基本情報
遺跡名称 | バムとその文化的景観 |
遺跡名称(英語) | Bam and its Cultural Landscape |
国名 | イラン(イスラム共和国) |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (ii)(iii)(iv)(v) |
世界遺産登録年 | 2004年 |
世界遺産「バムとその文化的景観」の登録理由や特徴について
バムとその文化的景観は、イラン高原の南端に位置する砂漠地帯に存在し、豊かな歴史を有しています。この地域の起源は、アケメネス朝時代(紀元前6世紀から4世紀)にまで遡ることができ、特に7世紀から11世紀にかけて繁栄したことでも知られています。この時期、バムは重要な交易路の交差点にあり、絹や綿製品の生産が盛んに行われたため、多くの商人や旅行者が集まりました。
バムの生命は、オアシスにおける地下灌漑システム「カナート」に支えられていました。このカナートは、地下水を地表に導くための巧妙な仕組みで、バムにはイランにおける最古の証拠が残されています。これにより、厳しい砂漠環境でも農業が可能となり、地域の持続可能な発展に寄与しました。
バムの中でも特に注目すべきは、「アルグ・エ・バム」と呼ばれる要塞都市です。これは中世の典型的な fortified town の代表例であり、土による伝統的な建築技法「チネ」によって築かれています。アルグ・エ・バムは、その壮大な構造と独特のデザインで知られ、メディエイバル建築の重要な遺産として UNESCO 世界遺産に登録されています。
バムとその文化的景観は、貿易・農業・建築に関する古い技術と知識が結集した場所であり、現在でもその歴史的価値は高く評価されています。この地域を訪れることで、当時の人々の生活や文化、技術を垣間見ることができ、過去の文明の息吹を感じることができます。また、バムの灌漑技術や商業活動は、歴史的側面だけでなく現代の持続可能な開発の観点からも大いに学ぶべきものです。
バムとその文化的景観は、歴史的な遺産としてだけでなく、地域の文化や生態系の維持にとっても大切な役割を果たしています。この地の知識や技術は、多くの文化に影響を与え、今日の私たちにとっても非常に意義深いものといえるでしょう。訪れる人々には、貴重な歴史を直に感じる機会が待っており、バムの魅力は時を超えて色あせることがありません。
「バムとその文化的景観」はどこにある?