世界のトウモロコシ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2009年度のトウモロコシ生産量ランキングでは、1位がアメリカ合衆国（331,921,050トン）、2位が中国（163,974,000トン）で、両国が圧倒的な生産量を占めています。これに続くのはブラジル（50,719,822トン）、メキシコ（20,142,816トン）、インドネシア（17,629,740トン）などで、上位国においては農業技術や広大な農地の確保による高い生産力が背景にあります。一方、日本は165トンで世界153位となり、自給率が極めて低いことがわかります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	331,921,050
2	中国	アジア	163,974,000
3	ブラジル	南アメリカ	50,719,822
4	メキシコ	南アメリカ	20,142,816
5	インドネシア	アジア	17,629,740
6	インド	アジア	16,719,500
7	フランス	ヨーロッパ	15,513,841
8	アルゼンチン	南アメリカ	13,121,380
9	南アフリカ	アフリカ	12,050,000
10	ウクライナ	ヨーロッパ	10,486,300
11	カナダ	北アメリカ	9,561,200
12	ルーマニア	ヨーロッパ	7,973,258
13	イタリア	ヨーロッパ	7,877,700
14	エジプト	アフリカ	7,686,091
15	ハンガリー	ヨーロッパ	7,528,380
16	ナイジェリア	アフリカ	7,358,260
17	フィリピン	アジア	7,034,033
18	セルビア	ヨーロッパ	6,396,262
19	エチオピア	アフリカ	4,656,996
20	タイ	アジア	4,616,119
21	ドイツ	ヨーロッパ	4,527,228
22	ベトナム	アジア	4,371,700
23	トルコ	アジア	4,250,000
24	ロシア連邦	ヨーロッパ	3,963,433
25	マラウイ	アフリカ	3,582,502
26	スペイン	ヨーロッパ	3,515,617
27	タンザニア連合共和国	アフリカ	3,326,200
28	パキスタン	アジア	3,261,500
29	ケニア	アフリカ	2,439,000
30	ギリシャ	ヨーロッパ	2,414,495
31	ウガンダ	アフリカ	2,354,664
32	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	2,183,345
33	クロアチア	ヨーロッパ	2,182,521
34	オーストリア	ヨーロッパ	2,168,838
35	ネパール	アジア	1,930,669
36	ザンビア	アフリカ	1,887,010
37	パラグアイ	南アメリカ	1,857,840
38	ポーランド	ヨーロッパ	1,706,600
39	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	1,705,000
40	グアテマラ	南アメリカ	1,625,811
41	カメルーン	アフリカ	1,625,213
42	ガーナ	アフリカ	1,619,590
43	モザンビーク	アフリカ	1,612,000
44	コロンビア	南アメリカ	1,560,347
45	ペルー	南アメリカ	1,559,745
46	マリ	アフリカ	1,476,993
47	チリ	南アメリカ	1,345,649
48	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,335,003
49	ブルガリア	ヨーロッパ	1,290,833
50	ミャンマー	アジア	1,225,700
51	ベナン	アフリカ	1,205,200
52	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	1,174,447
53	コンゴ民主共和国	アフリカ	1,156,180
54	モルドバ共和国	ヨーロッパ	1,141,078
55	ラオス人民民主共和国	アジア	1,134,386
56	スロバキア	ヨーロッパ	988,053
57	アンゴラ	アフリカ	970,231
58	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	962,921
59	カンボジア	アジア	924,026
60	ブルキナファソ	アフリカ	894,558
61	チェコ	ヨーロッパ	889,574
62	エクアドル	南アメリカ	811,386
63	ベルギー	ヨーロッパ	807,866
64	エルサルバドル	南アメリカ	785,965
65	バングラデシュ	アジア	729,629
66	ジンバブエ	アフリカ	700,000
67	トーゴ	アフリカ	651,739
68	コートジボワール	アフリカ	637,372
69	ポルトガル	ヨーロッパ	634,069
70	ホンジュラス	南アメリカ	587,235
71	ギニア	アフリカ	565,667
72	ニカラグア	南アメリカ	522,024
73	キルギスタン	アジア	486,636
74	カザフスタン	アジア	471,200
75	ベラルーシ	ヨーロッパ	448,663
76	マダガスカル	アフリカ	425,204
77	オーストラリア	オセアニア	375,670
78	キューバ	南アメリカ	304,800
79	ハイチ	南アメリカ	303,700
80	スロベニア	ヨーロッパ	302,600
81	アフガニスタン	アジア	300,000
82	セネガル	アフリカ	291,301
83	グルジア	アジア	291,000
84	ルワンダ	アフリカ	286,946
85	ウルグアイ	南アメリカ	269,800
86	アルバニア	ヨーロッパ	265,100
87	オランダ	ヨーロッパ	244,911
88	イラク	アジア	238,113
89	ニュージーランド	オセアニア	237,844
90	ウズベキスタン	アジア	230,800
91	チャド	アフリカ	209,031
92	モロッコ	アフリカ	204,520
93	シリア・アラブ共和国	アジア	183,255
94	スイス	ヨーロッパ	174,035
95	サウジアラビア	アジア	161,479
96	北マケドニア	ヨーロッパ	157,547
97	アゼルバイジャン	アジア	151,172
98	中央アフリカ共和国	アフリカ	151,168
99	タジキスタン	アジア	142,515
100	東ティモール	アジア	134,715
101	中国、台湾 中国省	アジア	133,560
102	スリランカ	アジア	129,770
103	ソマリア	アフリカ	128,923
104	ブルンジ	アフリカ	120,379
105	パナマ	南アメリカ	85,785
106	イスラエル	アジア	81,097
107	大韓民国	アジア	76,975
108	エスワティニ	アフリカ	75,068
109	ブータン	アジア	61,158
110	ベリーズ	南アメリカ	57,335
111	ナミビア	アフリカ	57,320
112	レソト	アフリカ	57,126
113	イエメン	アジア	56,087
114	ガンビア	アフリカ	54,625
115	ガボン	アフリカ	38,431
116	マレーシア	アジア	36,396
117	ドミニカ共和国	南アメリカ	35,037
118	シエラレオネ	アフリカ	29,641
119	コスタリカ	南アメリカ	23,860
120	リトアニア	ヨーロッパ	23,800
121	ボツワナ	アフリカ	20,093
122	エリトリア	アフリカ	16,652
123	ギニアビサウ	アフリカ	16,600
124	アルメニア	アジア	15,232
125	オマーン	アジア	14,907
126	モーリタニア	アフリカ	11,830
127	クウェート	アジア	11,261
128	コンゴ	アフリカ	10,200
129	パプアニューギニア	オセアニア	10,200
130	コモロ	アフリカ	9,723
131	カーボベルデ	アフリカ	7,383
132	トルクメニスタン	アジア	5,440
133	ガイアナ	南アメリカ	5,000
134	レバノン	アジア	4,700
135	アラブ首長国連邦	アジア	3,278
136	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,000
137	リビア	アフリカ	2,950
138	ニューカレドニア	オセアニア	2,664
139	ルクセンブルク	ヨーロッパ	2,453
140	ジャマイカ	南アメリカ	2,359
141	サントメ・プリンシペ	アフリカ	2,000
142	モンテネグロ	ヨーロッパ	1,642
143	ニジェール	アフリカ	1,389
144	カタール	アジア	1,350
145	バヌアツ	オセアニア	820
146	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	670
147	バハマ	南アメリカ	600
148	アルジェリア	アフリカ	575
149	フィジー	オセアニア	471
150	グレナダ	南アメリカ	336
151	バルバドス	南アメリカ	263
152	ドミニカ	南アメリカ	184
153	日本	アジア	165
154	モーリシャス	アフリカ	112
155	モルディブ	アジア	94
156	ミクロネシア連邦	オセアニア	67
157	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	66
158	プエルトリコ	南アメリカ	60
159	スリナム	南アメリカ	24
160	ジブチ	アフリカ	13
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トウモロコシは世界で最も生産される穀物の一つであり、食料としてだけでなく、飼料やバイオ燃料の原料としても重要な役割を果たしています。2009年度のデータを見ると、アメリカ合衆国と中国が全体の生産量の約43%を占めており、生産規模における他国との差は圧倒的です。アメリカは広大な農地、優れた農業技術、効率的な物流インフラを背景に、主に飼料用トウモロコシの大規模生産を行っています。中国も同様に近年における農業近代化の進展と巨大な国内市場が高い生産量を支えています。

ブラジルやアルゼンチンといった南米諸国の台頭も注目すべき点です。これらの国々は輸出志向型の農業を展開しており、安価で大量のトウモロコシをアジアやアフリカなど需要地へ供給しています。一方、南アフリカやエジプトといったアフリカ大陸の上位国では、全体として生産量は控えめですが、地域の気象条件や技術格差、インフラ不足がその理由に挙げられます。

日本に目を向けると、生産量が165トンと極めて低く、ほぼ全てを輸入に依存している現状がデータから浮き彫りになります。これは日本の地形や気候がトウモロコシ栽培に適していない点、および農地の少なさと競作する他の作物に重点を置いていることが背景にあります。また、消費量の多くは輸入飼料用トウモロコシで占められています。

このランキングは地政学的要因とも密接に関連しています。例えば、ウクライナやロシア連邦は重要な生産地ですが、近年の地域衝突や政治的緊張が農業生産に打撃を与えるリスクがあります。また、気候変動による干ばつや洪水といった自然災害が特定地域の生産動態に与える影響も無視できません。将来的にはこれらの変化がトウモロコシ市場の安定性や価格に影響を及ぼす可能性があります。

今後注目されるべき課題は、気候変動への適応、持続可能な農業手法の推進、そして生産地と消費地との物流効率化の改善です。具体的には、干ばつや塩害に強いトウモロコシ品種の開発、灌漑設備の整備、中小規模農家向け技術支援の強化が効果的でしょう。さらに、国際的な緊張の緩和と輸出入ルートの多角化も必要です。

結論として、2009年度のデータは、トウモロコシ生産における大国の支配的な地位を浮き彫りにしつつ、これに依存する国家の脆弱性も示しています。これに対応するためには国際的な協力が不可欠であり、各国は自国の需要と供給のバランスを的確に管理し、他国への依存を軽減するための政策を進めることが求められます。日本においても、農業技術の研究開発や輸入元の多様化に取り組むことで、食料安全保障を強化していく必要があります。