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マレーシアの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、マレーシアの鶏卵生産量は1961年の12,800トンから2023年の980,291トンまで、大幅な増加を見せています。この期間には生産量が上昇傾向を続ける一方、経済状況や疫病・災害による変動も見られました。近年では、2019年から2023年の間で一時的な減少やその後の大幅な回復が見られており、特に2023年には過去最高の生産量を記録しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 980,291
36.08% ↑
2022年 720,380
-11.91% ↓
2021年 817,731
5.63% ↑
2020年 774,164
18.29% ↑
2019年 654,489
-18.68% ↓
2018年 804,794
-4.78% ↓
2017年 845,211
2.98% ↑
2016年 820,715
5.33% ↑
2015年 779,184
7.09% ↑
2014年 727,620
6.38% ↑
2013年 683,956
6.17% ↑
2012年 644,201
3.66% ↑
2011年 621,480
5.95% ↑
2010年 586,560
15.01% ↑
2009年 510,000
6.47% ↑
2008年 479,000
0.63% ↑
2007年 476,000
5.08% ↑
2006年 453,000
2.49% ↑
2005年 442,000
2.55% ↑
2004年 431,004
2.3% ↑
2003年 421,302
2.31% ↑
2002年 411,776
3.5% ↑
2001年 397,841
1.87% ↑
2000年 390,550
0.14% ↑
1999年 390,000
1.83% ↑
1998年 383,000
2.13% ↑
1997年 375,000
4.17% ↑
1996年 360,000
1.45% ↑
1995年 354,869
0.82% ↑
1994年 352,000
0.57% ↑
1993年 350,000
4.17% ↑
1992年 336,000
5.07% ↑
1991年 319,800
9.63% ↑
1990年 291,700
16.35% ↑
1989年 250,700
16.77% ↑
1988年 214,700
7.3% ↑
1987年 200,100
5.59% ↑
1986年 189,500
5.28% ↑
1985年 180,000
7.33% ↑
1984年 167,700
7.64% ↑
1983年 155,800
13.23% ↑
1982年 137,600
4.48% ↑
1981年 131,700
-1.72% ↓
1980年 134,000
5.02% ↑
1979年 127,600
5.28% ↑
1978年 121,200
5.57% ↑
1977年 114,800
5.81% ↑
1976年 108,500
6.27% ↑
1975年 102,100
6.69% ↑
1974年 95,700
7.17% ↑
1973年 89,300
7.72% ↑
1972年 82,900
8.22% ↑
1971年 76,600
9.12% ↑
1970年 70,200
10.03% ↑
1969年 63,800
11.15% ↑
1968年 57,400
12.55% ↑
1967年 51,000
14.09% ↑
1966年 44,700
16.71% ↑
1965年 38,300
20.06% ↑
1964年 31,900
25.1% ↑
1963年 25,500
33.51% ↑
1962年 19,100
49.22% ↑
1961年 12,800 -

マレーシアにおける鶏卵の生産量は、1961年から2023年までの約60年間で大きく拡大してきました。このデータは国内の畜産業の発展とともに、農業生産技術の向上や需要の増加が背後にあることを示唆しています。1961年の12,800トンという数値は、当時の国内市場の規模および発展段階を反映しており、そこから数十年にわたり一貫した増加を示しています。例えば、1980年代後半から1990年代前半にかけては、マレーシア経済が急速に成長する中で、消費者の購買力が上昇し、それに伴って電化冷蔵技術の普及が生産の効率化を促したと考えられます。1989年の250,700トンから1990年の291,700トンへの急激な増加も、これを裏付ける一例と言えます。

しかしながら、こうした上昇傾向の中でも、いくつかの停滞期や例外的な変動が観察されます。例えば、2018年から2020年にかけてのデータを見ると、2019年では654,489トンと前年度よりも大きく減少しています。この期間はマレーシア国内で飼料価格の高騰やアフリカ豚コレラなどの農場経済に影響を与えた要因が考えられます。その一方で、2020年には774,164トン、2021年には817,731トンと生産量が回復しており、農業政策における支援策や供給チェーンの再構築が効果を上げたと推測されます。2023年の980,291トンという過去最高値は、食糧輸出産業の成長、新技術を用いた大規模農場の導入、ならびに国内外の需要拡大が相まって達成された結果と見ることができます。

未来に向けた課題としては、気候変動や地政学的リスクがあげられます。特に飼料供給は国際市場に依存しており、飼料となるトウモロコシや大豆の価格変動が国内の生産コストに与える影響は無視できません。また、新型コロナウイルスの影響で学んだ通り、国際的な物流網の不安定化は供給チェーン全体を揺るがす可能性があります。このため、持続可能な農業実践の推進や国内資源を活用した飼料生産の強化が急務です。

さらに、鶏卵の輸出を促進し、地域間の協力を強化することで、より多様な市場へのアクセスを確保することも重要です。例えば、ASEAN諸国との連携を深めることで、地域内での食糧需給を安定させつつ、外部ショックへの耐性を高める方向性が示唆されます。加えて、生産現場でのICT(情報通信技術)の活用など、効率向上のための革新技術を導入することで、生産性向上と環境への負荷軽減の両立が期待されます。

総括すると、1961年から現在に至るマレーシアの鶏卵生産の推移は、食糧安全保障および国内外の農産物需給の変遷を反映したものです。未来に向けて、重要な課題に取り組むことで、マレーシアは効率的で安定した鶏卵生産拠点としての地位をさらに強化する可能性を秘めています。