土司の遺跡群

アシア / 中国 / 文化遺産

基本情報

遺跡名称	土司の遺跡群
遺跡名称(英語)	Tusi Sites
国名	中国
登録区分	文化遺産
登録基準(登録基準とは)	(ii)(iii)
世界遺産登録年	2015年
資産面積	781.28ha

世界遺産「土司の遺跡群」の登録理由や特徴について

「Tusi Sites」は、中国の南西部の山岳地帯に位置する文化遺産であり、13世紀から20世紀初頭にかけて、中央政府によって任命された部族の領主、「土司」と呼ばれる世襲的な支配者たちの遺構を含んでいます。この土司制度は、紀元前3世紀にさかのぼる少数民族の王朝体制から生じたものであり、中国全土の統一的な行政を実現しながら、少数民族が自らの習慣や生活様式を保持できるようにすることを目的としていました。

「Tusi Sites」は、拉西城（Laosicheng）、唐崖（Tangya）、および海龍屯（Hailongtun）の要塞といった重要な遺跡群を含んでおり、これらは元朝と明朝の中国文明から派生したこの独特の統治形式を示す例として優れた証言を提供しています。特に、拉西城はその壮大な構造と防衛機能を備えた設計により、高い戦略的価値を持っていました。また、唐崖はその独自の文化と建築様式が見られ、多様な民族の生活の中心地として機能していました。海龍屯は、戦略的な位置にあり、地域の防衛における重要な役割を果たした要塞です。

土司制度は、政府から直接的に支配されたわけではなく、彼らは地域の平和を維持し、社会の安定を保ちながら、少数民族の文化や伝統を尊重する役割を果たしました。このため、土司制度は単なる統治の手段ではなく、民族の調和と文化の融合を象徴する重要な要素ともなっています。

「Tusi Sites」は、これらの遺構を通じて、少数民族の歴史や文化を理解するための貴重な資料を提供しており、ユネスコの世界遺産にも登録されています。その存在は、過去における中国の多様性と文化的融合の重要性を示すと同時に、異なる民族間の共生の形態についての理解を深めるものでもあります。

このサイトは、訪れる者に土司制度の歴史と、それが中国南西部の文化に与えた影響を感じ取らせる、貴重な観光地でもあります。自然の美しさと文化の豊かさが融合したこの地域は、歴史的な背景を持つ場所として世界中の人々にとって大切な学びの場となっています。