世界のオリーブ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

出典： Food and Agriculture Organization「国際連合食糧農業機関」

1984年のデータによると、世界のオリーブ生産量ランキングはスペインが首位で、約3,525,400トンを生産しています。続いてイタリアとギリシャがそれぞれ約1,844,500トンと約1,306,623トンを生産し、地中海地域が圧倒的に高いシェアを占めています。一方、下位ではオーストラリア、中国やアフガニスタンなど、オリーブ生産が限られた国々が見られます。全体的に見て、オリーブの生産は地中海性気候に依存しており、地理的条件が大きな役割を果たしています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	スペイン	ヨーロッパ	3,525,400
2	イタリア	ヨーロッパ	1,844,500
3	ギリシャ	ヨーロッパ	1,306,623
4	トルコ	アジア	800,000
5	チュニジア	アフリカ	475,000
6	ポルトガル	ヨーロッパ	363,342
7	モロッコ	アフリカ	326,700
8	シリア・アラブ共和国	アジア	310,000
9	リビア	アフリカ	121,600
10	アルジェリア	アフリカ	102,031
11	アメリカ合衆国	北アメリカ	82,200
12	アルゼンチン	南アメリカ	81,500
13	レバノン	アジア	50,000
14	ヨルダン	アジア	49,951
15	アルバニア	ヨーロッパ	25,000
16	イスラエル	アジア	17,300
17	フランス	ヨーロッパ	13,570
18	キプロス	アジア	12,000
19	メキシコ	南アメリカ	10,635
20	イラン（イスラム共和国）	アジア	10,302
21	エジプト	アフリカ	8,000
22	チリ	南アメリカ	6,000
23	イラク	アジア	5,000
24	ペルー	南アメリカ	4,231
25	エルサルバドル	南アメリカ	3,300
26	ウルグアイ	南アメリカ	3,000
27	オーストラリア	オセアニア	1,475
28	中国、台湾中国省	アジア	756
29	アフガニスタン	アジア	194
30	ブラジル	南アメリカ	95
31	マルタ	ヨーロッパ	20
32	クウェート	アジア	6
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国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1984年のオリーブ生産量のデータに基づくと、スペイン、イタリア、ギリシャが世界トップ3にランクインし、地中海地域がオリーブ生産において主導的立場を占めていることが示されています。スペインだけで全体の生産量の大部分を占め、単独で約3,525,400トンを生産しています。この数値は、2位のイタリアの約1.9倍に相当し、オリーブ産業におけるスペインの優位性が顕著となっています。また、地中海東部のトルコやチュニジア、モロッコがそれぞれ上位に入っており、これらの国々も重要な生産国として位置づけられます。

このランキングからは地域的な偏りが明らかです。オリーブは乾燥した地中海性気候を好むため、温暖で降水量が限られる気候条件を持つ地中海沿岸地域が生産の中心地となっています。一方で、アメリカやアルゼンチンなどの非地中海諸国でも一定規模の生産が見られ、地中海地域以外にも需要に応じた生産の拡大が進められているとも見ることができます。このことはオリーブ製品、特にオリーブオイルの需要が世界中で広まりつつあることを反映しています。

一方、下位の国々ではオリーブの生産量が非常に限られており、例えば日本に近い中国や台湾では数百トン程度の生産にとどまっています。このような国々は、気候条件や栽培技術、土壌の適性といった要素から大規模な商業生産には至っていないと考えられます。

今後の課題としては、地中海地域における気候変動の影響が懸念されます。乾燥化や気温上昇により、オリーブの生産が特定地域に限られるリスクが増大する可能性があります。そのため、現地における灌漑技術の導入や耐性品種の開発が求められます。また、地中海以外の地域での生産拡大も１つの対策です。例えば、中南米やアフリカ南部ではオリーブが比較的適応しやすい気候があると言われており、こうした地域での栽培技術普及が重要です。

さらに、地政学的な側面でも注目が必要です。特に中東や北アフリカにおける政治的不安定性や紛争の影響で、シリアやリビアといった国々のオリーブ産業が停滞するリスクがあります。これらの地域では、平和的な解決への取り組みに加え、農業インフラの復旧プログラムを国際社会が支援することが重要になるでしょう。

全体として、1984年のオリーブ生産量データは、地中海地域がこの作物の主な供給元であることを示し、その地域的特異性がはっきりと浮かび上がっています。この生産構造を維持しつつも、気候変動や地理的リスクに対応するための戦略が今後必要です。地中海地域以外の生産拡大や国際協力によるリスク分散策が、オリーブ産業の持続可能性を確保する鍵となるでしょう。