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ソロモン諸島の鶏卵生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、ソロモン諸島の鶏卵生産量は1961年の186トンから2023年の587トンへと増加しています。ただし、一貫した増加ではなく、1970年代から1980年代中盤にかけて横ばいが見られたほか、1990年代後半から2000年代には大幅な増加が記録されています。2010年代中盤以降、一時的な減少の後、緩やかな回復が見られていますが、2020年代に入ってから生産量の伸びが鈍化しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 587
-0.17% ↓
2022年 588
0.34% ↑
2021年 586
0.34% ↑
2020年 584
0.23% ↑
2019年 583
0.64% ↑
2018年 579
-16.09% ↓
2017年 690
20.54% ↑
2016年 572
0.21% ↑
2015年 571
-16% ↓
2014年 680
0.23% ↑
2013年 678
0.54% ↑
2012年 675
-4.75% ↓
2011年 708
0.09% ↑
2010年 708
2.98% ↑
2009年 687
6.24% ↑
2008年 647
3.28% ↑
2007年 626
16.85% ↑
2006年 536
0.19% ↑
2005年 535
0.19% ↑
2004年 534
2.17% ↑
2003年 523
-0.17% ↓
2002年 524
4.95% ↑
2001年 499
3.45% ↑
2000年 482
1.8% ↑
1999年 474
-1.26% ↓
1998年 480
8.94% ↑
1997年 440
10.32% ↑
1996年 399
5.52% ↑
1995年 378
5.85% ↑
1994年 357
0.09% ↑
1993年 357
6.24% ↑
1992年 336
0.09% ↑
1991年 336
-20.9% ↓
1990年 425
45.38% ↑
1989年 292
1.39% ↑
1988年 288
2.86% ↑
1987年 280 -
1986年 280
-2.78% ↓
1985年 288
2.86% ↑
1984年 280 -
1983年 280
-4.11% ↓
1982年 292
0.69% ↑
1981年 290
2.84% ↑
1980年 282
0.71% ↑
1979年 280
0.57% ↑
1978年 278
1.75% ↑
1977年 274
1.79% ↑
1976年 269
1.82% ↑
1975年 264
2.64% ↑
1974年 257
2.23% ↑
1973年 252
3.03% ↑
1972年 244
3.12% ↑
1971年 237
2.56% ↑
1970年 231
2.63% ↑
1969年 225
2.7% ↑
1968年 219
2.78% ↑
1967年 213
2.86% ↑
1966年 207
2.19% ↑
1965年 203
2.24% ↑
1964年 198
2.29% ↑
1963年 194
2.34% ↑
1962年 189
1.59% ↑
1961年 186 -

ソロモン諸島の鶏卵生産量の推移を見ると、初期の1960年代から1980年代前半までは緩やかな増加傾向が続いていましたが、1983年以降、一定期間にわたり生産量が横ばいになる状況が見られます。その後の1990年には一時的に425トンに急増しますが、翌年には再び減少し、336トンに戻っています。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、生産量は継続的に増加し、急速な上昇傾向を示しました。この期間の最も顕著な特徴は、1997年の440トンや1998年の480トンに象徴されるように持続的な成長であり、この背景には輸送インフラの改善や家禽生産を支える施策が進んだことが考えられます。さらに、2000年代後半の2007年頃から急激な伸びが始まり、2010年には708トンに達しています。

しかし、2012年の675トン以降、生産量は一旦落ち込み、2013年から2015年まで大きな減少傾向が続きました。この低迷期には571トンと、2010年代における最小値を記録しています。これには、国内の政治的不安定、自然災害、また可能性として家禽飼育に関連する疫病や輸入飼料の調達コストの上昇が影響したと推測されます。同時期に、世界的な食料価格の高騰や、コロナウイルス流行後の混乱が生産の回復を難しくしたとも考えられます。

2020年代に入ると、生産量は緩やかに回復する傾向が見られましたが、2023年の587トンという値は2010年のピークにはまだ達していません。このことは、近年の経済的課題やインフラの維持、気候変動の影響など、地政学的要因との関連性を伺わせます。

ソロモン諸島の鶏卵生産量推移を通して浮き彫りになる課題には、まず自然災害や疫病によるリスク軽減が挙げられます。そして、小規模農家における生産基盤の強化の必要性も顕著です。他国と比較すると、例えば日本やアメリカのような大規模な産業化は見られませんが、インドネシアやフィリピンといったアジア諸国の一部と類似した限定的な家禽生産モデルが取られています。このことから、持続可能な技術導入や地域間の協力がソロモン諸島における生産拡大の鍵となるでしょう。

日本や中国などの主要輸出入国が輸送インフラや家禽用飼料市場の改善に協力することで、この島国の自給率を引き上げる可能性もあります。中期的な予測としては、指定された資金援助や農業支援政策が効果を上げれば、再び700トン前後の年間生産量に到達することも考えられます。また、気候変動の緩和の取り組みや、気候に適応した新しい飼育技術の導入も重要です。

結論として、鶏卵生産量の大きな増加はソロモン諸島の食糧安全保障の向上につながる一方、地政学的リスクや災害の影響の軽減、多国間での協力体制の強化が欠かせません。特に持続可能な資源管理に焦点を当てた政策が、より安定した未来を築くための重要な基盤となります。FAOや周辺諸国との連携を深め、ソロモン諸島の農業部門にさらなる発展をもたらすことが期待されます。