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世界のオリーブ油生産量ランキング【1961〜2021】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関(FAO)の2024年7月更新データによると、2020年度のオリーブ油生産量ランキングでは、スペインが約135万トンで首位を占め、2位のチュニジア約40万トン、3位のイタリア約33万トンと続きます。これらの上位3か国だけで、世界全体のオリーブ油生産量の約60%を占めています。一方で、下位の国々では年間生産量が数トンから数千トンまで幅広く分布しており、生産の集中性が明らかになっています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 1,356,411
2 チュニジア国旗 チュニジア アフリカ 399,900
3 イタリア国旗 イタリア ヨーロッパ 330,879
4 ギリシャ国旗 ギリシャ ヨーロッパ 308,000
5 トルコ国旗 トルコ アジア 234,700
6 モロッコ国旗 モロッコ アフリカ 164,600
7 シリア・アラブ共和国国旗 シリア・アラブ共和国 アジア 138,217
8 アルジェリア国旗 アルジェリア アフリカ 113,600
9 ポルトガル国旗 ポルトガル ヨーロッパ 107,000
10 エジプト国旗 エジプト アフリカ 36,000
11 アルゼンチン国旗 アルゼンチン 南アメリカ 30,000
12 ヨルダン国旗 ヨルダン アジア 24,402
13 チリ国旗 チリ 南アメリカ 20,900
14 リビア国旗 リビア アフリカ 17,000
15 イスラエル国旗 イスラエル アジア 16,800
16 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 16,000
17 パレスチナ国国旗 パレスチナ国 アジア 14,408
18 レバノン国旗 レバノン アジア 14,300
19 アルバニア国旗 アルバニア ヨーロッパ 13,000
20 オーストラリア国旗 オーストラリア オセアニア 10,200
21 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 9,808
22 イラン(イスラム共和国)国旗 イラン(イスラム共和国) アジア 6,670
23 キプロス国旗 キプロス アジア 4,800
24 クロアチア国旗 クロアチア ヨーロッパ 4,400
25 フランス国旗 フランス ヨーロッパ 3,800
26 北マケドニア国旗 北マケドニア ヨーロッパ 1,904
27 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 1,564
28 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 1,551
29 アゼルバイジャン国旗 アゼルバイジャン アジア 1,014
30 アフガニスタン国旗 アフガニスタン アジア 724
31 スロベニア国旗 スロベニア ヨーロッパ 699
32 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 611
33 ウルグアイ国旗 ウルグアイ 南アメリカ 540
34 モンテネグロ国旗 モンテネグロ ヨーロッパ 20
35 マルタ国旗 マルタ ヨーロッパ 0
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2020年度のデータは、地中海沿岸諸国がオリーブ油の生産を主としている実態を如実に反映しています。スペインが圧倒的な1位で生産している約135万トンという量は、2位のチュニジアの約3.4倍、3位のイタリアの約4倍の規模を誇ります。この背景には、スペインが広大な栽培面積を保有していることや、効率的な栽培技術、加工設備への投資が進んでいることが挙げられます。

2位のチュニジアは、アフリカ大陸最大のオリーブ油生産国であり、輸出にも力を入れています。一方で、3位のイタリアや4位のギリシャは、国内消費も多く、品質重視の逸品生産が特徴です。これらの地中海諸国は、長いオリーブ栽培の伝統と現代的な農業技術との融合が、安定した生産につながっています。

アフリカ地区では、チュニジアに次いでモロッコとアルジェリアが上位に位置しています。これらの国々は、オリーブ油市場の成長性と輸出需要の高まりを背景に、現在も生産体制を拡大しています。一方、中東のシリアやヨルダンなどでは地政学的な影響もあり、依然として安定した生産が課題です。シリアの例では紛争の長期化が、農業インフラへの打撃を与えており、生産減少のリスクが続いています。

アジア、南北アメリカ、大洋州では、オリーブ油生産量が主要生産国に比べて非常に少なく、一部の第二次的生産国に留まっています。アメリカの年生産量は約1.6万トンと限定的でありながら、カリフォルニア州を中心に高品質のオリーブ油が作られています。同様に、オーストラリアの生産量は全体的に少ないものの、オリーブ栽培や加工技術に対する支援が進められています。

世界全体の中で特記すべき課題として、地中海沿岸地域の気候変動リスクが挙げられます。例えば、高温や雨量不足による収穫量の減少が生産に与える影響は無視できません。また、地政学的な不安定さが生産国の一部における持続可能性を脅かしている状況です。特に中東や北アフリカ地域では、政治的対立や地域衝突のリスクが農業インフラの発展を阻害しています。

これらの課題に対して、具体的な提案として、以下のような対策を挙げることができます。第一に、栽培技術の効率化や品種改良の研究開発を進め、気候変動下でも収穫量を安定化させる技術を導入することが重要です。また、地域ごとの協力枠組みを通じて、生産者間の技術共有や輸出入規制の適正化を図ることが必要です。加えて、地政学的リスクを軽減するために、国際機関やNGOが新しい農業インフラ整備に関して支援を強化するべきです。

結論として、2020年度のデータからは、オリーブ油の生産が特定地域に大きく集中している実態が浮かび上がっています。そして、その持続可能性を確保するためには、各国が自国の課題に向き合うと同時に、国際社会と協調して気候変動や地政学的リスクに対応していく必要があります。これが、未来の食料安全保障と経済成長の鍵を握る要素となるでしょう。

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