世界のオリーブ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表したデータによれば、2007年度のオリーブ生産量ランキングでは、スペインが6,140,251トンと圧倒的な首位を占めています。2位は3,249,800トンのイタリア、3位は2,313,017トンのギリシャと続き、地中海地域の国々が上位を独占しています。一方、中東や北アフリカの国々もランキングに多数登場しており、これらの地域がオリーブ生産の中心的な役割を担っていることが示されています。日本やアジア地域全体では、オリーブ生産は依然として限られた状況にあることが特徴です。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	スペイン	ヨーロッパ	6,140,251
2	イタリア	ヨーロッパ	3,249,800
3	ギリシャ	ヨーロッパ	2,313,017
4	トルコ	アジア	1,075,854
5	チュニジア	アフリカ	998,000
6	モロッコ	アフリカ	659,100
7	エジプト	アフリカ	507,053
8	シリア・アラブ共和国	アジア	495,310
9	ポルトガル	ヨーロッパ	211,230
10	アルジェリア	アフリカ	208,952
11	リビア	アフリカ	180,000
12	アルゼンチン	南アメリカ	176,000
13	ヨルダン	アジア	125,029
14	アメリカ合衆国	北アメリカ	120,200
15	レバノン	アジア	76,200
16	イラン（イスラム共和国）	アジア	62,411
17	オーストラリア	オセアニア	57,123
18	ペルー	南アメリカ	52,444
19	パレスチナ国	アジア	50,573
20	チリ	南アメリカ	36,000
21	クロアチア	ヨーロッパ	34,527
22	イスラエル	アジア	29,500
23	アルバニア	ヨーロッパ	27,600
24	フランス	ヨーロッパ	22,668
25	メキシコ	南アメリカ	15,936
26	北マケドニア	ヨーロッパ	13,800
27	キプロス	アジア	13,705
28	イラク	アジア	9,052
29	エルサルバドル	南アメリカ	7,745
30	ウルグアイ	南アメリカ	3,400
31	中国、台湾 中国省	アジア	2,579
32	アフガニスタン	アジア	1,592
33	スロベニア	ヨーロッパ	1,489
34	アゼルバイジャン	アジア	836
35	モンテネグロ	ヨーロッパ	249
36	ウズベキスタン	アジア	109
37	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	66
38	クウェート	アジア	28
39	マルタ	ヨーロッパ	6
40	ブラジル	南アメリカ	1
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2007年度のオリーブ生産量データを見ると、スペインが圧倒的な第一位を誇っています。6,140,251トンという生産量は、2位のイタリアの約1.9倍にも及び、地中海沿岸地域におけるスペインの影響力を明確に示しています。スペインがこれほどの生産力を持つ背景には、広大な農地と温暖な気候に加え、国の戦略的な生産体制や技術力の向上が挙げられます。また、イタリアとギリシャがそれぞれ2位と3位を占めていることからもわかるように、地中海沿岸地域はオリーブ生産における世界的な中心地であることが確認できます。

さらに、4位のトルコ（1,075,854トン）や5位のチュニジア（998,000トン）といった国々も、近年その生産規模を拡大しています。これらの国は、中東や北アフリカの市場においても重要な地位を占めています。一方で、6位モロッコ（659,100トン）や7位エジプト（507,053トン）など、アフリカ大陸北部の国々が上位にランクインしている点も注目に値します。これらの地域は地中海地域に隣接しており、気候や地理的条件がオリーブの栽培に適していることが主な要因といえるでしょう。

中東地域では、シリア（495,310トン）やヨルダン（125,029トン）、パレスチナ（50,573トン）といった国々がランキングに入っています。このエリアは歴史的にオリーブ栽培と密接に結びついており、地域の文化や経済においても重要な意味を持っています。しかし、この地域の地政学的リスク（紛争や政治的混乱）は今後のオリーブ生産に影響を及ぼす可能性があり、安定的な農業政策の確立が緊急の課題といえるでしょう。

東アジアやアジア太平洋地域では、オリーブ生産はまだ発展途上の段階にあります。例えば、31位に登場する中国（台湾 中国省）の2,579トンという数字は、全体規模から見ると依然として少ないです。しかしながら、中国や日本といったアジア地域では、地産地消の需要増加や新たな栽培技術の導入が期待されており、将来的な成長の可能性が考えられます。特に、健康志向が高まっている現代において、オリーブオイル市場の拡大がこれらの国々にとって新しいビジネス機会をもたらすでしょう。

アメリカ合衆国は14位（120,200トン）にランクインしており、北米地域における最大の生産国です。一方で、フランスは24位（22,668トン）と、ヨーロッパ内では比較的低い順位となっています。これはフランスが他の地中海諸国ほどオリーブ生産を国の主要産業と位置づけていないことに起因していると考えられます。

将来的な課題としては、地球温暖化による気候変動の影響が挙げられます。オリーブは乾燥と温暖な気候が適しているものの、生産地の水資源の枯渇や気温上昇がオリーブ栽培に悪影響をもたらす可能性があります。国際的な協力を通じて農地の適応技術を導入したり、気候変動の影響を軽減する政策を進めることが不可欠です。また、生産量の偏重を緩和するために、新興生産国と伝統的産地が連携を深めることで、より持続可能な供給体制を構築することが求められます。

最後に、消費国と生産国の関係を強化することが、オリーブ産業全体の発展に寄与すると考えられます。これには、輸出入規制の緩和や商取引の透明性を確保するための国際基準の整備が含まれます。上述のような具体的な施策を通じて、オリーブ産業は将来的にも重要な農産業の一つとして成長を続けるでしょう。