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ルワンダの落花生生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が公開した2024年7月の更新データによれば、ルワンダの落花生生産量は、1961年の1,838トンから2023年の13,196トンへと増加を見せています。ただし、全体的な長期的な増加傾向の中でも、生産量は特定の期間で大きく変動しています。特に1967年に15,750トン、2018年に22,279トンというピークを迎えた後、2023年にはやや減少しています。こうした波動には、農業政策、気候、社会的要因が複雑に絡み合っています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 13,196
-15.5% ↓
2022年 15,617
-8.55% ↓
2021年 17,076
4.74% ↑
2020年 16,304
-16.65% ↓
2019年 19,561
-12.2% ↓
2018年 22,279
7.61% ↑
2017年 20,703
83.88% ↑
2016年 11,259
1% ↑
2015年 11,148
9.5% ↑
2014年 10,181
-29.37% ↓
2013年 14,414
23.86% ↑
2012年 11,638
-21.13% ↓
2011年 14,756
2.69% ↑
2010年 14,369
-6.41% ↓
2009年 15,353
33.83% ↑
2008年 11,472
15.63% ↑
2007年 9,921
9.99% ↑
2006年 9,020
-10.68% ↓
2005年 10,099
-6.36% ↓
2004年 10,785
4.96% ↑
2003年 10,275
-1.33% ↓
2002年 10,414
8.09% ↑
2001年 9,635
37.02% ↑
2000年 7,032
49.43% ↑
1999年 4,706
-3.61% ↓
1998年 4,882
-3.31% ↓
1997年 5,049
-30.07% ↓
1996年 7,220
-13.01% ↓
1995年 8,300
-48.77% ↓
1994年 16,200
102.5% ↑
1993年 8,000
33.33% ↑
1992年 6,000
-14.29% ↓
1991年 7,000
-15.42% ↓
1990年 8,276
-15.55% ↓
1989年 9,800
-34.67% ↓
1988年 15,000
-10.02% ↓
1987年 16,670
-3.08% ↓
1986年 17,200
-0.89% ↓
1985年 17,355
15.09% ↑
1984年 15,080
-6.91% ↓
1983年 16,200
-13.64% ↓
1982年 18,758
6.64% ↑
1981年 17,590
12.76% ↑
1980年 15,600
-0.69% ↓
1979年 15,708
9.98% ↑
1978年 14,283
-5.13% ↓
1977年 15,055
13.04% ↑
1976年 13,318
-4.59% ↓
1975年 13,958
84.46% ↑
1974年 7,567
-11.08% ↓
1973年 8,510
6.28% ↑
1972年 8,007
4.24% ↑
1971年 7,681
11.82% ↑
1970年 6,869
18.84% ↑
1969年 5,780
-39.79% ↓
1968年 9,600
-39.05% ↓
1967年 15,750
250% ↑
1966年 4,500
-10% ↓
1965年 5,000
1.3% ↑
1964年 4,936
123.55% ↑
1963年 2,208
69.2% ↑
1962年 1,305
-29% ↓
1961年 1,838 -

データが示すルワンダの落花生生産量推移には、長期的な増加傾向と短期的な変動が見られます。特に1967年や1980年代中盤、2008年から2018年にかけては生産量が増加傾向にありましたが、それ以外の年では停滞や減少が観測されています。この背景には、複数の要因が影響を与えていると考えられます。

まず、ルワンダ国内での落花生生産の成長には、国の経済発展や農業技術の向上が寄与しています。ルワンダは主に農業に依存する経済構造を持っており、落花生は国内と地域市場において重要な作物の一つです。この成長を支えた政策として、農業インフラの整備や小規模農家への技術支援が挙げられます。ただし、特定の年における生産量の急減、たとえば1994年や2023年の減少については、社会的・気候的要因の影響を無視できません。特に1994年の大幅減少は、国内紛争や地政学的要因による農業活動の停滞と深い関連があると考えられます。

近年では、気候変動の影響がルワンダの落花生生産に直接的な影響を与えています。この地域は雨季と乾季がはっきりしており、気象条件が作物の生産に直結します。2018年頃までの好調な生産量は、比較的安定した気候条件と改良された農業技術の成果と見られます。2020年代以降にみられる生産量の減少は、異常気象による降水量の不足や、土壌の劣化が一因とされます。特に2023年の生産量は13,196トンにとどまり、ここ数年での減少傾向を裏付けています。

さらに、近隣諸国との経済連携が弱いことも課題です。ルワンダは東アフリカ共同体(EAC)の一員であるものの、輸送インフラや貿易の効率化が十分でなく、地域市場での競争力を向上させることが急務です。たとえば、落花生生産で先行する隣国ウガンダやタンザニアとの経済協力を拡大することで、農業の生産性と輸出可能性を高めることができます。

今後の具体的な対策としては、気候変動に強い落花生新品種の導入や、灌漑インフラの整備が挙げられます。また、農家の収入向上を図るために、国内市場だけでなく国際市場への販路を開拓することも重要です。さらに、貧困削減に資する形で農業支援制度を拡充し、若い世代の農業従事者を育てることも必要です。

落花生は食料安全保障や経済成長の一翼を担う重要な作物であり、ルワンダにとって持続可能な農業の実現が地域全体の安定にもつながります。国際的な支援のもとで、今後も持続可能な農業システムを構築し、気候変動や地域衝突といった課題に積極的に対応していくことが求められています。

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