世界のトウモロコシ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連食糧農業機関（FAO）による2011年度のトウモロコシ生産量データによれば、世界最大の生産国はアメリカで312,788,890トン、中国が2位で192,781,000トン、ブラジルが3位で55,660,235トンの生産量を記録しています。一方、日本は168トンと非常に小規模な生産を示し、全体ランキングでは154位となっています。トップ5の国々が圧倒的なシェアを占めており、特に上位2カ国が世界生産の大半を担っています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	312,788,890
2	中国	アジア	192,781,000
3	ブラジル	南アメリカ	55,660,235
4	アルゼンチン	南アメリカ	23,799,830
5	ウクライナ	ヨーロッパ	22,837,900
6	インド	アジア	21,760,000
7	インドネシア	アジア	17,643,250
8	メキシコ	南アメリカ	17,635,417
9	フランス	ヨーロッパ	15,914,121
10	ルーマニア	ヨーロッパ	11,717,591
11	カナダ	北アメリカ	11,358,700
12	南アフリカ	アフリカ	10,360,000
13	イタリア	ヨーロッパ	9,752,592
14	ナイジェリア	アフリカ	8,878,456
15	ハンガリー	ヨーロッパ	7,992,000
16	フィリピン	アジア	6,971,221
17	ロシア連邦	ヨーロッパ	6,962,438
18	エジプト	アフリカ	6,876,473
19	セルビア	ヨーロッパ	6,479,564
20	エチオピア	アフリカ	6,441,678
21	ドイツ	ヨーロッパ	5,183,600
22	タイ	アジア	4,972,952
23	ベトナム	アジア	4,835,717
24	タンザニア連合共和国	アフリカ	4,340,823
25	パキスタン	アジア	4,338,380
26	トルコ	アジア	4,200,000
27	スペイン	ヨーロッパ	4,199,927
28	マラウイ	アフリカ	3,699,147
29	ケニア	アフリカ	3,376,862
30	パラグアイ	南アメリカ	3,345,877
31	ザンビア	アフリカ	3,020,380
32	ウガンダ	アフリカ	2,551,000
33	オーストリア	ヨーロッパ	2,453,133
34	ポーランド	ヨーロッパ	2,392,100
35	ギリシャ	ヨーロッパ	2,291,806
36	ブルガリア	ヨーロッパ	2,209,204
37	モザンビーク	アフリカ	2,178,842
38	ネパール	アジア	2,067,522
39	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	2,033,934
40	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,907,007
41	コンゴ民主共和国	アフリカ	1,892,657
42	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	1,857,000
43	クロアチア	ヨーロッパ	1,733,664
44	コロンビア	南アメリカ	1,719,795
45	ガーナ	アフリカ	1,683,984
46	グアテマラ	南アメリカ	1,675,235
47	カメルーン	アフリカ	1,572,067
48	ペルー	南アメリカ	1,515,774
49	モルドバ共和国	ヨーロッパ	1,468,263
50	ミャンマー	アジア	1,461,500
51	スロバキア	ヨーロッパ	1,444,358
52	チリ	南アメリカ	1,437,561
53	マリ	アフリカ	1,298,234
54	アンゴラ	アフリカ	1,262,222
55	ベラルーシ	ヨーロッパ	1,213,124
56	ベナン	アフリカ	1,165,957
57	ラオス人民民主共和国	アジア	1,096,235
58	ブルキナファソ	アフリカ	1,076,753
59	チェコ	ヨーロッパ	1,063,736
60	バングラデシュ	アジア	1,018,287
61	ジンバブエ	アフリカ	1,010,473
62	エクアドル	南アメリカ	963,262
63	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	918,091
64	ベルギー	ヨーロッパ	859,692
65	ポルトガル	ヨーロッパ	810,267
66	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	764,119
67	エルサルバドル	南アメリカ	756,352
68	カンボジア	アジア	717,000
69	トーゴ	アフリカ	650,831
70	コートジボワール	アフリカ	621,790
71	ギニア	アフリカ	611,294
72	ホンジュラス	南アメリカ	544,965
73	ルワンダ	アフリカ	525,679
74	ニカラグア	南アメリカ	504,079
75	カザフスタン	アジア	481,960
76	キルギスタン	アジア	446,411
77	マダガスカル	アフリカ	428,390
78	アルバニア	ヨーロッパ	366,400
79	ハイチ	南アメリカ	360,000
80	オーストラリア	オセアニア	356,943
81	キューバ	南アメリカ	354,000
82	スロベニア	ヨーロッパ	349,030
83	イラク	アジア	335,710
84	アフガニスタン	アジア	300,120
85	チャド	アフリカ	299,472
86	シリア・アラブ共和国	アジア	298,368
87	ウルグアイ	南アメリカ	286,200
88	グルジア	アジア	269,600
89	ウズベキスタン	アジア	256,289
90	モロッコ	アフリカ	221,298
91	ニュージーランド	オセアニア	210,175
92	オランダ	ヨーロッパ	204,400
93	スイス	ヨーロッパ	178,000
94	タジキスタン	アジア	154,881
95	アゼルバイジャン	アジア	152,306
96	スリランカ	アジア	137,797
97	北マケドニア	ヨーロッパ	129,322
98	ブルンジ	アフリカ	128,483
99	セネガル	アフリカ	124,092
100	中国、台湾 中国省	アジア	123,232
101	パナマ	南アメリカ	105,426
102	イスラエル	アジア	96,375
103	サウジアラビア	アジア	91,747
104	中央アフリカ共和国	アフリカ	84,373
105	ブータン	アジア	79,826
106	エスワティニ	アフリカ	75,418
107	大韓民国	アジア	73,612
108	レソト	アフリカ	73,390
109	リトアニア	ヨーロッパ	71,900
110	イエメン	アジア	67,367
111	ソマリア	アフリカ	65,126
112	ベリーズ	南アメリカ	62,706
113	マレーシア	アジア	59,842
114	デンマーク	ヨーロッパ	55,300
115	ナミビア	アフリカ	53,800
116	シエラレオネ	アフリカ	52,416
117	東ティモール	アジア	49,783
118	ガボン	アフリカ	40,914
119	ドミニカ共和国	南アメリカ	35,431
120	ボツワナ	アフリカ	35,222
121	クウェート	アジア	31,498
122	ガンビア	アフリカ	23,613
123	エリトリア	アフリカ	20,000
124	アルメニア	アジア	19,120
125	コスタリカ	南アメリカ	18,501
126	オマーン	アジア	15,445
127	パプアニューギニア	オセアニア	13,000
128	コモロ	アフリカ	12,592
129	モーリタニア	アフリカ	11,609
130	コンゴ	アフリカ	10,714
131	ギニアビサウ	アフリカ	8,000
132	ニジェール	アフリカ	6,983
133	カーボベルデ	アフリカ	5,569
134	トルクメニスタン	アジア	5,510
135	アラブ首長国連邦	アジア	4,590
136	ガイアナ	南アメリカ	4,320
137	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,461
138	レバノン	アジア	3,000
139	リビア	アフリカ	2,860
140	ジャマイカ	南アメリカ	2,733
141	ニューカレドニア	オセアニア	2,597
142	モンテネグロ	ヨーロッパ	2,554
143	ルクセンブルク	ヨーロッパ	2,334
144	カタール	アジア	1,130
145	サントメ・プリンシペ	アフリカ	1,085
146	バヌアツ	オセアニア	831
147	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	691
148	バハマ	南アメリカ	687
149	アルジェリア	アフリカ	575
150	グレナダ	南アメリカ	351
151	モーリシャス	アフリカ	320
152	バルバドス	南アメリカ	269
153	フィジー	オセアニア	200
154	日本	アジア	168
155	ドミニカ	南アメリカ	140
156	モルディブ	アジア	116
157	ミクロネシア連邦	オセアニア	75
158	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	72
159	プエルトリコ	南アメリカ	34
160	スリナム	南アメリカ	32
161	ジブチ	アフリカ	15
+ すべての国を見る

トウモロコシは、主に食料、飼料、バイオエタノール原料として世界で重要な役割を担う作物です。2011年度のデータによると、アメリカと中国の2カ国が世界のトウモロコシ生産を牽引しており、それぞれ約312万トンと約193万トンの生産量を記録しています。この2カ国の生産量を合算すると、世界全体生産量の約60%以上を占める規模であり、アメリカが特に際立っています。これらの国々が持つ広大な農地、高い生産技術、水資源の豊富さが安定した供給につながっています。

ブラジル、アルゼンチン、ウクライナなどが次いでランクインしています。これは、これらの国々が広大な土地と輸出志向型の農業政策を背景に、トウモロコシの世界市場で競争力を発揮していることを示しています。また、ウクライナのような国はその地政学的立地により、欧州や中東への輸出を行う重要な拠点となっています。

一方、日本は154位で、生産量はわずか168トンと全体生産量に比べてごく僅かです。日本ではトウモロコシの自給率が極めて低く、ほとんどが輸入に頼っています。この現状は、国土面積が狭く、農地が限られていることに加え、国内農業が高齢化や土地利用の制約を抱えていることに起因しています。アジア地域では、中国やインドネシアが比較的大きな生産量を記録しており、国内需要を満たすだけでなく、地域の需要を補う重要な供給源となっています。

地政学的リスクとしては、ウクライナやアルゼンチンなどの生産国が政治的不安定や気候変動の影響を受けやすく、供給の波動を引き起こす可能性が指摘されています。例えば、ウクライナは度重なる地域紛争により輸出インフラが破壊されるリスクが高く、これがヨーロッパや中東の輸入依存国に悪影響を及ぼすケースが考えられます。

また、気候変動もトウモロコシ生産に直接的な影響を及ぼします。例えば、乾燥や熱波の頻発が収穫量を低下させ、特にインディアナ州やオクラホマ州などアメリカの主産地やアルゼンチンのパンパ地域では収穫期に深刻な影響が確認されています。これを克服するためには、耐乾燥性や高温下での生育能力を持つ新品種の研究開発が急務と言えます。

今後の課題として、トウモロコシの依存度が高い畜産業やエタノール製造部門の需要増加に対応する必要があります。これは、限られた生産量に対して需要が拡大することで、価格の変動リスクが市場に影響を及ぼす可能性があるためです。さらに、特に開発途上国では農業従事者の技術研修や、灌漑システムなどのインフラ整備が不足しており、これらを強化することで収量の増加が期待されます。

結論として、世界全体で見ると、トウモロコシ生産は数カ国に偏っています。この偏重を緩和し、多国間協力を強化するための貿易枠組みの策定が必要です。また、それぞれの地域特有の課題―例えば日本のように輸入依存から少しでも自給率を高めるための国内生産促進など―を解決することが、安定した食料供給と経済活動の基盤を築く一歩となります。気候変動に対応した農業技術の導入や、地政学的リスクに対する安全保障の強化も欠かせません。国際連携と技術革新により、将来的により持続可能で安定したトウモロコシ供給が実現されることを期待します。