2013年のオリーブ生産量データによると、世界最大のオリーブ生産国はスペインで、総生産量9,276,100トンを記録しました。2位はイタリアで2,940,545トン、続いてギリシャが1,752,075トンで3位となっています。これら上位3か国で世界の総生産量の約70%以上を占めており、地中海沿岸地域がオリーブ生産の中心地であることが判明します。一方、日本や中国のようなアジア諸国はランク外であり、オリーブ生産が地中海性気候に強く依存している現状も浮き彫りになっています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
ヨーロッパ | 9,276,100 |
| 2 |
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ヨーロッパ | 2,940,545 |
| 3 |
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ヨーロッパ | 1,752,075 |
| 4 |
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アジア | 1,676,000 |
| 5 |
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アフリカ | 1,181,676 |
| 6 |
|
アフリカ | 1,100,000 |
| 7 |
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アジア | 842,098 |
| 8 |
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ヨーロッパ | 651,741 |
| 9 |
|
アフリカ | 578,740 |
| 10 |
|
アフリカ | 541,790 |
| 11 |
|
南アメリカ | 216,609 |
| 12 |
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アフリカ | 185,762 |
| 13 |
|
北アメリカ | 150,593 |
| 14 |
|
アジア | 128,186 |
| 15 |
|
アジア | 106,200 |
| 16 |
|
アジア | 98,810 |
| 17 |
|
オセアニア | 93,516 |
| 18 |
|
ヨーロッパ | 92,000 |
| 19 |
|
南アメリカ | 90,780 |
| 20 |
|
アジア | 77,000 |
| 21 |
|
アジア | 60,630 |
| 22 |
|
南アメリカ | 57,766 |
| 23 |
|
ヨーロッパ | 34,269 |
| 24 |
|
ヨーロッパ | 29,403 |
| 25 |
|
南アメリカ | 26,303 |
| 26 |
|
アジア | 24,136 |
| 27 |
|
ヨーロッパ | 13,000 |
| 28 |
|
アジア | 12,728 |
| 29 |
|
南アメリカ | 10,250 |
| 30 |
|
アジア | 6,685 |
| 31 |
|
南アメリカ | 6,200 |
| 32 |
|
アジア | 2,644 |
| 33 |
|
ヨーロッパ | 1,479 |
| 34 |
|
アジア | 840 |
| 35 |
|
南アメリカ | 265 |
| 36 |
|
ヨーロッパ | 239 |
| 37 |
|
ヨーロッパ | 153 |
| 38 |
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アジア | 100 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 46 |
| 40 |
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アジア | 44 |
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2013年度の国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、オリーブ生産量の最も高い国はスペインで、2位以下の生産量を大きく引き離す結果を見せています。スペイン単独での生産量は9,276,100トンであり、これは同年の2位イタリアの約3倍にあたります。スペイン南部のアンダルシア州を中心とした地域は、オリーブの栽培に必要な地中海性気候に非常に適しているため、生産量が圧倒的となっています。また、この地域のオリーブ産業は長い歴史を持ち、その農業技術と効率化された大規模栽培も生産量の高さに寄与していると考えられます。
2位のイタリアは2,940,545トン、3位のギリシャは1,752,075トンで、これら地中海沿岸地域の国々は全体のオリーブ市場をリードしています。この傾向は、オリーブの育成が降雨量の制限された気候や適度な日照量に依存しているためであり、これらの条件が整った地域のみが高い収穫量を維持可能という特性が要因です。4位のトルコや5位のモロッコも地中海地域に位置し、やはり生産量が多い国として注目されます。
一方で、アメリカ合衆国やオーストラリア、アルゼンチンのような地理的に地中海地域から離れた国々の生産量は比較的少なく、いずれも150,000トン前後で地中海諸国に大きく遅れをとっています。このような国々では、オリーブの消費が増加している一方、地理的条件や気候の違いが主因となり、自国での生産拡大には限界があることが窺われます。また、これらの国は輸入することで需要を賄っている傾向が見られます。日本は本データには含まれていないものの、国内産オリーブの供給が非常に少なく、外国からの依存率が高い状況といえます。
オリーブ生産にはいくつかの課題もあります。例えば、気候変動の進行による地中海地域の乾燥化や水資源の不足は、将来的に生産効率の低下を引き起こす可能性があります。オリーブは乾燥地に強い作物ですが、それでも一定の水分が必要であるため、干ばつや水不足が長期間続く局面では、生産量に悪影響を与えるでしょう。特にトルコやモロッコのような国は、気候変動の影響を受けやすい地域といわれており、持続可能な農業システムの構築が急務です。
また、地域紛争や政治的な不安定さも一部の産地に影響を及ぼしています。たとえば7位のシリアは842,098トンを生産しているものの、国内紛争の長期化による農業インフラの破壊が続けば、将来的な生産量の減少につながることが懸念されます。国際機関や近隣諸国のサポートによる復興支援が鍵となるでしょう。
これらの課題に対応するためには、まず地中海沿岸諸国での水資源管理技術の向上や、干ばつに強いオリーブの品種改良が重要です。また、地理的に生産条件が不利な国では、オリーブの栽培拡大を目指すだけでなく、国際市場へのアクセスを強化し、輸入先の多様化や貿易関係の安定化を進めるべきです。たとえば、日本の場合は、国内にあった小規模生産を支援すると同時に、輸入途上での物流コスト削減や関税の緩和など、両面からの対策が求められます。
結論として、2013年のデータは、オリーブ生産が地中海沿岸地域に大きく依存している現状を示しています。しかし、この状況は気候変動や地域紛争の影響を受けやすいため、持続可能な農業の発展や地域間の協力が将来的な課題となります。さらに、オリーブが世界的に健康志向食品としての需要が増える中で、地中海以外の地域がこの市場にどうアクセスし、国際的な消費需要を満たすかも重要な問いといえるでしょう。