世界遺産：登録基準 (viii) の遺産一覧

登録基準(viii)の意味

登録基準 (viii) の定義
基準 (viii) は、「地球の歴史を物語る代表的な地質・地形、または地球科学的プロセスを示す顕著な例」を対象とします。

評価されるのは、以下のような地球科学的要素です。

• 地球の形成史を読み解くことができる地層や岩石
• 大陸移動、プレートテクトニクスなどの証拠
• 火山活動、地震帯、カルデラなどの地形
• 氷河作用や侵食・堆積がつくり出した景観
• 化石床や進化のプロセスを示す遺跡

これらは、地球がどのように変化してきたかを理解するうえで不可欠な自然の記録です。
基準 (viii) は、自然遺産の中でも特に「地球科学的価値」が重視される基準であり、教育・研究においても重要な役割を果たしています。

登録基準(viii)に該当する世界遺産一覧

アルジェリアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• タッシリ・ナジェール（1982年 / 基準：(i)(iii)(vii)(viii)）

アルゼンチンの世界遺産（基準(viii)：2件）

• ロス・グラシアレス国立公園（1981年 / 基準：(vii)(viii)）
• イスチグアラスト/タランパジャ自然公園群（2000年 / 基準：(viii)）

オーストラリアの世界遺産（基準(viii)：12件）

• グレート・バリア・リーフ（1981年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• ウィランドラ湖群地域（1981年 / 基準：(iii)(viii)）
• タスマニア原生地域（1982年 / 基準：(iii)(iv)(vi)(vii)(viii)(ix)(x)）
• オーストラリアのゴンドワナ雨林（1986年 / 基準：(viii)(ix)(x)）
• ウルル-カタ・ジュタ国立公園（1987年 / 基準：(v)(vi)(vii)(viii)）
• クインズランドの湿潤熱帯地域（1988年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• ハード島とマクドナルド諸島（1997年 / 基準：(viii)(ix)）
• 西オーストラリアのシャーク湾（1991年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• マッコーリー島（1997年 / 基準：(vii)(viii)）
• フレーザー島（1992年 / 基準：(vii)(viii)(ix)）
• オーストラリアの哺乳類化石地域（リヴァーズレー/ナラコーテ）（1994年 / 基準：(viii)(ix)）
• パーヌルル国立公園（2003年 / 基準：(vii)(viii)）

ブルガリアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ピリン国立公園（1983年 / 基準：(vii)(viii)(ix)）

カナダの世界遺産（基準(viii)：8件）

• ナハニ国立公園（1978年 / 基準：(vii)(viii)）
• 恐竜州立自然公園（1979年 / 基準：(vii)(viii)）
• クルアーニー/ランゲル-セント・イライアス/グレーシャー・ベイ/タッチェンシニー-アルセク（1979年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• カナディアン・ロッキー山脈自然公園群（1984年 / 基準：(vii)(viii)）
• グロス・モーン国立公園（1987年 / 基準：(vii)(viii)）
• ミグアシャ国立公園（1999年 / 基準：(viii)）
• ジョギンズ化石断崖（2008年 / 基準：(viii)）
• ミステイクン・ポイント（2016年 / 基準：(viii)）

中国の世界遺産（基準(viii)：4件）

• 雲南三江併流の保護地域群（2003年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• 中国南方カルスト（2007年 / 基準：(vii)(viii)）
• 中国丹霞（2010年 / 基準：(vii)(viii)）
• 澄江の化石産地（2012年 / 基準：(viii)）

コンゴ民主共和国の世界遺産（基準(viii)：1件）

• ヴィルンガ国立公園（1979年 / 基準：(vii)(viii)(x)）

コスタリカの世界遺産（基準(viii)：1件）

• タラマンカ地方-ラ・アミスター保護区群/ラ・アミスター国立公園（1983年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

クロアチアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• プリトヴィッチェ湖群国立公園（1979年 / 基準：(vii)(viii)(ix)）

キューバの世界遺産（基準(viii)：1件）

• グランマ号上陸記念国立公園（1999年 / 基準：(vii)(viii)）

デンマークの世界遺産（基準(viii)：3件）

• イルリサット・アイスフィヨルド（2004年 / 基準：(vii)(viii)）
• ワッデン海（2009年 / 基準：(viii)(ix)(x)）
• スティーブンス・クリント（2014年 / 基準：(viii)）

ドミニカ国の世界遺産（基準(viii)：1件）

• モーン・トロワ・ピトンズ国立公園（1997年 / 基準：(viii)(x)）

エクアドルの世界遺産（基準(viii)：2件）

• ガラパゴス諸島（1978年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• サンガイ国立公園（1983年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

フィンランドの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ハイ・コースト/クヴァルケン群島（2000年 / 基準：(viii)）

フランスの世界遺産（基準(viii)：3件）

• ポルト湾：ピアナのカランケ、ジロラッタ湾、スカンドラ保護区（1983年 / 基準：(vii)(viii)(x)）
• ピレネー山脈-ペルデュ山（1997年 / 基準：(iii)(iv)(v)(vii)(viii)）
• シャインデピュイリマーニュ断層構造運動エリア（2018年 / 基準：(viii)）

ドイツの世界遺産（基準(viii)：2件）

• メッセル・ピットの化石地域（1995年 / 基準：(viii)）
• ワッデン海（2009年 / 基準：(viii)(ix)(x)）

ホンジュラスの世界遺産（基準(viii)：1件）

• リオ・プラタノ生物圏保存地域（1982年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

ハンガリーの世界遺産（基準(viii)：1件）

• アグテレック・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群（1995年 / 基準：(viii)）

アイスランドの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ヴァトナヨークトル国立公園-火と氷のダイナミックな性質（2019年 / 基準：(viii)）

インドネシアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ロレンツ国立公園（1999年 / 基準：(viii)(ix)(x)）

イランの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ルート砂漠（2016年 / 基準：(vii)(viii)）

イタリアの世界遺産（基準(viii)：4件）

• エオリア諸島（2000年 / 基準：(viii)）
• サン・ジョルジオ山（2003年 / 基準：(viii)）
• ドロミーティ（2009年 / 基準：(vii)(viii)）
• エトナ山（2013年 / 基準：(viii)）

ケニアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• トゥルカナ湖国立公園群（1997年 / 基準：(viii)(x)）

韓国の世界遺産（基準(viii)：1件）

• 済州火山島と溶岩洞窟群（2007年 / 基準：(vii)(viii)）

マレーシアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• グヌン・ムル国立公園（2000年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

メキシコの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ピナカテ火山とアルタル大砂漠生物圏保存地域（2013年 / 基準：(vii)(viii)(x)）

モンテネグロの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ドゥルミトル国立公園（1980年 / 基準：(vii)(viii)(x)）

ナミビアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ナミブ砂海（2013年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

オランダの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ワッデン海（2009年 / 基準：(viii)(ix)(x)）

ニュージーランドの世界遺産（基準(viii)：2件）

• トンガリロ国立公園（1990年 / 基準：(vi)(vii)(viii)）
• テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド（1990年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

ノルウェーの世界遺産（基準(viii)：1件）

• リューカンとノトデンの産業遺産群（2005年 / 基準：(vii)(viii)）

パナマの世界遺産（基準(viii)：1件）

• タラマンカ地方-ラ・アミスター保護区群/ラ・アミスター国立公園（1983年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

ペルーの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ワスカラン国立公園（1985年 / 基準：(vii)(viii)）

ロシアの世界遺産（基準(viii)：3件）

• バイカル湖（1996年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• カムチャツカ火山群（1996年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• レナ川の石柱自然公園（2012年 / 基準：(viii)）

セントルシアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ピトンズ・マネジメント・エリア（2004年 / 基準：(vii)(viii)）

セーシェルの世界遺産（基準(viii)：1件）

• メ渓谷自然保護区（1983年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

スロバキアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• アグテレック・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群（1995年 / 基準：(viii)）

ベトナムの世界遺産（基準(viii)：3件）

• ハロン湾（1994年 / 基準：(vii)(viii)）
• フォンニャ-ケバン国立公園（2003年 / 基準：(viii)(ix)(x)）
• チャン・アン複合景観（2014年 / 基準：(v)(vii)(viii)）

スロベニアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• シュコツィアン洞窟群（1986年 / 基準：(vii)(viii)）

南アフリカの世界遺産（基準(viii)：2件）

• フレーデフォート・ドーム（2005年 / 基準：(viii)）
• マコンジュワ山脈（2018年 / 基準：(viii)）

ジンバブエの世界遺産（基準(viii)：1件）

• モシ・オ・トゥニャ/ヴィクトリアの滝（1989年 / 基準：(vii)(viii)）

スペインの世界遺産（基準(viii)：2件）

• ピレネー山脈-ペルデュ山（1997年 / 基準：(iii)(iv)(v)(vii)(viii)）
• テイデ国立公園（2007年 / 基準：(vii)(viii)）

スウェーデンの世界遺産（基準(viii)：2件）

• ラポニアン・エリア（1996年 / 基準：(iii)(v)(vii)(viii)(ix)）
• ハイ・コースト/クヴァルケン群島（2000年 / 基準：(viii)）

スイスの世界遺産（基準(viii)：3件）

• スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュ（2001年 / 基準：(vii)(viii)(ix)）
• サン・ジョルジオ山（2003年 / 基準：(viii)）
• スイスのサルドーナ地殻変動地帯（2008年 / 基準：(viii)）

タジキスタンの世界遺産（基準(viii)：1件）

• タジク国立公園（パミール山脈）（2013年 / 基準：(vii)(viii)）

エジプトの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ワディ・エル-ヒータン（クジラの谷）（2005年 / 基準：(viii)）

イギリスの世界遺産（基準(viii)：2件）

• ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸（1986年 / 基準：(vii)(viii)）
• ドーセット及び東デヴォン海岸（2001年 / 基準：(viii)）

タンザニアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• ンゴロンゴロ保全地域（1979年 / 基準：(iv)(vii)(viii)(ix)(x)）

アメリカの世界遺産（基準(viii)：10件）

• イエローストーン国立公園（1978年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• クルアーニー/ランゲル-セント・イライアス/グレーシャー・ベイ/タッチェンシニー-アルセク（1979年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• グランド・キャニオン国立公園（1979年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• エヴァグレーズ国立公園（1979年 / 基準：(viii)(ix)(x)）
• マンモス・ケーヴ国立公園（1981年 / 基準：(vii)(viii)(x)）
• グレート・スモーキー山脈国立公園（1983年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）
• ヨセミテ国立公園（1984年 / 基準：(vii)(viii)）
• ハワイ火山国立公園（1987年 / 基準：(viii)）
• カールズバッド洞窟群国立公園（1995年 / 基準：(vii)(viii)）
• パパハナウモクアケア（2010年 / 基準：(iii)(vi)(viii)(ix)(x)）

ベネズエラの世界遺産（基準(viii)：1件）

• カナイマ国立公園（1994年 / 基準：(vii)(viii)(ix)(x)）

ザンビアの世界遺産（基準(viii)：1件）

• モシ・オ・トゥニャ/ヴィクトリアの滝（1989年 / 基準：(vii)(viii)）

登録基準(viii)の特徴と傾向

登録基準 (viii) に該当する自然遺産は、自然美よりも「科学的価値」が評価の中心です。

【主な特徴・傾向】

• 地球の形成や進化に関する証拠が明確に残されている
• 火山、氷河、海岸、峡谷など、多様な地形が見られる
• 地質学・地球科学の研究における重要拠点になっている
• 絶滅した生物の化石や進化の痕跡が発見される場所も多い
• 景観が美しい場合もあるが、評価基準はあくまで「科学的意義」

基準 (viii) の遺産は、地球がどのように成り立ち、変化してきたのかを理解するための“自然の教科書”のような存在です。

関連リンク

• 世界遺産トップページ
• 文化遺産一覧
• 自然遺産一覧
• 複合遺産一覧
• 登録基準一覧
• 登録基準 (vii) の世界遺産
• 登録基準 (ix) の世界遺産