Skip to main content

ポトシ市街

南アメリカ / ボリビア (多民族国家) / 文化遺産

基本情報

遺跡名称 ポトシ市街
遺跡名称(英語) City of Potosí
国名 ボリビア (多民族国家)
登録区分 文化遺産  危機遺産
登録基準(登録基準とは) (ii)(iv)(vi)
世界遺産登録年 1987年

世界遺産「ポトシ市街」の登録理由や特徴について

「ポトシの町(City of Potosí)」は、ボリビア南部に位置し、かつては16世紀に世界最大の産業複合体と見なされていました。この地域は、豊富な銀鉱石の埋蔵量で知られ、銀の採掘が重要な産業でした。ポトシの中心には、シルバーの採掘に必要な水を供給するための複雑な水路と人工湖が存在し、これにより水力ミルが稼働していました。これらの施設は、当時の技術革新を示す重要な遺産として、高い歴史的価値を持っています。

ポトシの歴史的な地区は、さまざまな工業遺構で構成されており、特にセロ・リコ(Cerro Rico)は、その象徴的な存在です。セロ・リコの周辺には、時代を超えた建築物が立ち並び、特に「貨幣館(Casa de la Moneda)」や「サン・ロレンソ教会(Iglesia de San Lorenzo)」が有名です。これらの建築物は、植民地時代の豊かな文化と経済の基盤となった銀鉱業の歴史を物語っており、訪れる人々にその壮大さを伝えています。

また、ポトシには「パトリシアンハウス(patrician houses)」と呼ばれる裕福な市民の家屋も存在し、当時の社会構造や生活様式を垣間見ることができます。これらの家屋は、スペイン植民地時代の建築様式を反映しており、美しいバロック様式の装飾が施されています。さらに、作業者たちが住んでいた「ミタイヨス地区(barrios mitayos)」も重要な区域であり、彼らの生活状況や労働環境を理解する手助けとなります。

ポトシの町は、銀鉱採掘による富がもたらした栄光とともに、労働者たちの苦しい歴史をも秘めています。ここでの労働は非常に過酷であり、多くの労働者が命を落としました。こうした歴史は、ポトシの文化的遺産に深い影響を及ぼしており、今日でもその影響は色濃く残っています。

このように「ポトシの町」は、単なる観光地にとどまらず、人類の歴史とともに歩んできた重要な資産であり、ユネスコの世界遺産にも登録されています。訪問者は、ここでの歴史と文化を感じ取り、過去の栄光と同時に、そこに隠された人々の苦労を知ることができるでしょう。この地を訪れることは、歴史への新たな理解を得る貴重な機会となります。

「ポトシ市街」はどこにある?