基本情報
遺跡名称 | 16-17世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタート・ダ・テッラー西部スタート・ダ・マーレ |
遺跡名称(英語) | Venetian Works of Defence between the 16th and 17th Centuries: Stato da Terra – Western Stato da Mar |
国名 | クロアチア |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (iii)(iv) |
世界遺産登録年 | 2017年 |
資産面積 | 378.37ha |
世界遺産「16-17世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタート・ダ・テッラー西部スタート・ダ・マーレ」の登録理由や特徴について
「ヴェネツィア防衛施設群(16世紀から17世紀):スタト・ダ・テッラ – ウェスタン・スタト・ダ・マール」は、イタリア、クロアチア、モンテネグロに位置する防衛施設のグループであり、全長1,000キロメートル以上にわたる重要な文化遺産です。この物件は、イタリアのロンバルディア地域からアドリア海の東岸まで広がっており、ヴェネツィア共和国の強力な防衛体制を示しています。
この防衛施設群は、ヴェネツィア共和国を他のヨーロッパの大国から保護するためのものであり、特に北西方面からの脅威に対抗する役割を果たしました。さらに、アドリア海の航路と港を守るために設計されたスタト・ダ・マールの防衛施設は、地中海東部、つまりレヴァント地域へのアクセスを確保するためには不可欠でした。これらの要塞は、当時の軍事力の拡大とヴェネツィアの権威の維持に欠かせない防衛戦略として機能しました。
特に注目すべきは、火薬の導入が軍事技術と建築様式に与えた影響です。これにより、いわゆる「アッラ・モデーナ(alla moderna)」またはバスティオン式の要塞が誕生し、これはヨーロッパ全体に広まりました。この新しい防衛技術は、従来の城塞とは異なる設計理念を持ち、地形や攻撃手法に対する適応力を示しています。
この世界遺産は、ヴェネツィア共和国の歴史的な影響力と彼らの防衛戦略の洗練さを物語るものであり、今日まで残るこれらの構造物は、当時の軍事建築の技術革新を反映しています。各地に点在する要塞は、その地域の歴史や文化を理解する上で重要な役割を果たし、観光客が訪れる際には貴重な歴史的資源となっています。
これらの防衛施設群が持つ歴史的価値は、世界遺産としての登録により国際的に認識されています。ヴェネツィアの防衛施設群は、単なる軍事的な建築物ではなく、当時の技術、文化、社会が交錯した生きた証拠であり、彼らの存在を通じて、私たちは過去の教訓を学ぶことができます。これからもこのかけがえのない遺産が保護され続けることを願ってやみません。
「16-17世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタート・ダ・テッラー西部スタート・ダ・マーレ」はどこにある?