国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した1977年のリンゴ生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国(3,057,015トン)、2位は中国(2,108,000トン)、3位はイタリア(1,790,600トン)でした。日本は7位(958,800トン)で、東アジアの中では最も高い順位となりました。全体として、北米、ヨーロッパ、東アジアの産地が上位を占め、世界的なリンゴ生産の地域的偏りが見られます。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 3,057,015 |
| 2 |
|
アジア | 2,108,000 |
| 3 |
|
ヨーロッパ | 1,790,600 |
| 4 |
|
ヨーロッパ | 1,687,000 |
| 5 |
|
ヨーロッパ | 1,473,564 |
| 6 |
|
ヨーロッパ | 1,105,448 |
| 7 |
|
アジア | 958,800 |
| 8 |
|
ヨーロッパ | 911,928 |
| 9 |
|
アジア | 900,000 |
| 10 |
|
南アメリカ | 820,000 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 730,000 |
| 12 |
|
ヨーロッパ | 593,444 |
| 13 |
|
アジア | 503,500 |
| 14 |
|
アジア | 500,000 |
| 15 |
|
北アメリカ | 411,420 |
| 16 |
|
アジア | 400,000 |
| 17 |
|
アジア | 394,744 |
| 18 |
|
ヨーロッパ | 315,000 |
| 19 |
|
オセアニア | 301,551 |
| 20 |
|
ヨーロッパ | 281,416 |
| 21 |
|
アフリカ | 281,373 |
| 22 |
|
ヨーロッパ | 279,000 |
| 23 |
|
ヨーロッパ | 270,000 |
| 24 |
|
ヨーロッパ | 263,508 |
| 25 |
|
ヨーロッパ | 223,900 |
| 26 |
|
南アメリカ | 186,667 |
| 27 |
|
南アメリカ | 150,000 |
| 28 |
|
オセアニア | 145,539 |
| 29 |
|
ヨーロッパ | 136,600 |
| 30 |
|
ヨーロッパ | 129,643 |
| 31 |
|
アジア | 106,000 |
| 32 |
|
アジア | 101,600 |
| 33 |
|
ヨーロッパ | 94,471 |
| 34 |
|
アジア | 87,672 |
| 35 |
|
アジア | 85,000 |
| 36 |
|
南アメリカ | 79,372 |
| 37 |
|
アジア | 61,202 |
| 38 |
|
南アメリカ | 46,125 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 42,969 |
| 40 |
|
アフリカ | 40,000 |
| 41 |
|
南アメリカ | 27,661 |
| 42 |
|
南アメリカ | 25,000 |
| 43 |
|
アフリカ | 19,179 |
| 44 |
|
アジア | 15,500 |
| 45 |
|
ヨーロッパ | 13,000 |
| 46 |
|
アジア | 10,896 |
| 47 |
|
アジア | 10,465 |
| 48 |
|
南アメリカ | 10,440 |
| 49 |
|
アフリカ | 10,200 |
| 50 |
|
ヨーロッパ | 10,100 |
| 51 |
|
ヨーロッパ | 9,800 |
| 52 |
|
アフリカ | 9,487 |
| 53 |
|
南アメリカ | 5,700 |
| 54 |
|
アフリカ | 3,890 |
| 55 |
|
アフリカ | 3,200 |
| 56 |
|
アジア | 3,000 |
| 57 |
|
アフリカ | 2,635 |
| 58 |
|
南アメリカ | 594 |
| 59 |
|
アジア | 490 |
| 60 |
|
南アメリカ | 456 |
| 61 |
|
ヨーロッパ | 140 |
| 62 |
|
南アメリカ | 110 |
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1977年のリンゴ生産量ランキングによると、アメリカ合衆国が最も多くのリンゴを生産し、総生産量は約305万トンに達しています。この量は、世界の主要なリンゴ輸出国としてのアメリカの地位を強調しており、その広大な農地や豊かな自然資源、そして生産技術の高さが大きな要因です。一方、中国は約211万トンを生産して2位にランクインしました。この当時、中国の生産量はアメリカには及びませんでしたが、人口の多さや広大な耕地面積を背景に、中国の果樹栽培は今後の拡大が期待される時期でした。
ヨーロッパでは、イタリア(約179万トン)、フランス(約168万トン)、ドイツ(約147万トン)と、温暖な地中海性気候や西欧の安定した農業基盤が、生産量を支えていました。これらの国々は地理的条件や市場アクセスの面で有利であり、品質の良いリンゴを生産することで知られています。一方、ハンガリーを筆頭とする東ヨーロッパ諸国も上位にランクインしていますが、当時の社会的および経済的条件がそれらの成長ポテンシャルを制約していたと考えられます。
東アジアにおいては、日本が約96万トンを生産し、地域をリードしています。ただ、この生産量はアメリカや中国と比較するとかなり少ないことから、日本国内でのリンゴ生産は質に重点を置いた形態であることを示唆しています。限られた農地面積や自然条件の多様性を活かしながら、特定の品種に特化して高品質な果実を提供することが特徴でした。
一方、インド(約50万トン)やトルコ(約90万トン)など、新興の農業国でも一定量の生産が見られるものの、当時はまだリンゴ産業の発展途上でした。しかしながら、これらの国々では、急速な人口増加と農業技術の進歩が期待されており、生産量の増加が予測されます。
課題としては、気候変動や土地利用の変化が挙げられます。リンゴの生産には安定した気候と水源が必要です。近年では異常気象や地球温暖化の影響が農業全般に与える影響が懸念されています。また、一部の国では大規模な農地開発や都市化による耕作面積の減少が生じており、将来的には品種改良や生産効率の向上が求められるでしょう。
さらに地政学的背景も重要です。一部の東欧諸国や中東では、1970年代特有の政治的不安定さが農業生産や輸出に影響を及ぼしていました。例えば、リンゴの貿易を拡大するためには、紛争地域の安定化や農業輸送インフラの強化が必要不可欠です。
今後、国や国際機関がリンゴ生産を持続可能な形で拡大するためには、技術協力や開発資金の提供、生産地間の協力体制の構築が重要です。特に、環境に配慮した農業の推進や地域ごとの市場ニーズに対応した品種の適応が鍵となるでしょう。また、異常気象に備えるための灌漑設備や保水技術の導入も急務といえます。これらの取り組みが実現すれば、世界各地でリンゴ生産の競争力が強化され、安心して持続的に消費できるリンゴ供給が果たされることが期待されます。
1977年からのデータは、リンゴ生産が地域経済や食文化に与える影響を考察するための重要な基盤を提供しています。