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ソマリアの落花生生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データに基づくと、ソマリアの落花生生産量は、1961年の2,250トンから2023年の8,370トンまで緩やかに増加しています。しかし、この間には大きな浮き沈みが見られ、特に1970年代後半から1990年代初頭にかけて著しい減少が起きました。その後、2000年代に入り安定的に回復し、2010年代中頃以降は年間8,000トン以上を維持しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 8,370
0.24% ↑
2022年 8,350
-0.71% ↓
2021年 8,410
0.72% ↑
2020年 8,350
0.73% ↑
2019年 8,289
-3.49% ↓
2018年 8,590
5.13% ↑
2017年 8,170
0.76% ↑
2016年 8,108
-3.87% ↓
2015年 8,435
4.84% ↑
2014年 8,045
2.54% ↑
2013年 7,846
3.56% ↑
2012年 7,576
3.69% ↑
2011年 7,307
3.83% ↑
2010年 7,037
0.47% ↑
2009年 7,004
9.44% ↑
2008年 6,400
16.36% ↑
2007年 5,500
10% ↑
2006年 5,000
-41.18% ↓
2005年 8,500
-10.15% ↓
2004年 9,460
126.32% ↑
2003年 4,180
-0.05% ↓
2002年 4,182
29.07% ↑
2001年 3,240
43.62% ↑
2000年 2,256
-12.52% ↓
1999年 2,579
12.12% ↑
1998年 2,300
-4.17% ↓
1997年 2,400
-5.83% ↓
1996年 2,549
-0.49% ↓
1995年 2,561
-8.53% ↓
1994年 2,800
40% ↑
1993年 2,000
100% ↑
1992年 1,000
-41.18% ↓
1991年 1,700
-10.53% ↓
1990年 1,900
2.7% ↑
1989年 1,850
-36.21% ↓
1988年 2,900
-6.45% ↓
1987年 3,100
24% ↑
1986年 2,500
-50% ↓
1985年 5,000
6.38% ↑
1984年 4,700
56.67% ↑
1983年 3,000
-6.25% ↓
1982年 3,200
-20% ↓
1981年 4,000
33.33% ↑
1980年 3,000
7.14% ↑
1979年 2,800 -
1978年 2,800 -
1977年 2,800
3.7% ↑
1976年 2,700
3.85% ↑
1975年 2,600
-35% ↓
1974年 4,000
-33.33% ↓
1973年 6,000
-30.72% ↓
1972年 8,660
-8.71% ↓
1971年 9,486
5.4% ↑
1970年 9,000
-5.26% ↓
1969年 9,500
11.76% ↑
1968年 8,500
13.33% ↑
1967年 7,500
29.31% ↑
1966年 5,800
38.1% ↑
1965年 4,200
20% ↑
1964年 3,500
76.77% ↑
1963年 1,980
98% ↑
1962年 1,000
-55.56% ↓
1961年 2,250 -

落花生は、世界的に食料や油脂用として需要が高い農産物であり、ソマリアでも主要な農産物の一つです。この国の落花生生産量は、1960年代にゆるやかな増加を見せましたが、1970年をピークに大幅な減少が記録されています。1974年以降の減少は、内戦や政情不安、干ばつなどの要因が絡み合った影響と考えられます。その後、1990年代に至るまで低生産量が続きましたが、2000年代に回復基調に入り、2010年代以降は約8,000トン以上の安定した生産量を確保しています。

特に注目すべき点は、2004年の9,460トンという急増です。この増加はおそらく気候条件の好転や国際協力による支援、または生産技術の改善に起因している可能性があります。ただし、この増加は単発的であり、その後の年では再び通常の水準に戻っています。長期的には、主に地政学的なリスクや気象条件、農業インフラの欠如が生産量の変動に大きな影響を及ぼしているとみられます。

ソマリアにおける落花生生産の課題は、主に以下の3点に絞られます。第一に、国内の安定環境の欠如が持続可能な農業の根本的な障害となっています。過去の内戦や紛争は農業活動を大きく妨げ、農地整備や灌漑など基盤設備の整備が遅れてきました。第二に、干ばつや気候変動の影響が顕著であり、特に乾燥帯気候に位置するソマリアでは年ごとの降雨量に大きく依存する農業形態を採用しています。第三に、農業技術や生産資材の普及率が低く、これが生産量の上昇を抑制しています。

さらに、落花生生産の安定性は食料安全保障に直結する問題で、周辺諸国との競争や輸出の拡大の上でも重要な役割を果たしています。他国との比較では、インドや中国、アメリカなどの主要な生産国と比べて生産規模は小さく、競争力の強化が課題となっています。

安定した生産を実現するための具体的な対策としては、まず、農業用インフラの整備に重点を置く必要があります。灌漑システムの導入や良好な農地の確保は、生産性の向上に直結します。また、農業技術の普及とその教育を行うことで、生産効率の改善が期待されます。さらに、気候変動に対応した耐乾性の高い品種の育成と普及が重要です。これに対し国際的な協力が不可欠であり、国連機関や非政府組織などの支援を引き続き得ることが求められます。

結果として、ソマリアの落花生生産量は過去数十年で大きな波を経験しつつも、全体としては回復基調にあります。しかし、持続可能な成長を遂げるには、社会的安定やインフラ整備、技術普及など多方面にわたる課題を克服する必要があります。国際的な支援とともに、長期的な視野に立った政策を実施することが求められています。また、地域紛争や気候問題などのリスクに備えた柔軟な体制の構築が、生産量をさらに安定的に向上させる鍵となるでしょう。

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