ソルターニーエ

アシア / イラン（イスラム共和国） / 文化遺産

基本情報

遺跡名称	ソルターニーエ
遺跡名称(英語)	Soltaniyeh
国名	イラン（イスラム共和国）
登録区分	文化遺産
登録基準(登録基準とは)	(ii)(iii)(iv)
世界遺産登録年	2005年
資産面積	790.14ha

世界遺産「ソルターニーエ」の登録理由や特徴について

ソルタニーヤ（Soltaniyeh）は、イランのザンジャン州に位置し、イルカニード朝の首都として知られています。この街には、1302年から1312年にかけて建設されたオルジャイトゥ（Oljaytu）の霊廟があります。この霊廟は、ペルシャ建築の優れた例として評価されており、イスラム建築の発展においても重要なモニュメントとされています。

オルジャイトゥの霊廟は、八角形の構造を持ち、高さ50メートルのドームが印象的で、鮮やかなターコイズブルーのファイアンスで覆われています。その周囲には8本の華奢なミナレットが立ち並び、全体として非常に美しい景観を作り出しています。この霊廟は、イランにおける二重シェルドームの存在する最も古い例となっており、建築技術の革新を象徴しています。

内部の装飾も非常に優れており、アメリカの建築史家A.U.ポープはこの建物を「タージ・マハルを予見している」と表現しています。この評価は、オルジャイトゥの霊廟が優れた芸術性を持ち、後の文化に多大な影響を与えたことを示しています。

ソルタニーヤの霊廟は、イランのイスラム建築の歴史において重要な位置を占めるだけでなく、ユネスコの世界遺産にも登録されています。建物自身の美しさに加え、周囲の自然環境や歴史的文脈と相まって、訪問者に独特な体験を提供します。

多くの観光客がこの霊廟を訪れる理由は、その建築的な研究だけでなく、イランの深淵な歴史や文化との接点を持てるからです。また、この場所は、イルカニード朝の時代における技術と美的感覚の結晶とも言える存在であり、建物の持つ精神性や芸術性は、見るものに強い印象を与えます。

ソルタニーヤは、歴史と芸術が交わる地点として、イランの観光地の中でも特に注目されており、多くの人々がその神秘的な雰囲気に魅了されています。この地域を訪れることで、立派な建築作品だけでなく、古代ペルシャ文明の豊かさや多様性をも感じることができるでしょう。