万里の長城

アシア / 中国 / 文化遺産

基本情報

遺跡名称	万里の長城
遺跡名称(英語)	The Great Wall
国名	中国
登録区分	文化遺産
登録基準(登録基準とは)	(i)(ii)(iii)(iv)(vi)
世界遺産登録年	1987年
資産面積	2151.55ha

世界遺産「万里の長城」の登録理由や特徴について

万里の長城（The Great Wall）は、中国の歴史的な防衛構造物であり、世界遺産にも登録されています。その起源は紀元前220年頃、秦の始皇帝の時代にさかのぼります。この時期、北方からの侵略に対抗するため、様々な既存の防御施設が統合され、ひとつの統一された防衛システムが構築されました。その後も建設は続き、明朝（1368年～1644年）には、万里の長城は世界最大の軍事構造物としてその姿を整えました。

万里の長城は、単なる防衛線以上の意味を持っています。歴史的、戦略的な重要性はもちろんのこと、その建築的意義も高く評価されています。長城は、険しい山岳地帯や広大な平野を真っ直ぐに貫くように延びており、全長は約21,196キロメートルにも達します。この長大な構造物には、石、土、木材、そして煉瓦を使用し、時代や地域に応じたさまざまな技術が駆使されてきました。

特に明朝においては、長城の改修作業が盛んに行われ、その結果、今日私たちが目にする壮大な景観が誕生しました。城壁の高さは、場所によって異なりますが、平均的には数メートルから数十メートルに及びます。また、監視塔や城門、兵士の宿営所などの構造物も設けられ、軍事的な機能を果たしていました。

万里の長城は、その建設の背景にある文化や歴史を理解するための貴重な遺産であり、中国の古代文明の象徴でもあります。この長城は、ただの古い石の壁ではなく、数世紀にわたり数多くの人々の努力と犠牲が結実した結果でもあるのです。

現在、万里の長城は観光名所としても非常に人気があり、国内外から多くの観光客が訪れています。特に八達嶺や慕田峪などの整備されたセクションでは、訪れる人々がその壮大さを体感しながら、歴史の重みを感じることができます。万里の長城は、単なる観光地以上の価値を持ち、訪問者に深いメッセージを伝えています。文化遺産としての保護活動も進められており、未来の世代にその偉大さを伝えるための努力が続けられています。

万里の長城は、歴史と建築、文化の交差点であり、訪れるすべての人々に感動を与え続けている不朽の名作です。