ピナカテ火山とアルタル大砂漠生物圏保存地域

南アメリカ / メキシコ / 自然遺産

基本情報

遺跡名称	ピナカテ火山とアルタル大砂漠生物圏保存地域
遺跡名称(英語)	El Pinacate and Gran Desierto de Altar Biosphere Reserve
国名	メキシコ
登録区分	自然遺産
登録基準(登録基準とは)	(vii)(viii)(x)
世界遺産登録年	2013年
資産面積	714566ha

世界遺産「ピナカテ火山とアルタル大砂漠生物圏保存地域」の登録理由や特徴について

エル・ピナカテとグラン・デセルト・デ・アルタ生物圏保護区（El Pinacate and Gran Desierto de Altar Biosphere Reserve）は、メキシコのソノラ州に位置する壮大な自然保護区です。この保護区は、714,566ヘクタールの広大な土地を占めており、二つの異なる地形で構成されています。その一つは、黒と赤の溶岩流で形成された休火山ピナカテシールドで、もう一つは、常に変化する砂丘を持つグラン・アルタ砂漠です。これらの砂丘は最高で200メートルに達し、リニア、スター、ドームの形状を持つ多様な砂丘が広がっています。

この地域には、最大650メートルの高さを誇る荒々しい花崗岩の山塊が点在しており、砂の海から島のように浮かび上がっています。これらの独特な地形は、多様な植生と野生動物の生息地を提供しており、特にエンドミックな淡水魚やソノラン・プロングホーン（Sonoran Pronghorn）などの貴重な種が見られます。このプロングホーンは、北西ソノラ州とアメリカの南西部アリゾナ州にのみ生息しており、その絶滅が危惧されています。

また、この保護区には、火山活動によって形成された10個の巨大でほぼ完全に円形のクレーターも存在します。これらのクレーターは、噴火や陥没の組み合わせによって形成されたと考えられ、サイトの劇的な美しさをさらに引き立てています。科学的な視点からも、この地域の特異な地形や生態系は非常に重要であり、多くの研究者が関心を寄せています。

エル・ピナカテとグラン・デセルト・デ・アルタ生物圏保護区は、UNESCOの生物圏保護区にも指定されており、環境保護の重要性が認識されています。訪れる人々は、この地域の壮大な自然美や、生態系の多様性の重要性を実感することができます。また、観光客にとっては、絶環境を楽しみつつ、自然との共生について考える貴重な機会となるでしょう。

自然の驚異と豊かな生物多様性に満ちたこの地を訪れる際には、その美しさを保護するために、訪問者自身も持続可能な観光を心掛けることが重要です。エル・ピナカテとグラン・デセルト・デ・アルタ生物圏保護区は、地球の自然の偉大さを感じることのできる場所であり、その保護活動は未来の世代にも受け継がれていくべきものです。