基本情報
| 遺跡名称 | ノール=パ・デュ・カレー地方の炭田地帯 |
| 遺跡名称(英語) | Nord-Pas de Calais Mining Basin |
| 国名 | フランス |
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 登録基準(登録基準とは) | (ii)(iv)(vi) |
| 世界遺産登録年 | 2012年 |
| 資産面積 | 3943ha |
世界遺産「ノール=パ・デュ・カレー地方の炭田地帯」の登録理由や特徴について
ノール＝パ・ド・カレー炭鉱盆地（Nord-Pas de Calais Mining Basin）は、18世紀から19世紀にかけての3世紀にわたる炭鉱採掘によって形作られた傑出した風景であり、その面積は120,000ヘクタールを超え、109の異なる構成要素から成り立っています。この地域には、1850年に遡る最古の採鉱ピットやリフトインフラ、さらには高さ140メートルを超え、面積90ヘクタール以上を覆うスラグヒープ（鉱さい山）や、炭鉱輸送インフラ、鉄道駅、労働者の住宅地および鉱山村が含まれています。
ノール＝パ・ド・カレー炭鉱盆地は、19世紀中頃から1960年代にかけての、労働者のためのモデル都市を構築しようとした努力を物語っています。労働者の生活条件、そしてその結果生まれた団結の象徴を示す、この地域は工業化の歴史において重要な役割を果たしました。残された建物やインフラは、単に炭鉱産業の遺物であるだけでなく、この地方の文化や社会の発展にも深く関与してきました。
また、この地域には社会的な居住空間や学校、宗教施設、健康・コミュニティ施設などが存在し、労働者の社会生活や地域社会の支え合いを体現しています。とりわけ、炭鉱会社のオフィスや経営者の住宅、町役場などは、当時の経済的および社会的な構造を映し出しています。
ノール＝パ・ド・カレー炭鉱盆地は、その豊かな歴史と文化的背景から、ユネスコの世界遺産に登録されています。この地域を訪れることで、かつての炭鉱労働者たちの生活や労働環境を体感し、産業革命期の社会の変遷を学ぶことができます。炭鉱とその周辺の発展は、地域住民の共同体意識や労働文化を育み、今なおその名残を感じることができるのです。
ノール＝パ・ド・カレー炭鉱盆地は、歴史的な資産、文化的な価値、そして社会的な影響を持つ重要な地域であり、訪れる人々に深い感銘を与え続けています。工業化の時代における人間の努力とその結実を伝えるこの場所は、未来に向けても多くのメッセージを発信し続けています。
「ノール=パ・デュ・カレー地方の炭田地帯」はどこにある？
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