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アルジェリアのアーモンド生産量推移(1961年~2023年)

2024年7月に国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したアルジェリアのアーモンド生産量に関するデータによると、1961年には6,000トンだった生産量が2023年には69,638トンにまで増加しています。この62年間での生産量の推移は緩やかな増加と大きな減少を伴いながらも、全体的には増加基調を維持しています。しかし、近年のデータからは周期的な変動も見られ、さらに安定した生産量を保つための課題が浮き彫りになっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 69,638
10.56% ↑
2022年 62,988
13.6% ↑
2021年 55,448
-8.85% ↓
2020年 60,832
-15.99% ↓
2019年 72,412
26.57% ↑
2018年 57,213
-7.62% ↓
2017年 61,934
-6.3% ↓
2016年 66,095
-13.58% ↓
2015年 76,482
17.98% ↑
2014年 64,827
2.02% ↑
2013年 63,545
-4.42% ↓
2012年 66,487
31.34% ↑
2011年 50,621
-11.15% ↓
2010年 56,973
20.21% ↑
2009年 47,393
19.92% ↑
2008年 39,521
15.86% ↑
2007年 34,110
-36.45% ↓
2006年 53,673
18.28% ↑
2005年 45,379
19.47% ↑
2004年 37,985
17.84% ↑
2003年 32,234
-0.16% ↓
2002年 32,287
28.13% ↑
2001年 25,199
-4.85% ↓
2000年 26,483
3.44% ↑
1999年 25,602
18.3% ↑
1998年 21,641
11.57% ↑
1997年 19,396
-42.21% ↓
1996年 33,561
68.91% ↑
1995年 19,869
3.99% ↑
1994年 19,106
-22.6% ↓
1993年 24,685
37.9% ↑
1992年 17,901
13.53% ↑
1991年 15,768
34.39% ↑
1990年 11,733
-5.67% ↓
1989年 12,438
28.54% ↑
1988年 9,676
17.24% ↑
1987年 8,253
2.39% ↑
1986年 8,060
-19% ↓
1985年 9,951
33.11% ↑
1984年 7,476
5.4% ↑
1983年 7,093
6.87% ↑
1982年 6,637
-16.31% ↓
1981年 7,930
103.33% ↑
1980年 3,900
7.41% ↑
1979年 3,631
13.75% ↑
1978年 3,192
-31.59% ↓
1977年 4,666
-43.15% ↓
1976年 8,208
64.29% ↑
1975年 4,996
9.39% ↑
1974年 4,567
10.26% ↑
1973年 4,142
10.54% ↑
1972年 3,747
81.01% ↑
1971年 2,070
-31% ↓
1970年 3,000
21.65% ↑
1969年 2,466
-45.16% ↓
1968年 4,497
-22.71% ↓
1967年 5,818
2.07% ↑
1966年 5,700
-8.06% ↓
1965年 6,200
-3.13% ↓
1964年 6,400
6.67% ↑
1963年 6,000 -
1962年 6,000 -
1961年 6,000 -

アルジェリアのアーモンド生産量についてのデータは、同国の農業部門がどのように発展してきたかを示す重要な指標と言えます。1961年には6,000トンからスタートした生産量は、1970年代前半に入り4,000トン前後に減少しましたが、1976年の8,000トン超を機にやがて安定期を迎えました。特に1980年代以降は年々増加する傾向を示し、1996年には33,561トンの大幅な増加がみられました。その後も生産は増加を続け、2006年に50,000トンを突破し、2015年には最高値である76,482トンを記録しました。ただし、その後はやや変動が見られ、2023年には69,638トンにとどまっています。

アーモンド生産量の増加の背後には、農業技術の進歩、農地の拡大、気候条件への対応力の向上といった要因が考えられます。一方で、1970年代から1990年代の一部の期間に見られた著しい減少傾向からは、干ばつや気候変動、栽培技術の未熟さ、農業政策の課題が影響していた可能性が示されます。生産量の比較的大きな変動は、これらの環境的および社会的条件の変化に影響されていると考えられます。

アルジェリアのアーモンド生産は周辺諸国と比較するとまだ発展途上にあります。例えば、スペインやアメリカといった主要なアーモンド生産国では、それぞれ2020年代に100万トンを超える生産量を記録しており、アルジェリアの生産量は依然としてそれらの国々に比べると約1/10以下という規模にとどまります。ただし、アルジェリアのアーモンド生産は、国内市場の需要を部分的に賄う点では重要です。

一方で、アルジェリアは北アフリカに位置し、地中海性気候の影響を受けるため、一部の地域ではアーモンド栽培に適した条件が整っています。しかし地政学的背景を鑑みると、この地域では水資源の不足や政治的不安定さがしばしば農業生産に影響を与えるリスクがあります。これに加えて地球温暖化が加速し、干ばつや熱波などの極端な気象現象が今後のアーモンド生産を阻害する可能性も高まっています。また、アーモンド栽培は大量の水を必要とするため、水ストレスがかかる地域では特に深刻な課題となり得ます。

これらの課題に対処するためには、いくつかの具体的な対策が必要です。まず、政府や農業機関は持続可能な栽培技術や水資源管理の効率化を推進する必要があります。ドリップ灌漑などの精密農業技術を取り入れることで、水の利用効率を大幅に改善できる可能性があります。また、耐暑性や干ばつに強いアーモンド品種の開発も重要な課題です。

加えて、農産物の価値連鎖を高めるアプローチとして、一部の生産を加工品に転換し、付加価値を高めることで、国際市場での競争力を向上させる戦略も重要です。他の事例として、隣国モロッコは農業分野で国際貿易への依存を減らしながら持続可能な輸出を拡張しており、アルジェリアも同様の手法を取り入れることでさらなる発展を目指すことができるでしょう。

結論として、アルジェリアのアーモンド生産量は一貫した成長を遂げているものの、その過程には多くの浮き沈みが見られます。これを克服し、さらに生産を拡大・安定化させるためには、技術革新や水資源の適切な管理、地域的な協力を基盤とした農業政策の改善が不可欠です。また、地政学的リスクを考慮しつつ、地域全体の持続可能な農業と経済発展を目指すことで、アルジェリア産アーモンドがより強固な地位を築くことが可能となるでしょう。

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