、生産技術や市場情報の共有が可能となり、地域全体での競争力を高めることが期待されます。

結論として、マレーシアのマンゴー、マンゴスチン、グアバ生産の歴史は、一貫した拡大ではなく、政策や環境要因によって波のある成長を示してきました。これらの果物産業を持続的に発展させるためには、長期的な視点に立った多面的な対策が必要です。これにより、国内農業の競争力向上だけでなく、地域の経済活性化にも寄与することが期待されます。