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トルコの茶葉生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した2024年の最新データによれば、トルコの茶葉生産量は長期的に大幅な増加をみせ、2022年には1,300,000トンを生産しました。特に1990年代以降は急激な生産量の上昇が見られ、2004年以降は年間100万トンを超える水準を維持しています。しかし、近年は気候変動や自然災害が影響を及ぼし、やや不安定な傾向も表れています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,356,556
4.35% ↑
2022年 1,300,000
-10.34% ↓
2021年 1,450,000
2.28% ↑
2020年 1,417,685
0.73% ↑
2019年 1,407,448
-4.94% ↓
2018年 1,480,534
13.89% ↑
2017年 1,300,000
-3.7% ↓
2016年 1,350,000
1.66% ↑
2015年 1,327,934
4.87% ↑
2014年 1,266,311
7.31% ↑
2013年 1,180,000
-5.6% ↓
2012年 1,250,000
1.53% ↑
2011年 1,231,141
-5.7% ↓
2010年 1,305,566
18.33% ↑
2009年 1,103,340
0.28% ↑
2008年 1,100,257
-3.93% ↓
2007年 1,145,321
2.15% ↑
2006年 1,121,206
-5.94% ↓
2005年 1,192,004
7.87% ↑
2004年 1,105,000
27.16% ↑
2003年 869,000
9.76% ↑
2002年 791,700
-4.03% ↓
2001年 824,946
8.83% ↑
2000年 758,038
-30.81% ↓
1999年 1,095,532
11.95% ↑
1998年 978,589
30.13% ↑
1997年 752,000
25.33% ↑
1996年 600,000
14.62% ↑
1995年 523,465
-19.96% ↓
1994年 654,000
13.05% ↑
1993年 578,500
-20.14% ↓
1992年 724,383
6.08% ↑
1991年 682,858
456.28% ↑
1990年 122,754
-10.09% ↓
1989年 136,530
-10.86% ↓
1988年 153,160
8.87% ↑
1987年 140,680
-5.14% ↓
1986年 148,305
8.16% ↑
1985年 137,116
20.59% ↑
1984年 113,701
12.6% ↑
1983年 100,982
48.42% ↑
1982年 68,038
59.69% ↑
1981年 42,606
-55.57% ↓
1980年 95,889
-5.95% ↓
1979年 101,955
18.27% ↑
1978年 86,206
11.1% ↑
1977年 77,592
30.3% ↑
1976年 59,547
7.15% ↑
1975年 55,572
29.9% ↑
1974年 42,781
-0.97% ↓
1973年 43,202
-7.09% ↓
1972年 46,500
38.45% ↑
1971年 33,585
0.46% ↑
1970年 33,431
-2.74% ↓
1969年 34,373
24.73% ↑
1968年 27,557
26.49% ↑
1967年 21,786
-5.28% ↓
1966年 23,000
76.92% ↑
1965年 13,000
29.55% ↑
1964年 10,035
-0.64% ↓
1963年 10,100
22.29% ↑
1962年 8,259
51.54% ↑
1961年 5,450 -

トルコは世界における主要な茶葉生産国のひとつであり、歴史的に見てもその生産の成長は注目に値します。1961年、年間生産量が5,450トンだった時代から、2022年の1,300,000トンまで、60年以上にわたり大幅な増加を実現しています。この成長は国の農業技術力の向上や政府の茶産業振興政策、国内外の需要の拡大によるものです。

特に1990年代以降、トルコの茶葉生産量は飛躍的に増加しました。1991年には682,858トンを記録しましたが、1998年には978,589トン、さらに2005年には1,192,004トンに達しています。このような急激な成長は、輸出向け生産の拡大や国内市場の活性化が背景にあります。また、1970年代から1980年代にかけての技術革新が、高収量品種の導入や農業インフラの改善をもたらしたことも一因と考えられます。

一方で、近年のデータを詳しく見ると、生産量の増加が一時的に鈍化、あるいは若干の減少傾向を示す年もあります。たとえば、2018年に1,480,534トンを記録した後、2022年には1,300,000トンと減少しています。これは、気候変動の影響による降水量の変化や異常気象、土地の過剰利用による農業生産性の低下、そして労働力不足が複合的に影響している結果と見られます。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、物流や輸出に混乱が生じた可能性も考えられます。

トルコは茶葉の主要生産地である黒海地方を持っており、この地域は地理的に肥沃で適切な降雨量が特徴です。しかし、近年はこの地域でも気候変動の兆候が見られ、持続可能な農業の推進が迫られています。特に高収量を維持するために必要な化学肥料や水資源の使用は、土地の劣化や環境への負荷となるリスクがあります。さらに、地政学的リスクも影響を与える可能性があります。トルコはその地理的位置から、国際貿易や地域紛争の影響を受けやすい立場にあります。

将来的な課題として、気候変動への対応策と農業改革の重要性が挙げられます。たとえば、気候変動に適応した品種を開発することで、干ばつや寒冷地でも収量を安定させる技術革新を促進する必要があります。また、農家や労働者への補助金や教育プログラムを通じ、持続可能な農業手法を普及させることが不可欠です。さらに、輸出関連のインフラを整備し、輸出相手国との貿易協力を推進することで、国際市場での競争を強化することが求められます。

結論として、トルコの茶葉生産量は過去数十年で顕著な成長を遂げ、今後もその国際的な地位を維持する可能性を秘めています。ただし、近年の生産量減少の背景にある課題に対応しなければ、その持続可能性が損なわれるリスクがあることも事実です。トルコはこれらの問題を早期に解決することで、引き続き世界の茶産業における主要なプレイヤーとしての地位を固めることができるでしょう。