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ナン・マドール:東ミクロネシアの儀式の中心地

オセアニア / ミクロネシア連邦 / 文化遺産

基本情報

遺跡名称 ナン・マドール:東ミクロネシアの儀式の中心地
遺跡名称(英語) Nan Madol: Ceremonial Centre of Eastern Micronesia
国名 ミクロネシア連邦
登録区分 文化遺産  危機遺産
登録基準(登録基準とは) (i)(iii)(iv)(vi)
世界遺産登録年 2016年
資産面積 76.7ha

世界遺産「ナン・マドール:東ミクロネシアの儀式の中心地」の登録理由や特徴について

ナンマドル(Nan Madol)は、ポンペイ島の南東沿岸に位置する100以上の小島からなる遺跡群で、バサルトやサンゴの岩を用いた壁で構築されています。これらの小島には、1200年から1500年の間に建設された石の宮殿、寺院、墓、居住地の遺構が存在しており、サウデルール王朝の儀式の中心地として重要な役割を果たしていました。この王朝の時代は、太平洋諸島文化における活気ある時代を象徴しています。ナンマドルの建築物は、その巨大なスケール、技術的な洗練、そして巨石構造が集中している点から、当時の島の社会における複雑な社会的および宗教的慣習を物語っています。

ナンマドルは、その独特な構造と歴史的価値から、ユネスコの世界遺産リストに登録されています。しかし、近年は環境的な脅威にさらされています。特に、河川の沈下による泥の蓄積が問題となっており、これがマングローブの無秩序な成長を助長し、既存の建造物に対しても影響を及ぼしています。このため、ナンマドルは「危機にさらされている世界遺産」にも登録されています。

ナンマドルの建設に使用された技術は、それまでの建築様式とは一線を画すもので、特に石を積み上げて作る方法には驚くべき複雑さがあります。島の住民たちは、資源の限られた環境の中で、高度な建築技術を駆使し、何世代にもわたってこの素晴らしい文化的遺産を築き上げました。さらに、ナンマドルは、社交や宗教的儀礼が行われる場であったため、単なる居住地ではなく、信仰やコミュニティの中心としての重要性も持っています。

ナンマドルは観光名所としても知られており、その幻想的な風景と歴史の重みを体験するために、多くの観光客が訪れます。訪れる人々は、壮大な遺跡に圧倒されるだけでなく、ポンペイ文化の深みを理解することでしょう。歴史の教訓や自然の美しさが交差するこの場所は、次世代に向けて保護されるべき貴重な遺産であり、私たちの文化的なアイデンティティを形成するうえでも重要な地点です。ナンマドルは、そこに息づく古代の物語を語り継ぐために、保存と保護が欠かせない場所です。

「ナン・マドール:東ミクロネシアの儀式の中心地」はどこにある?

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