基本情報
遺跡名称 | マサガン(アル・ジャジーダ)のポルトガル都市 |
遺跡名称(英語) | Portuguese City of Mazagan (El Jadida) |
国名 | モロッコ |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (ii)(iv) |
世界遺産登録年 | 2004年 |
資産面積 | 7.5ha |
世界遺産「マサガン(アル・ジャジーダ)のポルトガル都市」の登録理由や特徴について
マザガンのポルトガル都市(エル・ジャディダ)は、モロッコのカサブランカから南西に約90キロの位置にある歴史的な都市です。この地域は16世紀初頭に、ポルトガルの植民地として建設されました。当初、アトランティック海岸沿いに築かれた要塞的なコロニーであり、その目的は貿易と防衛でした。1769年にはモロッコに接収され、以降はモロッコの都市として発展を遂げました。
マザガンの特徴的な防御施設は、ルネサンス時代の軍事設計の初期の例を示しています。残されたポルトガル時代の建物には、貯水池や、マヌエル様式のゴシック建築で建てられた「昇天教会」が含まれています。これらの建築物は、ポルトガルの建築技術だけでなく、モロッコの文化が融合した結果生まれたものです。
ポルトガル都市マザガンは、西アフリカにおけるポルトガル探検家たちの初期の定住地の一つであり、インドへの航路に位置していました。そのため、商業活動や文化の交流が活発に行われ、多様な影響が見られます。建築様式や技術、都市計画において、ヨーロッパとモロッコ文化の相互作用が顕著に表れています。
1987年にはユネスコの世界遺産リストに登録され、歴史的・文化的価値が評価されています。マザガンの遺産は、当時の交易の重要性や、異文化交流の重要な場としての役割を今に伝えています。エル・ジャディダを訪れることで、訪問者はこの地域の豊かな歴史と文化に触れることができるでしょう。また、城壁の美しい景観や、海に面した建物群は、観光名所としても人気があります。
現在のエル・ジャディダは、観光地としても知られており、海外からの観光客が多く訪れています。古い街並みや文化的なイベントが展開され、そこには歴史を感じると同時に、現在のモロッコの生活も垣間見ることができます。マザガンのポルトガル都市は、歴史、文化、そして異文化交流の重要な象徴として、今なお私たちに多くのことを語りかけています。
「マサガン(アル・ジャジーダ)のポルトガル都市」はどこにある?