基本情報
遺跡名称 | 古都ヤズド |
遺跡名称(英語) | Historic City of Yazd |
国名 | イラン(イスラム共和国) |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (iii)(v) |
世界遺産登録年 | 2017年 |
資産面積 | 195.67ha |
世界遺産「古都ヤズド」の登録理由や特徴について
ヤズドの歴史的都市は、イラン高原の中央部に位置し、イスファハンから南東に約270キロメートル離れた場所にあります。この都市は、香辛料やシルクの交易路に近く、砂漠での生存のために限られた資源を活用してきた歴史的な証人となっています。ヤズドの水供給は、地下水を汲み上げるために開発されたカナートシステムによって行われています。カナートは、砂漠地帯での水資源を効率的に利用するための伝統的な技術であり、ヤズドの人々はこの技術を用いて生活を支えてきました。
ヤズドの建築様式は、伝統的な土造りの構造物が保たれており、近代化の波に飲まれることなく、その独自の文化と歴史を守っています。市内には古い街区が残り、伝統的な家々やバザール(市場)、ハンマーム(公衆浴場)、モスク、ユダヤ教のシナゴーグ、ゾロアスター教の寺院が点在しています。これらの構造物は、ヤズドの文化的および宗教的多様性を反映しており、訪れる人々に豊かな歴史的背景を提供します。
また、ヤズドにはドルトアバード庭園という歴史的な庭園も存在します。この庭園は、ペルシャの園芸技術を体現したもので、美しいデザインと水の流れが特徴的です。庭園に流れる水は、カナートから供給されており、砂漠の中での緑のオアシスとしての役割を果たしています。
ヤズドはその独特な文化と歴史的背景から、1987年にユネスコの世界遺産に登録されました。そのため、ヤズドは訪問者にとって魅力的な観光地であると同時に、持続可能なライフスタイルや伝統的なコミュニティ構造の重要性を学ぶ場でもあります。観光客は、古い町並みを散策し、地元の食文化を味わいながら、イランの豊かな歴史に触れることができます。
このように、ヤズドの歴史的都市は、過去と現在が交錯する場所であり、砂漠の中で生き抜いてきた人々の知恵と工夫を感じることができる特別な地域です。訪れることで、この魅力的な文化遺産に触れ、ヤズドの本質を理解することができるでしょう。
「古都ヤズド」はどこにある?