基本情報
遺跡名称 | トンブクトゥ |
遺跡名称(英語) | Timbuktu |
国名 | マリ |
登録区分 | 文化遺産 危機遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (ii)(iv)(v) |
世界遺産登録年 | 1988年 |
世界遺産「トンブクトゥ」の登録理由や特徴について
ティンブクトゥ(Timbuktu)は、マリ共和国に位置する歴史的な都市であり、中世におけるイスラム文化の中心地として知られています。特に15世紀から16世紀にかけて、この地域は学問や精神性の重要な中心地として栄えました。ティンブクトゥには、名高いコーラン学校であるサンコレ大学(Sankore University)や多数のマドラサ(イスラム教の学校)が存在し、ここではイスラム教に関する学問が広く行われていました。この時期、ティンブクトゥはアフリカ全土におけるイスラムの広まりに寄与し、多くの学者や旅行者がこの地を訪れました。
ティンブクトゥの象徴とも言えるのが、ドジャンガレイベル(Djingareyber)、サンコレ(Sankore)、シディヤヒア(Sidi Yahia)という三つの偉大なモスクです。これらのモスクは、ティンブクトゥの黄金時代を今に伝える重要な建築物であり、美しい泥で作られた外観が特徴的です。特にドジャンガレイベルモスクは、ティンブクトゥの顔とも言える存在で、当地の学問の象徴として多くの人々に崇敬されています。
しかし、現在これらの貴重な文化遺産は、砂漠化やその他の環境問題によって脅威にさらされています。ティンブクトゥの土地は徐々に乾燥しており、風による侵食や、気候変動の影響が懸念されています。世界遺産に登録されているにもかかわらず、これらの遺跡は持続的な保護が求められています。国際的な援助や地域の人々による保存活動が重要な役割を果たしていますが、依然として多くの課題が残されています。
ティンブクトゥは、その卓越した学問と文化の歴史だけでなく、多様な民族が共存する地域としても注目されています。ここには、サハラ砂漠の影響を受けながらも、独自の文化や伝統が育まれてきました。観光客や研究者にとって、ティンブクトゥは世界の貴重な遺産として、訪れる価値のある場所です。
このように、ティンブクトゥはイスラム教の歴史を知る上で欠かせない地であり、その文化的遺産は未来へと引き継がれるべき貴重なものです。今後も持続可能な方法でこの地の保護が進むことを願っています。
「トンブクトゥ」はどこにある?