シラクーザとパンタリカの岩壁墓地遺跡

ヨーロッパ / イタリア / 文化遺産

基本情報

遺跡名称	シラクーザとパンタリカの岩壁墓地遺跡
遺跡名称(英語)	Syracuse and the Rocky Necropolis of Pantalica
国名	イタリア
登録区分	文化遺産
登録基準(登録基準とは)	(ii)(iii)(iv)(vi)
世界遺産登録年	2005年
資産面積	898.46ha

世界遺産「シラクーザとパンタリカの岩壁墓地遺跡」の登録理由や特徴について

「シラクーサとパンタリカの岩の Necropolis」は、イタリアのシチリア島に位置するユネスコの世界遺産であり、その遺構は古代ギリシャやローマの時代にさかのぼります。この遺産は二つの主要な要素から構成されており、一方はパンタリカの Necropolis（ネクロポリス）、もう一方は古代シラクーサです。

パンタリカの Necropolisは、岩をくり抜いた5,000以上の墓が存在しており、主に紀元前13世紀から7世紀にかけてのものです。これらの墓は石切り場の近くに位置しており、当時の人々の葬送習慣を物語っています。また、この地域にはビザンチン時代の遺物も残っており、特にアナクトロン（王宮）の基礎が有名です。これにより、古代の葬送文化がいかに重要であったかを知ることができます。

もう一つの重要な要素である古代シラクーサは、紀元前8世紀にコリントスから移住してきたギリシャ人によって創設されたオルティギアを含む都市の中心部です。シセロによって「最も偉大なギリシャの都市であり、全ての中で最も美しい」と評されたシラクーサには、アテナ神殿（紀元前5世紀、後に大聖堂として利用）、ギリシャ劇場、ローマの円形劇場、要塞など、数多くの遺構が残っています。これらの遺構は、古代から近代にかけてのシチリアの複雑な歴史を物語っています。

シラクーサとその周辺地域は、ビザンチン、ブルボン朝、アラブ・ムスリム、ノルマン人、ホーエンシュタウフェン朝のフリードリヒ2世（1197–1250年）、アラゴン王国、二つのシチリア王国といった多様な文化の影響を受けてきました。これにより、シラクーサは地中海文明の三千年にわたる発展の独自の証言を提供しています。

この世界遺産は、単なる歴史的遺物の集合体を超えて、文化の交差点としてのシチリアの重要性を訴えかけています。訪れる人々は、シラクーサの街並みに息づく古代の栄光を感じることができ、パンタリカの Necropolisでは死者への敬意が表現された美しい墓群に出会うことができます。このように、「シラクーサとパンタリカの岩の Necropolis」は、ただの観光地ではなく、人類の長い歴史と文化の深い理解を促す場所として、大変重要な意味を持っています。そのため、世界中の観光客にとっても訪れる価値のある特別な場所となっています。