Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新のデータによれば、ガボンの鶏卵生産量は1961年には150トンと低い水準から始まり、持続的な成長を経て2023年には2,575トンに達しました。特に1970年代から1990年代にかけては急速な増加が見られましたが、2000年代以降は成長の鈍化や減少が一部見られる傾向も出ています。近年においては2020年以降微増が続いており、安定的な成長を維持しています。
ガボンの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 2,575 |
0.7% ↑
|
2022年 | 2,557 |
0.51% ↑
|
2021年 | 2,544 |
0.51% ↑
|
2020年 | 2,531 |
0.51% ↑
|
2019年 | 2,518 |
14.1% ↑
|
2018年 | 2,207 |
-11.72% ↓
|
2017年 | 2,500 |
13.94% ↑
|
2016年 | 2,194 |
-11.15% ↓
|
2015年 | 2,470 |
38.96% ↑
|
2014年 | 1,777 |
-0.87% ↓
|
2013年 | 1,793 |
-28.29% ↓
|
2012年 | 2,500 |
4.17% ↑
|
2011年 | 2,400 |
2.13% ↑
|
2010年 | 2,350 |
2.17% ↑
|
2009年 | 2,300 |
-11.54% ↓
|
2008年 | 2,600 |
-5.45% ↓
|
2007年 | 2,750 | - |
2006年 | 2,750 |
5.77% ↑
|
2005年 | 2,600 | - |
2004年 | 2,600 |
4% ↑
|
2003年 | 2,500 |
-1.96% ↓
|
2002年 | 2,550 |
-1.92% ↓
|
2001年 | 2,600 | - |
2000年 | 2,600 |
1.96% ↑
|
1999年 | 2,550 |
4.08% ↑
|
1998年 | 2,450 |
2.08% ↑
|
1997年 | 2,400 |
4.35% ↑
|
1996年 | 2,300 |
2.22% ↑
|
1995年 | 2,250 |
7.14% ↑
|
1994年 | 2,100 |
2.44% ↑
|
1993年 | 2,050 |
2.5% ↑
|
1992年 | 2,000 |
5.26% ↑
|
1991年 | 1,900 |
5.56% ↑
|
1990年 | 1,800 | - |
1989年 | 1,800 |
2.86% ↑
|
1988年 | 1,750 |
2.94% ↑
|
1987年 | 1,700 |
6.25% ↑
|
1986年 | 1,600 |
16.79% ↑
|
1985年 | 1,370 |
0.74% ↑
|
1984年 | 1,360 |
16.24% ↑
|
1983年 | 1,170 |
6.36% ↑
|
1982年 | 1,100 | - |
1981年 | 1,100 |
4.76% ↑
|
1980年 | 1,050 |
5% ↑
|
1979年 | 1,000 | - |
1978年 | 1,000 |
25% ↑
|
1977年 | 800 |
33.33% ↑
|
1976年 | 600 |
33.33% ↑
|
1975年 | 450 |
25% ↑
|
1974年 | 360 |
33.33% ↑
|
1973年 | 270 |
28.57% ↑
|
1972年 | 210 |
5% ↑
|
1971年 | 200 | - |
1970年 | 200 |
11.11% ↑
|
1969年 | 180 | - |
1968年 | 180 |
9.09% ↑
|
1967年 | 165 |
10% ↑
|
1966年 | 150 | - |
1965年 | 150 | - |
1964年 | 150 | - |
1963年 | 150 | - |
1962年 | 150 | - |
1961年 | 150 | - |
ガボンの鶏卵生産量は、1961年には150トンと非常に限られた水準でしたが、1970年代以降に著しく増加を見せます。この成長は、家畜飼育に対する政府の支援拡大や、新たな農業技術の導入が要因とされています。1970年代中期には360トン、1976年以降は600トン、さらには1978年に1,000トンに到達するという急成長を見せました。この時期の成長率は非常に高く、経済成長や都市化の進行による卵の国内需要拡大も重なり、生産量の伸びを後押ししたと言えます。
1980年代から1990年代にかけては成長は緩やかになりつつも継続しました。1992年には2,000トンを突破し、その後もしばらく安定的な上昇が続きます。しかし、2000年代初頭以降、生産量の伸びは鈍化し、2003年には一時2,500トンに低下する状況が現れました。その後も軽微な上下変動が続き、一時的な減少の要因としては、生産インフラの整備不足や飼料の輸入コスト増加が考えられます。また、この時期はアフリカ大陸内での地政学的な影響も部分的に関与している可能性があります。
2010年代に入り、特に2013年と2014年にはそれまでの安定成長から顕著な生産量の減少が記録され、1,793トン(2013年)、1,777トン(2014年)と最低水準にまで落ち込んでいます。この減少の背景には、疫病関連のリスクや一時的な輸送網の不安定が挙げられます。その後、2015年には2,470トンと回復傾向を見せましたが、このような上下変動は全般的な生産インフラの脆弱さを浮き彫りにしました。特に飼料や生産機材を輸入に依存する構造は、外的なショックを受けやすいという特徴にもつながっています。
2020年代以降は、安定的な増加を取り戻しつつあり、2023年には2,575トンに到達しています。この増加は、国内でのインフラ再整備ならびに、家畜セクターへの政策的な支援強化が要因です。しかしながら、その一方で新型コロナウイルスのパンデミックが生産ネットワークに与えた悪影響や、国際的な物流規制によるコスト負担の高まりなどを考慮すると、依然として課題が残ることは否めません。
ガボンの鶏卵生産は、安定した国内需要や輸出拡大の可能性を持ちながらも、生産インフラの強化、飼料の安定供給、疾病や疫病リスクの管理といった領域でさらなる改善が必要です。また、地域衝突や気候変動といった地政学的リスクへの対応も大きな課題となっています。
今後、ガボンが進むべき方向性として、国内での飼料生産の増強や生産施設の近代化が挙げられます。これにより、輸入依存度を低下させ、国際的な市場変動への耐性を高めることが可能になります。さらに、地域内での協力枠組みを強化し、近隣国との物流網を整備すれば輸送コストの削減にもつながります。ガボンが安定的に生産量を増加し続けるためには、特に中長期的な持続可能性に焦点を当てた政策策定が不可欠です。また国際機関や資金援助機関と協力し、生産技術の向上を目指す取り組みも重要です。