オオカバマダラ生物圏保存地域

南アメリカ / メキシコ / 自然遺産

基本情報

遺跡名称	オオカバマダラ生物圏保存地域
遺跡名称(英語)	Monarch Butterfly Biosphere Reserve
国名	メキシコ
登録区分	自然遺産
登録基準(登録基準とは)	(vii)
世界遺産登録年	2008年
資産面積	13551.552ha

世界遺産「オオカバマダラ生物圏保存地域」の登録理由や特徴について

モナーク蝶生物圏保護区（Monarch Butterfly Biosphere Reserve）は、メキシコの首都メキシコシティから約100キロメートル northwest に位置し、険しい山々に囲まれた広大な面積（56,259ヘクタール）の自然保護区です。この保護区は、毎年秋になると北アメリカの広い地域から数百万、時には10億匹ものモナーク蝶が帰ってくる特別な場所です。これらの蝶は、保護区内の森林の限られたエリアに群れをなして集まり、その姿は木々をオレンジ色に染め上げ、蝶たちの重みによって枝が垂れ下がる光景が見られます。

モナーク蝶は、この保護区で冬を越し、春になると再び移動を始めます。この移動は約8か月かけて行われ、東カナダまで辿り着きます。この過程で、4世代が誕生し、成長し、繁殖し、また消えていくという生命のサイクルが繰り返されます。興味深いのは、モナーク蝶がどのようにしてその冬の生息地に戻ってくるのかということです。この謎にはまだ解明されていない点が多く、科学者たちの研究が続けられています。

モナーク蝶生物圏保護区は、その貴重な生態系や昆虫の多様性が評価され、ユネスコの世界遺産に登録されています。また、このエリアは、モナーク蝶の生息地としてだけでなく、他の動植物との共生関係を保ちながら重要な生物多様性を維持するための重要な役割を担っています。そのため、訪問者は、蝶のふるさとであるこの保護区の美しさと、その重要性を理解することができます。

観光客が訪れる際には、この地域の生態系を尊重し、モナーク蝶の繁殖に対する影響を最小限に抑えることが求められます。保護区内での観察や教育プログラムは、訪問者にとっても貴重な経験となり、モナーク蝶の保護活動の重要性を多くの人に伝える機会となっています。自然との共生を大切にしながら、モナーク蝶生物圏保護区は、未来の世代にもその美しい光景を残すために、引き続き保存活動が行われています。この保護区は、蝶の神秘的な旅を通じて、人間と自然とのかかわりについて考えるきっかけを提供してくれるでしょう。