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マラウイの茶葉生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、マラウイの茶葉生産量は、1961年の14,288トンから2022年の207,600トンへと大幅に増加しました。20世紀後半には生産量が比較的一定で推移していましたが、1991年には急激に176,000トンに増加し、その後も増減を繰り返しながら、2000年代以降には20万トン規模を維持してきました。2020年には過去最高の253,800トンを記録したものの、その後数年で減少しています。このデータはマラウイが長年にわたり茶葉の主要生産国であることを示していますが、近年の減少傾向に課題が表れています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 246,221
18.6% ↑
2022年 207,600
-14.39% ↓
2021年 242,500
-4.45% ↓
2020年 253,800
20.86% ↑
2019年 210,000
-4.55% ↓
2018年 220,000
11.11% ↑
2017年 198,000
5.32% ↑
2016年 188,000
9.3% ↑
2015年 172,000
-13.13% ↓
2014年 198,000
-1.98% ↓
2013年 202,000
9.19% ↑
2012年 185,000
-9.31% ↓
2011年 204,000
-8.93% ↓
2010年 224,000
-2.18% ↓
2009年 229,000
26.52% ↑
2008年 181,000
-13.4% ↓
2007年 209,000
6.63% ↑
2006年 196,000
18.79% ↑
2005年 165,000
-24.31% ↓
2004年 218,000
20.44% ↑
2003年 181,000
6.47% ↑
2002年 170,000
6.25% ↑
2001年 160,000
-13.04% ↓
2000年 184,000
10.18% ↑
1999年 167,000
-4.57% ↓
1998年 175,000
35.66% ↑
1997年 129,000
-14.57% ↓
1996年 151,000
1.34% ↑
1995年 149,000
-2.61% ↓
1994年 153,000
-11.05% ↓
1993年 172,000
40.98% ↑
1992年 122,000
-30.68% ↓
1991年 176,000
352.2% ↑
1990年 38,921
-1.39% ↓
1989年 39,469
-1.71% ↓
1988年 40,157
25.85% ↑
1987年 31,908
-18.13% ↓
1986年 38,973
-2.46% ↓
1985年 39,954
6.46% ↑
1984年 37,530
17.24% ↑
1983年 32,011
-16.82% ↓
1982年 38,484
20.39% ↑
1981年 31,965
6.85% ↑
1980年 29,915
-8.26% ↓
1979年 32,609
2.9% ↑
1978年 31,690
0.2% ↑
1977年 31,628
11.73% ↑
1976年 28,307
7.89% ↑
1975年 26,238
12.1% ↑
1974年 23,405
-0.83% ↓
1973年 23,600
14.1% ↑
1972年 20,684
11.22% ↑
1971年 18,597
-0.73% ↓
1970年 18,733
10.72% ↑
1969年 16,919
6.88% ↑
1968年 15,830
-5.93% ↓
1967年 16,828
9.44% ↑
1966年 15,377
18.53% ↑
1965年 12,973
4.76% ↑
1964年 12,383
3.81% ↑
1963年 11,929
-10.55% ↓
1962年 13,336
-6.66% ↓
1961年 14,288 -

マラウイはアフリカ大陸南東部に位置し、農業が経済の中心を担う国です。その中でも、紅茶の原料となる茶葉の生産は、外貨獲得のための重要な輸出品目となっています。今回のデータは1961年から2022年までの生産量を示しており、この約60年間の推移を分析すると、マラウイの茶葉産業の変遷が浮き彫りになります。

1960年代から1970年代にかけて、マラウイの茶葉生産量は安定的な成長を見せています。この時期は、アフリカ諸国が独立後に農業インフラの整備を進めた時代であり、茶葉産業もその恩恵を受けたと考えられます。しかし、1991年には急激に176,000トンまで拡大しました。この際、高収益を見込んだ農地拡張や輸出市場の需要増加が背景にあると推測されます。その後の10年間は増減を繰り返しながら再び安定し、2000年代に入り、200,000トンを越える規模を維持しました。

ところが2015年以降、一部地域での気候変動やインフラ老朽化が生産に影響を与え始めた可能性があります。2020年には253,800トンと最高値を記録しましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が物流や労働力供給に悪影響を及ぼし、2022年には207,600トンまで低下しました。この点は、世界の紅茶市場全体での需給や進行中のパンデミック対応策が重なり、特に輸出依存型経済における脆弱性を象徴しています。

世界的に見ると、紅茶の主な輸出国である中国、インド、スリランカ、ケニアなどと比較して、マラウイの生産規模はやや劣るものの、気候と土壌が適しているため品質面で一定の競争力を保っています。一方で、ケニアのような隣国と競争する中、効率の高い農業技術の導入や持続可能性の高い農業政策が求められています。

将来的に、茶葉産業を発展させるには次のような課題があります。まず、気候変動への適切な対応が不可欠です。旱魃や洪水などの自然災害対策として、灌漑施設の拡充と現地農家への支援が挙げられます。さらに、労働者不足に対しては農村開発の推進により移民や若い世代の雇用を創出することが重要です。また、品質向上のための研究開発投資も欠かせません。加えて、輸出先の多様化とブランド価値向上を図ることで、グローバル市場における競争力を維持できます。

結論として、マラウイの茶葉産業は過去数十年にわたり成長を見せてきたものの、近年の減少傾向と気候リスクには早急な対策が必要です。政府と民間が連携し、技術革新やインフラ整備を進めることで、持続可能な茶葉生産を実現し、経済の安定拡大につなげるべきです。また、国際機関が地域支援を通じてこの過程に参加すれば、より一層の効果が期待できるでしょう。