FAO(国際連合食糧農業機関)が発表した1974年から2023年にかけてのアルジェリアのカリフラワー・ブロッコリー生産量データによると、生産量は長期間にわたって堅調に増加しています。特に、2000年代以降の成長速度が顕著であり、2023年には268,700トンに達しています。この伸びは、農業技術の導入や気候条件、政府の政策支援が寄与している可能性が高いと考えられます。一方で、一部の年では生産量が停滞、または減少した傾向が見られ、課題も浮き彫りになっています。
アルジェリアのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 268,700 |
6.65% ↑
|
2022年 | 251,935 |
5.54% ↑
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2021年 | 238,712 |
-1.76% ↓
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2020年 | 242,990 |
18.28% ↑
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2019年 | 205,439 |
-1.09% ↓
|
2018年 | 207,697 |
18.64% ↑
|
2017年 | 175,060 |
-14.67% ↓
|
2016年 | 205,148 |
25.84% ↑
|
2015年 | 163,025 |
4.66% ↑
|
2014年 | 155,761 |
26.08% ↑
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2013年 | 123,543 |
3.62% ↑
|
2012年 | 119,224 |
12.66% ↑
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2011年 | 105,829 |
20.36% ↑
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2010年 | 87,929 |
7.39% ↑
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2009年 | 81,880 |
20.51% ↑
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2008年 | 67,945 |
10.15% ↑
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2007年 | 61,682 |
4.32% ↑
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2006年 | 59,126 |
14.85% ↑
|
2005年 | 51,481 |
-2.53% ↓
|
2004年 | 52,815 |
-4.27% ↓
|
2003年 | 55,173 |
16.12% ↑
|
2002年 | 47,512 |
17.6% ↑
|
2001年 | 40,402 |
-7.8% ↓
|
2000年 | 43,822 |
8.49% ↑
|
1999年 | 40,392 |
4.26% ↑
|
1998年 | 38,740 |
-10.52% ↓
|
1997年 | 43,297 |
11.59% ↑
|
1996年 | 38,800 |
-4.77% ↓
|
1995年 | 40,744 |
4.06% ↑
|
1994年 | 39,155 |
1.41% ↑
|
1993年 | 38,610 |
1.31% ↑
|
1992年 | 38,110 |
54.62% ↑
|
1991年 | 24,647 |
-1.44% ↓
|
1990年 | 25,008 |
-15.3% ↓
|
1989年 | 29,526 |
-0.04% ↓
|
1988年 | 29,538 |
30.66% ↑
|
1987年 | 22,606 |
11.34% ↑
|
1986年 | 20,303 |
40.6% ↑
|
1985年 | 14,440 |
-8.87% ↓
|
1984年 | 15,845 |
16.25% ↑
|
1983年 | 13,630 |
15.71% ↑
|
1982年 | 11,779 |
-13.58% ↓
|
1981年 | 13,630 |
9.92% ↑
|
1980年 | 12,400 |
8.77% ↑
|
1979年 | 11,400 |
14% ↑
|
1978年 | 10,000 |
25% ↑
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1977年 | 8,000 |
33.33% ↑
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1976年 | 6,000 |
50% ↑
|
1975年 | 4,000 |
100% ↑
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1974年 | 2,000 | - |
アルジェリアのカリフラワー・ブロッコリーの生産量データは、過去約50年にわたる農業動向を示す重要な指標です。この統計によれば、1974年にはわずか2,000トンであった生産量が、2023年には268,700トンと大幅に拡大しています。この急増については、いくつかの要因が考えられます。
まず、1980年代から1990年代にかけての増加は穏やかであったものの、2000年代以降の生産量の伸びは顕著です。この時期には農業政策やインフラ整備、灌漑施設の導入など、政府の積極的な支援が進んでいたことが影響していると考えられます。また、カリフラワーやブロッコリーの需要が健康志向の高まりにより世界全体で拡大していることも、アルジェリア国内での生産増加を後押しした要因のひとつです。
生産量の推移を見ると、2009年以降、一部の年で停滞や減少を見せつつも、一貫して増加基調を維持している点が興味深いです。特に2020年以降の急激な伸びは注目に値します。この時期は新型コロナウイルス感染症の影響で世界的なサプライチェーンに混乱が生じた時期ですが、アルジェリア国内ではこれを足掛かりに農業の自給率を向上させる動きが加速し、自国生産の拡大を推進したことが考えられます。
ただし、このような成長にはいくつかの課題も見られます。一部の年で生産量の停滞や減少が起きている点は、気候変動や干ばつの影響が伺えます。アルジェリアは国土の大部分が乾燥地帯であるため、水資源管理はカリフラワーやブロッコリーの持続的な生産において極めて重要な要素です。また、農業労働者の高齢化や都市部への労働力流出も、中長期的に生産体制を脆弱化させる可能性があります。
今後の持続的な成長のために、以下の対策が求められます。まず、灌漑技術のさらなる改善と導入が不可欠です。アルジェリア政府は、新たな貯水池の建設や、効率的な水資源管理を可能とするスマート農業技術の導入を積極的に進めるべきです。また、農地の適切な肥料使用や土壌の保全を促進することで、収穫率の向上が期待できます。さらに、若い労働力を農業分野に引き寄せるために、農家への補助金や農業教育プログラムの充実も重要な課題でしょう。
併せて、近隣諸国や欧州連合(EU)との貿易協力を強化することで、市場アクセスを拡大し、経済的な収益性を向上させることができます。また、地政学的なリスクとして、サハラ地域での紛争や周辺国の政治不安定がアルジェリアの農業輸出に影響を与える可能性があるため、これに対する対策として国際的な協力枠組みをさらに強化する必要があります。
結論として、アルジェリアのカリフラワー・ブロッコリー生産はこれまでに大きな進展を遂げており、今後も持続的な成長が期待されます。ただし、環境条件や社会経済的な課題にも対応する必要があります。そのためには、政府および国際機関が協力し、農業基盤のさらなる強化や支援体制の整備を進めることが重要です。これにより、国内の食料自給率向上と、地域および国際市場での競争力強化を実現できるはずです。