世界のトウモロコシ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2016年度のトウモロコシ生産量ランキングによると、アメリカ合衆国が圧倒的な量の412,262,180トンで1位を占め、中国が263,613,000トンで2位、ブラジルが64,188,314トンで3位という結果でした。ランキング上位3か国の生産量は大きく他国を引き離しています。日本は170トンで156位に位置し、自給生産量は極めて低い水準にあります。トウモロコシは食料だけでなく家畜の飼料やバイオ燃料の原料としても重要であり、これらの分野で生産量が多い国の優位性が際立つ一方で、地政学的リスクや食糧安全保障への課題も浮かび上がっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	412,262,180
2	中国	アジア	263,613,000
3	ブラジル	南アメリカ	64,188,314
4	アルゼンチン	南アメリカ	39,792,854
5	メキシコ	南アメリカ	28,250,160
6	ウクライナ	ヨーロッパ	28,074,610
7	インドネシア	アジア	23,578,413
8	インド	アジア	22,570,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	15,281,594
10	カナダ	北アメリカ	13,889,000
11	フランス	ヨーロッパ	11,839,729
12	ルーマニア	ヨーロッパ	10,746,387
13	ナイジェリア	アフリカ	10,532,340
14	エチオピア	アフリカ	8,846,787
15	ハンガリー	ヨーロッパ	8,729,915
16	南アフリカ	アフリカ	8,214,240
17	エジプト	アフリカ	7,817,640
18	セルビア	ヨーロッパ	7,376,738
19	フィリピン	アジア	7,218,817
20	イタリア	ヨーロッパ	6,839,499
21	トルコ	アジア	6,400,000
22	タンザニア連合共和国	アフリカ	6,149,000
23	パキスタン	アジア	6,134,274
24	ベトナム	アジア	5,244,140
25	パラグアイ	南アメリカ	5,152,320
26	タイ	アジア	4,390,185
27	ポーランド	ヨーロッパ	4,342,910
28	スペイン	ヨーロッパ	4,069,508
29	ドイツ	ヨーロッパ	4,017,800
30	ケニア	アフリカ	3,339,000
31	ザンビア	アフリカ	2,873,052
32	マリ	アフリカ	2,811,385
33	ウガンダ	アフリカ	2,482,795
34	バングラデシュ	アジア	2,445,576
35	マラウイ	アフリカ	2,369,493
36	アンゴラ	アフリカ	2,238,456
37	ネパール	アジア	2,231,517
38	ブルガリア	ヨーロッパ	2,226,094
39	カメルーン	アフリカ	2,195,941
40	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	2,195,244
41	オーストリア	ヨーロッパ	2,179,587
42	クロアチア	ヨーロッパ	2,154,470
43	コンゴ民主共和国	アフリカ	2,100,806
44	グアテマラ	南アメリカ	1,899,318
45	ミャンマー	アジア	1,830,631
46	ガーナ	アフリカ	1,721,910
47	スロバキア	ヨーロッパ	1,710,178
48	ブルキナファソ	アフリカ	1,602,525
49	ペルー	南アメリカ	1,575,955
50	ラオス人民民主共和国	アジア	1,552,360
51	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,543,365
52	ギリシャ	ヨーロッパ	1,505,461
53	モルドバ共和国	ヨーロッパ	1,392,443
54	ベナン	アフリカ	1,376,683
55	コロンビア	南アメリカ	1,295,089
56	モザンビーク	アフリカ	1,217,000
57	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	1,178,423
58	チリ	南アメリカ	1,174,487
59	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,170,587
60	エクアドル	南アメリカ	1,091,108
61	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	984,628
62	コートジボワール	アフリカ	967,000
63	エルサルバドル	南アメリカ	923,472
64	チェコ	ヨーロッパ	845,765
65	トーゴ	アフリカ	826,896
66	カザフスタン	アジア	762,360
67	ギニア	アフリカ	748,639
68	ベラルーシ	ヨーロッパ	740,511
69	ポルトガル	ヨーロッパ	710,634
70	キルギスタン	アジア	648,744
71	ホンジュラス	南アメリカ	613,334
72	カンボジア	アジア	542,300
73	ジンバブエ	アフリカ	511,816
74	ウズベキスタン	アジア	491,919
75	ウルグアイ	南アメリカ	487,000
76	ベルギー	ヨーロッパ	480,496
77	チャド	アフリカ	443,779
78	ニカラグア	南アメリカ	410,622
79	キューバ	南アメリカ	404,467
80	セネガル	アフリカ	400,462
81	オーストラリア	オセアニア	400,032
82	アルバニア	ヨーロッパ	379,714
83	ルワンダ	アフリカ	374,267
84	スロベニア	ヨーロッパ	346,211
85	マダガスカル	アフリカ	316,331
86	アフガニスタン	アジア	311,646
87	イラク	アジア	259,546
88	ハイチ	南アメリカ	251,928
89	スリランカ	アジア	243,960
90	ブルンジ	アフリカ	243,740
91	グルジア	アジア	243,700
92	アゼルバイジャン	アジア	223,991
93	ニュージーランド	オセアニア	210,325
94	タジキスタン	アジア	208,113
95	中国、台湾 中国省	アジア	164,750
96	南スーダン	アフリカ	164,613
97	北マケドニア	ヨーロッパ	147,029
98	スイス	ヨーロッパ	144,406
99	モロッコ	アフリカ	128,763
100	パナマ	南アメリカ	127,799
101	東ティモール	アジア	96,565
102	中央アフリカ共和国	アフリカ	96,239
103	リトアニア	ヨーロッパ	86,233
104	オランダ	ヨーロッパ	84,641
105	ブータン	アジア	82,035
106	イスラエル	アジア	80,264
107	サウジアラビア	アジア	80,000
108	シリア・アラブ共和国	アジア	79,348
109	大韓民国	アジア	73,681
110	ベリーズ	南アメリカ	65,762
111	マレーシア	アジア	64,867
112	ソマリア	アフリカ	60,000
113	スーダン	アフリカ	50,000
114	ガボン	アフリカ	44,272
115	デンマーク	ヨーロッパ	43,800
116	ナミビア	アフリカ	43,611
117	ドミニカ共和国	南アメリカ	41,666
118	ニジェール	アフリカ	38,022
119	イエメン	アジア	36,892
120	エスワティニ	アフリカ	33,000
121	ガンビア	アフリカ	31,000
122	アルメニア	アジア	21,026
123	エリトリア	アフリカ	20,000
124	レソト	アフリカ	19,181
125	コモロ	アフリカ	15,918
126	ボツワナ	アフリカ	15,095
127	シエラレオネ	アフリカ	12,554
128	パプアニューギニア	オセアニア	12,332
129	コンゴ	アフリカ	11,889
130	トルクメニスタン	アジア	10,292
131	モーリタニア	アフリカ	9,600
132	コスタリカ	南アメリカ	9,542
133	ニューカレドニア	オセアニア	8,543
134	オマーン	アジア	6,856
135	ギニアビサウ	アフリカ	6,000
136	アラブ首長国連邦	アジア	5,988
137	カーボベルデ	アフリカ	5,642
138	ガイアナ	南アメリカ	4,000
139	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,711
140	アルジェリア	アフリカ	3,687
141	リビア	アフリカ	3,288
142	クウェート	アジア	2,949
143	レバノン	アジア	2,745
144	モンテネグロ	ヨーロッパ	2,650
145	ジャマイカ	南アメリカ	2,340
146	バヌアツ	オセアニア	887
147	フィジー	オセアニア	867
148	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	866
149	ルクセンブルク	ヨーロッパ	840
150	サントメ・プリンシペ	アフリカ	768
151	バハマ	南アメリカ	659
152	カタール	アジア	574
153	モーリシャス	アフリカ	415
154	グレナダ	南アメリカ	388
155	ドミニカ	南アメリカ	188
156	日本	アジア	170
157	モルディブ	アジア	146
158	バルバドス	南アメリカ	96
159	スリナム	南アメリカ	89
160	ミクロネシア連邦	オセアニア	88
161	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	65
162	ジブチ	アフリカ	17
163	プエルトリコ	南アメリカ	17
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国際連合食糧農業機関の統計によると、トウモロコシ生産量の多い上位国は、アメリカ合衆国、中国、ブラジルなど、農業技術が発達しているだけでなく、広大な農地を有する国々で占められています。アメリカは他を大きく引き離し、世界全体の生産量の相当部分を占めています。この生産量は、世界の食料供給網およびエネルギー供給網においても絶対的な優位性を示しています。

一方で、トウモロコシの需要は、一部地域では飢餓や栄養不足といった食料安全保障に直結する要素であるのに対し、先進国ではバイオ燃料や畜産業など様々な目的で利用されています。この違いは、世界各地でのトウモロコシ需要の多様性を映し出しています。例えば、日本はわずか170トンの生産で、国内需要をほぼすべて輸入で賄っています。こうした国家の農業政策や貿易依存度は、地政学的な緊張や環境問題が高まる中で、持続可能性という観点から見直しが求められるかもしれません。

さらに、ランキングにおいてウクライナが6位に入っていることに注目すべきです。同国は主要な輸出国でもあり、世界市場におけるトウモロコシの供給に与える影響が大きい一方で、近年では地域紛争による農業生産への影響が懸念されています。また、南米ではブラジル、アルゼンチン、パラグアイといった国々が主要生産国として台頭しており、輸出先での競争は激化しています。

アジアに目を向けると、中国が2位、インドネシアが7位、インドが8位と、経済成長と共に農業も発展していることが伺えます。しかし、これらの国で急速に進む都市化により農地が減少する可能性や、気候変動が収穫に影響を与える危険性も見逃せません。そのため、作物の収量安定化や効率的な農業用水利用のための技術投資が重要な課題となります。

地政学的な視点では、主要輸出国での政治不安定や貿易紛争が、トウモロコシを含む農産物価格の乱高下を引き起こすリスクがあります。特に、ウクライナやアルゼンチンなどの政治的リスクは、国際市場において注意が必要です。加えて、エネルギー危機や気候変動に伴い、バイオ燃料としてのトウモロコシ需要がさらに高まることが予想されますが、これが食料市場の供給を圧迫し、小規模農家や新興国に負担を強いる可能性もあります。

日本においては特に、自国のトウモロコシ生産量が低い状況が続いています。食料安全保障の重要性が増す現在、農業政策を見直して、自立性を高める取り組みが求められるでしょう。具体的には、例えば輸入に頼らずとも一部の需要を国内で補えるよう、農地利用の最適化や高収量の品種の導入、さらにはバイオ技術を活用した持続可能な農業の確立が不可欠です。

今後、国際社会においては、持続可能なトウモロコシ生産を目指し、技術開発や国際的な協力を進めることが重要と考えられます。また、地政学的リスクの軽減に向けて、多国間協定を通じて食糧供給網を安定化させる一方で、途上国や新興国の農業支援を拡充する仕組みも必要でしょう。締めくくると、トウモロコシ生産における地域間協力や多様な利用価値の平衡点を見極めつつ、持続可能な未来を築くための努力が求められています。