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ソロモン諸島のココナッツ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が2024年7月に更新した最新データによると、ソロモン諸島のココナッツ生産量は1961年からのデータで大きな変動が見られました。特に1960年代から1980年代にかけては増加傾向が続き、1985年には320,000トンというピークを記録しました。しかし、その後から2000年代中頃まで不安定な推移を見せながら増加し、2008年には432,000トンと最高記録を達成しました。一方で、2010年以降急激に生産量が減少し、近年は120,000トン前後で低迷しています。2023年にはわずかな上昇が見られたものの、依然としてピーク時の生産量とは大きな乖離が存在しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 121,735
0.26% ↑
2022年 121,415
1.18% ↑
2021年 120,000 -
2020年 120,000 -
2019年 120,000 -
2018年 120,000 -
2017年 120,000 -
2016年 120,000 -
2015年 120,000 -
2014年 120,000 -
2013年 120,000 -
2012年 120,000 -
2011年 120,000 -
2010年 120,000
-68.75% ↓
2009年 384,000
-11.11% ↓
2008年 432,000
2.86% ↑
2007年 420,000
9.38% ↑
2006年 384,000
6.67% ↑
2005年 360,000
30.43% ↑
2004年 276,000
43.75% ↑
2003年 192,000
-4% ↓
2002年 200,000
-3.85% ↓
2001年 208,000
-15.45% ↓
2000年 246,000
-8.55% ↓
1999年 269,000
-12.38% ↓
1998年 307,000
3.37% ↑
1997年 297,000
3.13% ↑
1996年 288,000
2.86% ↑
1995年 280,000
28.44% ↑
1994年 218,000
1.87% ↑
1993年 214,000
1.9% ↑
1992年 210,000
3.96% ↑
1991年 202,000
12.22% ↑
1990年 180,000
-10.45% ↓
1989年 201,000
-3.83% ↓
1988年 209,000
0.48% ↑
1987年 208,000
-35% ↓
1986年 320,000 -
1985年 320,000
5.61% ↑
1984年 303,000
31.74% ↑
1983年 230,000
-2.13% ↓
1982年 235,000
-4.08% ↓
1981年 245,000
13.95% ↑
1980年 215,000
-4.44% ↓
1979年 225,000
21.62% ↑
1978年 185,000
2.78% ↑
1977年 180,000
-1.64% ↓
1976年 183,000 -
1975年 183,000
1.67% ↑
1974年 180,000
1.12% ↑
1973年 178,000
1.14% ↑
1972年 176,000
-4.35% ↓
1971年 184,000
1.66% ↑
1970年 181,000
15.29% ↑
1969年 157,000
20.77% ↑
1968年 130,000
-13.33% ↓
1967年 150,000
1.35% ↑
1966年 148,000
-5.13% ↓
1965年 156,000
-2.5% ↓
1964年 160,000
3.23% ↑
1963年 155,000
3.33% ↑
1962年 150,000 -
1961年 150,000 -

ソロモン諸島におけるココナッツ生産は、同国の農業と経済にとって極めて重要な位置を占めています。ココナッツは輸出収入の一部を担い、また国内における食品や非食品加工製品にも広く利用されています。1961年に150,000トンを記録し、その後1980年代にかけて生産量の増加が見られたことは、同国における農業技術の進展や生産拡大の努力が実を結んだ成果といえます。特に1985年、320,000トンにまで達したことは注目すべき事象であり、同国の農業が輸出志向を見据えて成長を遂げていたことがうかがえます。

2000年代に入ると、グローバル市場の需要の影響や国内生産体制の課題により生産量の変動がみられましたが、2008年には432,000トンという歴史的な記録を樹立しています。この数値は、ソロモン諸島にとってココナッツ生産が主要産業の一つであることを如実に示しています。ところが、2010年以降は、自然災害や気候変動、政治的要因など複合的な要因により生産量が急激に減少しました。この減少の要因としては、気候変動による異常気象や台風の影響、伝統的な農業手法の改良不足による生産性の低下、さらには地域紛争といった地政学的リスクが挙げられます。

近年では、2010年以降120,000トンにまで減少した生産量が横ばい状態で推移しています。この停滞期が長期化していることは、農業の持続可能性や経済的安定性にとって重大な課題です。2022年から2023年にかけて121,415トン、121,735トンとわずかに増加を見せたものの、この改善が長期的な回復基調の兆しとなるかどうかは不明です。

このような状況を改善するための具体的な対策として、いくつかの施策が考えられます。まずは、気候変動が生産に与える影響を最小限に抑えるための取り組みを強化することが必要です。例えば、耐気候性に優れたココナッツの品種改良を進めることや、灌漑システムなどのインフラを整備することで、生産の安定性を確保できます。また、地域農家への技術支援や教育プログラムを充実させることで、農業手法の効率化を図ることが求められます。さらに、地域間協力を強化し、輸出市場へのアクセスを改善する枠組みを築くことも重要です。たとえば、近隣諸国のオーストラリアやニュージーランドとの連携を深めることが考えられます。

また、コロナ禍による物流遅延や供給網の混乱もこの状況を悪化させた要因の一つと考えられます。これを克服するため、オンラインプラットフォームを活用して輸出品の販路を拡大することや、国際金融機関からの支援を受けたマンパワーの強化も提案されます。

まとめると、ソロモン諸島のココナッツ生産の推移は、同国経済や地域社会の変動を映し出す鏡ともいえるでしょう。今後は長期的な視点で持続可能な農業基盤を築き、外的要因への耐性を強化することが重要です。国際機関や地域の協力を活用しながら、この課題に取り組むことで、ソロモン諸島の農業経済は再び成長の軌道に乗り、生産の回復を見込める可能性があります。

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