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グルジアのレモン・ライム生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新した最新データによると、グルジアのレモン・ライム生産量は1992年の10,000トンをピークに、1990年代以降激しく減少しました。その後、不安定ではありますが少しずつ回復しつつあり、2023年には3,100トンに達しています。一時期1,000トン台に低迷した時期もありましたが、近年は生産基盤の再建が進みつつあると言えます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 3,100
14.81% ↑
2022年 2,700
28.57% ↑
2021年 2,100
40% ↑
2020年 1,500
-31.82% ↓
2019年 2,200
-8.33% ↓
2018年 2,400
71.43% ↑
2017年 1,400
-53.33% ↓
2016年 3,000 -
2015年 3,000
36.36% ↑
2014年 2,200
15.79% ↑
2013年 1,900
-20.83% ↓
2012年 2,400
100% ↑
2011年 1,200
-42.86% ↓
2010年 2,100
31.25% ↑
2009年 1,600
-5.88% ↓
2008年 1,700
6.25% ↑
2007年 1,600
-15.79% ↓
2006年 1,900
-57.78% ↓
2005年 4,500
221.43% ↑
2004年 1,400
-36.36% ↓
2003年 2,200
83.33% ↑
2002年 1,200
-45.45% ↓
2001年 2,200
46.67% ↑
2000年 1,500
-25% ↓
1999年 2,000
-35.48% ↓
1998年 3,100
55% ↑
1997年 2,000
-33.33% ↓
1996年 3,000
-25% ↓
1995年 4,000
21.21% ↑
1994年 3,300
10% ↑
1993年 3,000
-70% ↓
1992年 10,000 -

グルジアのレモン・ライム生産は、1992年に10,000トンという高い値を記録しましたが、その後急激に減少し、2000年には1,500トンと大幅な低迷を見せています。この減少の主な要因は、1990年代前半にソビエト連邦の崩壊後に直面した経済的混乱と、それに伴う農業基盤や輸送インフラの機能不全にありました。この混乱は、農業資源の利用効率の悪化や市場へのアクセス阻害を引き起こしました。また、地政学的な不安定性も農業生産に影響を与えました。

2000年代以降になると、生産量の回復が見られますが、不安定な傾向が続いています。たとえば、2005年には4,500トンまで上昇したものの、その後再び1,000トン台まで低下しました。その背景には、気候変動による異常気象や農作物の病害虫の発生が考えられます。加えて、地政学的リスクや地域的な衝突が、輸出入の停滞や農業への投資減少という形でマイナスの影響を与えることも大きな要因とみられます。また、近年のCOVID-19パンデミックによる物流の制約も、2020年に再度1,500トンまで生産量が減少した理由の一つと考えられます。

2022年以降は、気候に適応した農業技術の導入や、国際支援による農業インフラの改善が進んだ結果、生産量が徐々に増加しています。2023年には3,100トンを記録し、ここ10年間で見ても比較的高い水準となっています。特にレモン・ライムは、グルジア国内での消費だけでなく、輸出品としても貴重な資源となり得ることから、農業政策における重点項目としての位置づけも重要です。

しかしながら、現状には課題も残されています。まず、生産量の不安定さが消費・輸出の妨げとなっており、持続可能な農業基盤の構築が喫緊の課題です。また、隣国や地域内での競争、市場開拓の遅れといった問題もあります。特にトルコやイランといった農産物の競争力が高い近隣諸国との比較では、グルジアのレモン・ライム製品がどの程度差別化できるかが重要なポイントとなります。

今後の具体的な対策としては、灌漑システムや病害虫対策の強化、気候変動に適応可能なレモン・ライム品種の研究開発が急務です。また、グルジア政府と国際機関が連携し、農業技術研修を行うことや、金融支援を通じた農家の効率的な経営支援も必要です。加えて、国内市場だけでなく周辺諸国や欧州市場への輸出展開を進めるためのマーケティング戦略や物流の整備も重要です。

結論として、グルジアのレモン・ライム生産は、1990年代以降の低迷を経て近年回復基調にありますが、依然として課題が多い状況です。ただし、生産基盤を整え、輸出市場でのポジションを強化することで、持続的な成長を遂げる可能性を秘めています。国際連携や地元コミュニティの協力を通じて、こうした取り組みを推進し、収穫量の安定と農業セクターの全体的な向上を目指すべきです。