世界のオリーブ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

出典： Food and Agriculture Organization「国際連合食糧農業機関」

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2015年度のオリーブ生産量ランキングによると、スペインが約5,947,700トンで1位となり、世界のオリーブ生産の中心地であることが示されました。2位にはギリシャ（2,907,866トン）、3位はイタリア（2,732,894トン）が続き、地中海沿岸諸国が上位を占めています。一方、アメリカ（14位、162,390トン）や中国（32位、2,617トン）など非地中海地域の国々、生産量のわずかな国々もランクインしており、オリーブの栽培が地中海地域以外にも広がりつつある一面が見受けられます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	スペイン	ヨーロッパ	5,947,700
2	ギリシャ	ヨーロッパ	2,907,866
3	イタリア	ヨーロッパ	2,732,894
4	チュニジア	アフリカ	1,700,000
5	トルコ	アジア	1,700,000
6	モロッコ	アフリカ	1,144,238
7	シリア・アラブ共和国	アジア	913,299
8	ポルトガル	ヨーロッパ	722,893
9	エジプト	アフリカ	698,927
10	アルジェリア	アフリカ	653,725
11	アルゼンチン	南アメリカ	334,848
12	ヨルダン	アジア	200,896
13	リビア	アフリカ	162,744
14	アメリカ合衆国	北アメリカ	162,390
15	レバノン	アジア	132,500
16	チリ	南アメリカ	120,075
17	イスラエル	アジア	98,000
18	アルバニア	ヨーロッパ	96,000
19	パレスチナ国	アジア	87,000
20	イラン（イスラム共和国）	アジア	85,499
21	オーストラリア	オセアニア	84,500
22	ペルー	南アメリカ	38,427
23	フランス	ヨーロッパ	34,675
24	クロアチア	ヨーロッパ	28,267
25	ウルグアイ	南アメリカ	14,000
26	キプロス	アジア	13,416
27	メキシコ	南アメリカ	13,049
28	北マケドニア	ヨーロッパ	12,169
29	エルサルバドル	南アメリカ	11,449
30	イラク	アジア	8,268
31	アフガニスタン	アジア	7,472
32	中国、台湾中国省	アジア	2,617
33	スロベニア	ヨーロッパ	1,578
34	アゼルバイジャン	アジア	1,066
35	ブラジル	南アメリカ	435
36	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	303
37	モンテネグロ	ヨーロッパ	244
38	ウズベキスタン	アジア	123
39	マルタ	ヨーロッパ	90
40	クウェート	アジア	57
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オリーブ生産量ランキングの2015年データは、地中海沿岸諸国の優位性を明確に示しています。特にスペインは他国を大きく引き離した生産量を誇り、これは気候条件だけでなく、技術的進歩や農業インフラの発展によるものと言えます。スペインの生産量は2位のギリシャの約2倍、3位イタリアと比較してもかなり優位に立っています。これに続くチュニジアやトルコも同程度の生産量（それぞれ1,700,000トン）を示し、地中海東部や北アフリカの影響力が確認できます。

一方で、シリア（7位）を含む中東地域のオリーブ生産は、地域衝突や内戦の影響を受けている可能性があります。持続可能な農業の障害となる地域的な不安定さが、オリーブ生産の発展を制限する課題として挙げられます。また、非地中海地域に目を向けるとアルゼンチン（11位、334,848トン）やアメリカ（14位、162,390トン）がランクインしており、これらの国でオリーブ産業が成長しつつある点も注目です。特に、アメリカやオーストラリアなどは輸入への依存を脱却するための国内生産の重要性を認識し、栽培技術の改良を進めています。

こうしたデータから読み取れる課題として、地中海沿岸諸国の気候変動や土地の劣化リスクがあります。オリーブは比較的乾燥に強い作物ですが、それでも気温の上昇や干ばつの多発は生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。同時に、世界的な需要が伸びていることを考慮すると、新しい栽培地域の開拓や耐病性の高い品種の開発が重要です。

未来への具体的な対策としては、まず地中海地域における気候変動への適応策の拡大が必要です。灌漑技術の向上や土壌保全を目的とした持続可能な農業技術の導入などが考えられます。また、非地中海地域における生産量の増加を促進する政策も求められます。例えば、政府による補助金の提供や農家への栽培技術の訓練支援が挙げられます。さらに、地域衝突や災害が生産基盤に与えるリスクを軽減するため、国際的な協力枠組みを整備し、影響を緩和する試みが重要です。

結論として、2015年時点のオリーブ生産は地中海沿岸に集中する傾向が見られますが、世界の需要を満たすには生産地の多様化・分散化が求められます。未来のオリーブ農業を持続可能にするためには、気候変動対策、生産技術の向上、地域間協力が重要なカギとなるでしょう。全世界的な需要と地政学的背景を鑑みた政策立案が、今後の国際社会の課題となると考えられます。