「相撲=日本のもの」じゃない!?モンゴル相撲“ブフ”が生んだ最強戦士たち
モンゴルの伝統格闘技「ブフ」は、単なる相撲ではなく、モンゴル民族の誇りとも言える存在です。日本の相撲とは異なり、以下のような特徴を持っています。
・体重制限がないため、幼少期から大柄な選手が育つ
・立ち技・投げ技・足技を駆使し、柔軟な動きが求められる
・一度でも地面に膝や背中がつけば敗北というルール
このため、ブフを経験した力士は 重心が低く、バランス感覚に優れ、倒れにくい という特性を持ちます。大相撲で見られるモンゴル出身力士の強烈な投げ技や、独特の粘り腰はこのブフの影響を受けています。
「寒暖差50℃の地獄で育つ」遊牧民の暮らしが鍛えた土俵無双の身体能力
モンゴルの遊牧民は 幼い頃から馬に乗り、家畜を追い、自然と戦いながら生きています。この過酷な環境が、モンゴル力士の基礎体力を圧倒的に向上させるのです。
・馬上で鍛えられる強靭な脚力とバランス感覚
・寒暖差50℃の環境に耐える強い精神力
・食文化による筋肉質な体型(高タンパクの乳製品と肉食中心)
こうした遊牧民の生活は、自然と相撲向きの体を作り上げます。日本の力士が相撲部屋で稽古を積むのに対し、モンゴル力士は 日常そのものが最強のトレーニング になっているのです。
「負けたら帰れない」異国の地で戦うモンゴル力士の覚悟とは?
モンゴルの力士たちにとって、日本の相撲界で成功することは単なる個人の栄誉ではありません。彼らは 家族の期待を背負い、故郷に錦を飾るために土俵へ上がる のです。
・成功すれば故郷に莫大な富をもたらせる
・負ければ帰る場所がないというプレッシャー
・異国での厳しい環境に適応しなければ生き残れない
こうした強烈な動機が、モンゴル力士たちを誰よりも貪欲に、そしてタフにさせています。
「日本の土俵を支配したモンゴルの怪物たち」歴代横綱とその伝説
モンゴル勢が横綱に昇進し始めたのは21世紀に入ってからですが、その勢いは止まることを知りません。(表:モンゴル出身の歴代横綱とその主な成績)
白鵬は歴代最多の45回優勝という圧倒的な記録を持ち、名実ともに 「平成・令和最強の横綱」 です。朝青龍も、短期間で25回の優勝を果たし、カリスマ的な人気を誇りました。
豊昇龍は朝青龍の甥で、2025年1月27日の横綱審議委員会で全会一致で横綱昇進が推薦され、29日に昇進が決定しました。
横綱昇進が期待されるモンゴル出身の力士(2025年1月時点)
現在、大関に在位し、横綱昇進が期待されるモンゴル出身の力士は以下の通りです。
琴ノ若 豪規(ことのわか・ごうき)
・先代・琴桜の孫であり、名門「佐渡ヶ嶽部屋」の看板力士
・2024年後半から安定した成績を残し、綱取りに挑む可能性が高い
2025年の相撲界は、モンゴル席の力士で大きな注目が集まります。
モンゴル力士が大相撲を支配してから約20年。その勢いは未だ衰えません。「日本人力士はもう勝てないのか?」という声もありますが、それはモンゴル勢の努力と実力の結果です。
しかし、近年では日本人若手力士の台頭もあり、「モンゴル vs 日本」の構図はさらに激化していくでしょう。2025年、土俵の主役は誰になるのか?今後の展開に注目です!