レッド･フォートの建造物群

アシア / インド / 文化遺産

基本情報

遺跡名称	レッド･フォートの建造物群
遺跡名称(英語)	Red Fort Complex
国名	インド
登録区分	文化遺産
登録基準(登録基準とは)	(ii)(iii)(vi)
世界遺産登録年	2007年
資産面積	49.1815ha

世界遺産「レッド･フォートの建造物群」の登録理由や特徴について

レッドフォートコンプレックス（Red Fort Complex）は、インドの第5代ムガル皇帝シャー・ジャハーンによって新たに建設された首都シャー・ジャハーナバードの宮殿要塞として知られています。この壮大な要塞は、その大きな赤砂岩の外壁のために名付けられ、1546年にイスラム・シャー・スーリーによって建設された古い要塞サリムガールと隣接しています。これら二つの要塞が一体となった形で、レッドフォートコンプレックスが形成されています。

レッドフォートの私室部分は、一連のパビリオンが水路で結ばれた構成になっており、この水路は「ナフル・イ・ベヒシュト（Nahr-i-Behisht）」と呼ばれ、「楽園の流れ」を意味します。レッドフォートは、シャー・ジャハーンの下でムガル芸術の頂点を示すものとされ、特にその計画とデザインにはイスラム建築の原型が反映されている一方で、各パビリオンはペルシャ、ティムール、ヒンドゥーの伝統が融合した建築的要素を持っています。

この要塞の革新的な設計と建築様式、さらに庭園のデザインは、後のラージャスターン、デリー、アグラなどの建物や庭園に強い影響を与えました。レッドフォートは単なる歴史的建築物ではなく、その全体的なデザインと構成がムガル帝国の文化的アイデンティティを象徴する場となっています。

ユネスコの世界遺産にも登録されているこの複合体は、その美しさや歴史的重要性から、多くの観光客に愛されています。また、レッドフォートはインドの歴史やエンターテイメントにおいても重要な役割を果たし、年に数回行われる音と光のショーなど、多様な文化行事が開催されています。

このように、レッドフォートコンプレックスはその壮大さと美しさだけでなく、歴史的背景、文化的影響、さらには現代における活用の仕方まで、多面的な魅力を持った場所です。そのため、訪れる人々にとっては、過去と現在が交差する特別な体験を提供することができます。歴史に想いを馳せながら、レッドフォートの偉大さを感じてみてはいかがでしょうか。