基本情報
遺跡名称 | 殷墟 |
遺跡名称(英語) | Yin Xu |
国名 | 中国 |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (ii)(iii)(iv)(vi) |
世界遺産登録年 | 2006年 |
資産面積 | 414ha |
世界遺産「殷墟」の登録理由や特徴について
殷墟(Yin Xu)は、中国河南省の安陽市に位置する考古学的遺跡で、紀元前1300年から紀元前1046年の晩商(Shang)王朝の古代都城の跡です。この遺跡は、中国の文化、工芸、科学の黄金時代を証明するものであり、特に中国青銅器時代の繁栄を象徴しています。
殷墟では、多くの王族の墓や宮殿が発掘されており、後の中国建築の原型ともいえる構造物が見つかっています。中でも、宮殿と祖先の聖域エリアには80以上の家の基礎があり、殷王朝の王族の中で唯一完全な形で残っている墓である婦好(Fu Hao)の墓が発見されています。この墓からは、多数の埋葬品が出土しており、その精巧な工芸品は殷の工芸産業の高度な技術を示しています。
また、殷墟では、亀の甲羅や牛の骨に刻まれた甲骨文字(oracle bones)が発見されており、これは世界最古の文字体系の一つの発展を示す貴重な証拠となっています。これらの文字は、当時の信仰や社会システムを理解するための重要な資料でもあり、古代中国の歴史的、文化的背景を知る上で欠かせない要素です。
殷墟は1988年にユネスコの世界遺産に登録され、現在も活発な考古学的研究が行われています。遺跡の発掘や保護活動を通じて、殷の文化や歴史がより深く理解されることが期待されています。殷墟は単なる遺跡ではなく、古代中国の人々の生活、信仰、技術がどのように発展したのかを物語る貴重な文化遺産です。このような背景から、殷墟は訪れる価値があり、古代文明の神秘に触れることのできる場所といえるでしょう。
歴史的にも、文化的にも非常に重要なこの地は、訪問者に古代中国の息吹を感じさせるとともに、その複雑な社会構造や独自の信仰体系について考える機会を提供してくれます。殷墟を訪れることで、私たちは中国の歴史の深淵な部分に触れることができ、未来の世代たちへとつながる文化の重要性を再認識することができるでしょう。
「殷墟」はどこにある?