チャタルホユックの新石器時代遺跡

アジア / トルコ / 文化遺産

基本情報

遺跡名称	チャタルホユックの新石器時代遺跡
遺跡名称(英語)	Neolithic Site of Çatalhöyük
国名	トルコ
登録区分	文化遺産
登録基準(登録基準とは)	(iii)(iv)
世界遺産登録年	2012年
資産面積	37ha

世界遺産「チャタルホユックの新石器時代遺跡」の登録理由や特徴について

チャタルヒョユク（Çatalhöyük）は、トルコ南部のアナトリア高原に位置する先史時代の遺跡であり、世界遺産にも登録されています。この遺跡は、約37ヘクタールの広さを持ち、特に2つの丘から成り立っています。高い東の丘には、紀元前7400年から紀元前6200年にかけての18層の新石器時代の人類の居住跡が残っています。ここでは、壁画や浮彫、彫刻といったさまざまな象徴的かつ芸術的な特徴が見られ、これらは人々が定住生活に適応していく中での社会的組織や文化的慣習の進化を証明しています。

西の丘では、銅石器時代（紀元前6200年から紀元前5200年）の文化的慣習の変遷が見られ、この遺跡全体が2,000年以上にわたって同じ場所に維持された集落から都市への移行に関する重要な証拠を提供しています。特に、チャタルヒョユクの独特な特徴として、家々が背中合わせにクラスタリングされ、屋根からのアクセスが可能な「街のない集落」が挙げられます。これは、当時の人々の生活様式や社会構造を理解する上で非常に重要な要素です。

この遺跡の発掘は20世紀の半ばから始まり、その結果、新しい石器時代の生活様式や宗教的慣習に関する多くの知見が得られました。また、発見された遺物は、当時の人々がどのように自然と共存していたか、またどのようにして社会的な問題を解決していたのかを示唆しています。

チャタルヒョユクは、農業の始まりとともに数ある定住地が形成される過程を示す重要な場所として、考古学者や歴史家にとっての研究対象となっています。特に、家族やコミュニティ単位での生活がどのように営まれていたのか、またその中で創造された文化や信仰体系の構築が、現代における人間社会の発展にどのように影響を与えたのかなど、さまざまな観点からの研究が行われています。

このように、チャタルヒョユクは人類の文化的な遺産を代表する重要な遺跡であり、その独自の社会構造や文化の進化は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。そのため、訪れる価値のある歴史的・文化的なスポットとして、多くの観光客や研究者が集まっています。