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セーシェルの茶葉生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

Food and Agriculture Organizationが発表した最新データによると、セーシェルの茶葉生産量は、1961年の10トンから1990年代にはピークを迎えたが、その後急激に減少しました。1960年代から1970年代にかけて緩やかな増加を見せた生産量は、1980年代から1990年代に急成長し、1997年には270トンに到達しました。しかし2000年代以降は徐々に減少し、2018年にはわずか3トンにまで落ち込みました。最新の2022年のデータでは、7トンと微増が見られるものの、長期的な減少傾向は変わらないと言えます。

年度 生産量(トン) 増減率
2022年 7
75% ↑
2021年 4
-55.56% ↓
2020年 9
-10% ↓
2019年 10
233.33% ↑
2018年 3
-76.92% ↓
2017年 13
-23.53% ↓
2016年 17
6.25% ↑
2015年 16
-40.74% ↓
2014年 27
28.57% ↑
2013年 21
-25% ↓
2012年 28
-26.32% ↓
2011年 38
-22.45% ↓
2010年 49
-22.22% ↓
2009年 63
-54.01% ↓
2008年 137
-38.29% ↓
2007年 222
17.46% ↑
2006年 189
-13.7% ↓
2005年 219
2.34% ↑
2004年 214
-18.01% ↓
2003年 261
17.57% ↑
2002年 222
-3.9% ↓
2001年 231
-6.1% ↓
2000年 246
4.24% ↑
1999年 236
-5.6% ↓
1998年 250
-7.41% ↓
1997年 270
21.08% ↑
1996年 223
-1.33% ↓
1995年 226
-8.13% ↓
1994年 246 -
1993年 246
9.82% ↑
1992年 224
-7.05% ↓
1991年 241
10.05% ↑
1990年 219
46% ↑
1989年 150
41.51% ↑
1988年 106
-2.75% ↓
1987年 109
-19.85% ↓
1986年 136
16.24% ↑
1985年 117
36.05% ↑
1984年 86
-34.35% ↓
1983年 131
254.05% ↑
1982年 37
-13.95% ↓
1981年 43
2.38% ↑
1980年 42
-8.7% ↓
1979年 46
6.98% ↑
1978年 43 -
1977年 43
-4.44% ↓
1976年 45 -
1975年 45
25% ↑
1974年 36
24.14% ↑
1973年 29
7.41% ↑
1972年 27
8% ↑
1971年 25
8.7% ↑
1970年 23
9.52% ↑
1969年 21
10.53% ↑
1968年 19
11.76% ↑
1967年 17
13.33% ↑
1966年 15 -
1965年 15
15.38% ↑
1964年 13 -
1963年 13
30% ↑
1962年 10 -
1961年 10 -
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セーシェルの茶葉生産量の推移を振り返ると、興味深い変動が見受けられます。1960年代から1970年代初頭は、年間数トン程度の緩やかで安定した成長が見られました。この時期の茶葉生産は、主に国内需要を賄い、輸出向けの商業生産には至っていませんでした。しかし1970年代中盤以降、生産量が大幅に増加し、1980年代から1990年代にかけて約200~270トンといったピークを記録するに至りました。この成長には当時の経済政策や農業技術の改善が背景にあったと考えられます。

しかしながら2000年代に入ると、生産量は顕著に減少を始めました。原因としては、限られた農地面積や土壌の劣化、さらに高齢化した労働力問題が挙げられます。セーシェルは島嶼国であり、農地面積が極めて限られているため、持続可能な方法での生産性向上が求められています。また、世界市場で競争力を失ったことも、生産量の低迷に拍車をかけたと言えるでしょう。アフリカやアジアの他地域、特にケニアやインド等の主要茶葉輸出国が規模の経済(大量生産によりコストを削減し競争力を強化する経済モデル)を活かして生産を拡大する中、セーシェルは小規模な孤立市場として取り残される形となりました。

さらに、近年の急激な減少については、気候変動の影響が考えられます。セーシェルは地理的に温暖で湿潤な気候に恵まれるものの、異常気象の増加や降雨パターンの変化などが茶葉栽培に打撃を与えた可能性があります。また、2008年の世界金融危機以降、農業への投資が停滞したことも挙げられます。その結果、茶葉生産量は2013年以降、二桁未満にまで落ち込み、国内消費も限られたものとなりました。

セーシェルにおける茶葉生産を将来的に復活させるためには、複数の対策が必要です。第一に、新技術や効率化した農業手法を導入し、労働力不足や土地制約といった問題に対処することが求められます。たとえば水資源の効率的利用や土壌保全技術を活かした生産方式が挙げられます。また、観光業との融合を図ることで、観光客を対象とした地元産茶葉の販路拡大を目指すことも有益です。他国、特に近隣のマダガスカルやモザンビークとの農業技術協力によって、茶葉の品質や収穫効率を向上させる取り組みも重要です。

さらに地政学的リスクも見逃せません。セーシェルはインド洋上の戦略的な位置にあり、大規模な紛争や資源争奪が周辺地域に波及するリスクがあります。これによって輸送網が一時的に中断されるといった事態が起こり得ます。そのため茶葉生産を含む農業セクターは、リスク分散を念頭に様々な国際パートナーとの関係強化が必要です。

結論として、セーシェルの茶葉生産推移は、過去の成功から現在の衰退に至る変動を反映しています。今後、生産量を回復させるためには、気候変動対策、技術革新、地域間協力による持続可能な農業開発が鍵を握ると言えるでしょう。また、政府や国際機関が連携し、資源の効率的利用や観光業との連動を戦略的に進めるべきです。これが実現すれば、セーシェルは小規模でありながらユニークな農業モデルを世界に示すことができるはずです。

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