Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、1961年から2023年までのコンゴの落花生生産量は、初期の増減を経て現在は約26,573トンとなっています。ピーク時の1994年には29,646トンを記録しましたが、その後の数十年間は減少と横ばいの期間が続き、2020年代に入ってから安定した状態が続いています。このデータは、コンゴの農業生産の変遷を追う上で重要な指標と言えます。
コンゴの落花生生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 26,573 |
-0.38% ↓
|
2022年 | 26,676 |
-0.08% ↓
|
2021年 | 26,697 |
-0.07% ↓
|
2020年 | 26,714 |
0.37% ↑
|
2019年 | 26,617 |
-0.53% ↓
|
2018年 | 26,758 |
-0.03% ↓
|
2017年 | 26,768 |
1.68% ↑
|
2016年 | 26,326 |
3.21% ↑
|
2015年 | 25,508 |
-4.07% ↓
|
2014年 | 26,591 |
-1.07% ↓
|
2013年 | 26,879 |
0.67% ↑
|
2012年 | 26,699 |
-7.92% ↓
|
2011年 | 28,995 |
-0.36% ↓
|
2010年 | 29,100 | - |
2009年 | 29,100 |
3.19% ↑
|
2008年 | 28,200 |
17.99% ↑
|
2007年 | 23,900 |
2.14% ↑
|
2006年 | 23,400 |
2.18% ↑
|
2005年 | 22,900 |
-0.43% ↓
|
2004年 | 23,000 |
-2.95% ↓
|
2003年 | 23,700 |
0.21% ↑
|
2002年 | 23,650 |
1% ↑
|
2001年 | 23,416 |
1% ↑
|
2000年 | 23,184 |
1% ↑
|
1999年 | 22,954 |
17.56% ↑
|
1998年 | 19,525 |
-13.23% ↓
|
1997年 | 22,502 |
-0.07% ↓
|
1996年 | 22,518 |
-15.45% ↓
|
1995年 | 26,632 |
-10.17% ↓
|
1994年 | 29,646 |
3.47% ↑
|
1993年 | 28,653 |
3.46% ↑
|
1992年 | 27,696 |
3.47% ↑
|
1991年 | 26,767 |
3.48% ↑
|
1990年 | 25,868 |
1.51% ↑
|
1989年 | 25,482 |
3.48% ↑
|
1988年 | 24,626 |
3.47% ↑
|
1987年 | 23,800 |
4.9% ↑
|
1986年 | 22,688 |
-1.73% ↓
|
1985年 | 23,088 |
3.41% ↑
|
1984年 | 22,327 |
3.48% ↑
|
1983年 | 21,577 |
10.88% ↑
|
1982年 | 19,460 |
35.1% ↑
|
1981年 | 14,404 |
3.9% ↑
|
1980年 | 13,863 |
-7.58% ↓
|
1979年 | 15,000 | - |
1978年 | 15,000 |
-16.67% ↓
|
1977年 | 18,000 |
2.86% ↑
|
1976年 | 17,500 |
3.55% ↑
|
1975年 | 16,900 |
-12.11% ↓
|
1974年 | 19,229 |
1.21% ↑
|
1973年 | 19,000 |
5.56% ↑
|
1972年 | 18,000 |
-7.93% ↓
|
1971年 | 19,550 |
32.09% ↑
|
1970年 | 14,800 |
-10.84% ↓
|
1969年 | 16,600 |
2.47% ↑
|
1968年 | 16,200 |
-1.82% ↓
|
1967年 | 16,500 |
2.48% ↑
|
1966年 | 16,100 |
-10.56% ↓
|
1965年 | 18,000 | - |
1964年 | 18,000 |
-0.83% ↓
|
1963年 | 18,150 |
-27.4% ↓
|
1962年 | 25,000 |
0.36% ↑
|
1961年 | 24,910 | - |
落花生は栄養価が高く、食料や油脂、飼料の原料として広く利用されています。コンゴでも古くから栽培が行われていますが、1961年以降の生産量データを振り返ると大きな変動が見られます。
1960年代から1970年代にかけて、コンゴの落花生生産量はおよそ16,000トンから25,000トンの範囲で推移していましたが、1970年代後半から1980年代初頭にかけての数値は低迷傾向を示しています。その後は1980年代中盤から上昇に転じ、1994年に29,646トンで最高潮に達しました。しかし、それ以降の1995年から2000年代にかけては、約22,000トンから23,000トン台と減少傾向を脱することができず、その後も横ばいの時期が続きました。
一方で2008年から2011年にかけては一時的に28,000トン超えを達成しており、この時期の農業政策や気候条件などが寄与した可能性があります。しかし、その後再び減少基調に戻り、2020年代に入ってからは26,700トン前後を維持し、横ばいの状態となっています。
これらの変動にはいくつかの背景が影響を与えていると考えられます。まず、地政学的な不安定さが挙げられます。コンゴは長らく紛争や政治的混乱に見舞われ、農業インフラの発展が遅れたことが生産の足かせとなりました。また、気候変動の影響も無視できません。落花生は比較的干ばつに強い作物ではありますが、異常気象や環境の変化は収量に直接的な影響を及ぼします。
さらに、市場や輸出需要の変化も重要な要素です。落花生の国際価格の変動や、他国の大規模生産国(例えばインドや中国、アメリカなど)との競争が、コンゴ国内での栽培のモチベーションに影響を及ぼしている可能性があります。これらの国々に比べ、コンゴでは技術的な効率改善(たとえば、高収量の品種導入や灌漑インフラの整備)に遅れが見られているのも課題です。
将来的には、持続可能な農業の枠組みを導入することが求められます。具体的には、高収量品種の研究・導入や、気候の変化に対応した灌漑技術の普及が効果的です。また、地域間協力を進め、市場アクセスを拡大するための輸出支援体制の整備も重要となります。国際連合や地域連合が主導する技術援助プログラムの利用が促進されれば、生産量の安定化と経済的な効果が期待されます。
結論として、コンゴの落花生生産は、過去数十年の間に様々な要因の影響を受けながらも安定化の兆しを見せています。しかしながら、より効率的かつ持続可能な農業システムを確立し、気候変動や地域的な不安定性に対応していくことが必要です。それにより、国内の食料安全保障を高めるとともに、地域経済の発展にも寄与するでしょう。